狂った果実


〔観劇日〕 2001/5/19(土)
〔脚本〕    GINGUIS FARM
〔演出〕    宮崎 忠
〔出演〕    平尾良樹/海老原敬介/伊藤高史/佐野賢一/山下和敏/石塚透/川瀬忠行/小山弘訓/大村美樹/菊田由美子/その他若手

【あらすじ】
  ここは、品川警察署内の一室。10回目の禁煙中の権道刑事はイライラ中。

権道刑事と新米刑事(伊藤くん)がタレコミ屋の沼田を取り調べようとしているところに、いろいろな邪魔が入る。なんと、この権道刑事は、 超能力の持ち主で事件に関係した証拠の品物に触れると事件の真相がわかってしまうのだ。 そんな能力を頼る刑事仲間がいるので、取り調べの途中なのに透視依頼され超能力を発揮しないわけにはいかず・・・。財布・拳銃・ビニールシートと 透視が行われる。舞台上は、取り調べ室と透視されている中身が交互に入れ替わる形式で進む。
権道刑事は、超能力を使うとぐったりと疲れてしまい、新米刑事にマッサージを要求する。腰に乗ってしまった新米刑事は、権道刑事の超能力のえじきとなり (能力は持続していて見えてしまったらしい)、恋人との別れを透視されてしまう。

沼田を取り調べようとしていたのは、沼田が自分の子供へ対しての虐待疑惑があったからだった。最終的には、沼田の過去も見えてしまい、 沼田も子供のころ親から虐待を受けていたという事実だった。

【感 想】
  今回は、初めての劇場で地図を頼りにいったのはいいが、反対方向に歩いていたので劇場に着くまでに、 倍以上歩いてしまったのでした。そんなことは、どうでもいいのですが、今回の楽しみはなんと言っても、 平尾良樹さんです。今年の初めにこの劇団の舞台を初めて観て、平尾さんのファンになってしまいました。 どこが? 声が・・・(笑) この、カッコ・笑い・カッコ閉じるの意味は、その声を聞いたことのある人で ないとわからないので、ごめんなさい。2月の観劇レポを読んでみて下さい。平尾さんについて書いてあります。

今回のチラシのデザインは、電波少年で伊藤くんとコンビを組んで旅をしていた、チューヤンが手がけています。 デザイン的にも芝居の中身と合っていて良いと思いました。

それでは、先ず平尾さんのことから
顔は二枚目ですが、声が三枚目です。ハスキーな高い声なのです。あの頭蓋骨は、こんな声になるのかぁ。 と声をじっくり聞いて、顔と頭も観察してしまいました。なにせ、席は二列目でしたから。私の中にしっかりとインプットされましたよ〜。 顔を思い浮かべると声も思い出す。その反対もしかりです。笑顔が「可愛い」のと「素敵」の間かな(笑)
全身はスリムで私好みのシルエットで、半袖から出ている腕の力こぶがす・て・き(笑) そして、あの声でしゃべる関西弁。今回の目的は しっかりと遂行できて大満足でした。なんのこっちゃ(笑)

笑わせておいて、泣かせると言うストーリーもしっかり出来ているのだけれど、最後の結びの部分が、かなり前からバレてしまう のがいただけないかなぁ。そして、落ちの部分の材料が古いよ〜。使い古しの落ちネタでしたよ。それはどんなネタかと言うと・・・。
最初に、権道刑事が彼女とパンツをはき間違えて、自分のパンツをスーツのポケットにいれておいたまま、取り調べが 始まり、最後に来て取り調べをうけていた沼田が泣くのだが、そのとき、権道刑事はハンカチと間違えて 自分のパンツを出してしまう。沼田は、知らずに目をぬぐうのだが、広げた時にパンツと分る。という落ち。 ねっ、つまらないでしょ。早くからネタバレしてるもの。

全体を振り返ってみると、構成はおもしろい。舞台上の時間の移動のさせ方も面白い。ただ、すごく笑わせてもらって おいて、こんなことを言うのも何なんですが・・・(笑) ギャグが古い感じがするのです。でも、石塚さんの部分は 古いギャグコントのようでも、石塚さんがやるからぴったり合っててOK!というところもありでしたね。大笑いして しまったのだから、ギャグが古くてもOKってこと?
前回も、古いネタがちらほらとあって、わざと入れているのかなぁと思ったのだけれど、今回はどうだったのでしょうか? 新しい人間達が古いネタをやることで笑わせてしまおうということなのかな? いいや、なんか違う気がするなぁ。 本を作っている人に古い人が混ざってるのかぁ〜〜?(笑)

みんないい味だしているのだけれど、特に海老原さん、佐野さん、石塚さん、伊藤くん(何で彼だけ「くん」なの?)、 菊田女史は、良い個性を出していました。
海老原さん、壊れた二枚目という感じで権道刑事になりきっているので感心(笑) 超能力発揮するところでは、よくやった!  権道刑事は、頭を北向きにし、お尻を突き出し背中から腰を水平にした姿勢になる。その腰の上に証拠の品を載せると透視ができるというもの(笑)  その透視能力が残っているうちに、腰に何かが触ってしまうと見ようと思わなくても権道刑事には見えてしまう。というやっかいな面もあり。
佐野さん、う〜ん、可愛いやん。刑事の役?と一瞬思った。オレンジ色のTシャツにキャップ姿なんですもの。そして、いや〜、 私好みの駄洒落が出ました。「それは俺が、若いってこといなずま?」(笑)なんて言うやつでした。大きくうけてたのが私だけのような気が して・・・(^^; てな感じでした。
石塚さん、東北弁での熱演、大笑いしてしまいました。コンビニに東北弁の強盗が入るのだが、言葉が通じないので中々お金を奪えないという コント(?)でした。・・・これも超能力で透視したときの風景なんです。私の心の中では客席から、コンビニ店員に突っ込みをいれてました。
伊藤くん、舞台上にスーッと出てきて何時の間にか、自然に溶け込んでいるのが不思議。ちょっとした 表情の変わり方が良いですね。でも、もうすこし大袈裟でもいいかも。だって、まわりがまわり(大袈裟の集まり)ですから。 権道刑事が超能力を披露するところでの驚きの表情と、沼田が涙を拭いたパンツを広げたときの驚きの表情も微妙に 違っていて、いいねいいね。

何回か見ていれば、もっと細かいところまでの感想が書けたのでしょうが、あとから思い出したら書き足してみます(笑)
次回は、同じ劇場で8月にライブと言っていましたので、機会があったら見に行ってみて下さい。平尾さんを(笑)ジンギスファームを。
('01/05/20)



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