第3回:スポーツ大会初参加!物理班写真係誕生

 入部してまもなく、4月の「みどりの日」の目前。うちの高校では「スポーツ大会」が行われた。中学時代とは違い、フィルムを朝、班長から受け取り、自分で好きなように撮りまくればいいらしい。ただ、私のカメラは一眼レフではあるが50mmという、きわめてスナップショット向けの長さしか積んでいなかったため、また、私の腕の下手さも手伝って、なかなか思うような写真は撮ることが出来なかった。

 そんな中、一つ、後に大いに関わってくる問題が発生していたのだ。 そのやりとりの一例。

他人「カメラもって、何しとるわけ?」
わし「部活動」
他人「うちの学校、写真部なんてないがぁ」
わし「いいや、科学部物理班の中に暗室があって、それで出来るわけ」
他人「じゃぁ、それ、カラー?」  ※注1
わし「白黒しかできないもんで」

と、このような会話が教員、生徒を問わず発生したのである。私は正直、自分より学校にいる期間が長いはずの教員の方々が、写真の出来る部活動があることを知らない、なんて事実があることにびっくりした。

 とりあえず、このいきさつにより、私(のみ)が所属する「写真係」が公にも復活したのである。しかし、このとき撮影されたフィルム(他の班員の方々にもご協力いただき、占めて3本撮影されていた)は、過去に使われていた薬品を使い回した上、更に半年間の私の写真現像のブランクも手伝って、ものの見事に全滅してしまった(汗)。正確には、フィルムのネガはちゃんとあるのだが、上手にプリントアウトできないのである。
 だから、未だにこのとき撮影されたフィルムは、学校の暗室の奥底に、私が抹消したっきりになっているであろう。

 今頃、カビはえてなきゃいいけどなぁ(汗)。今度、掃除いかなきゃ・・・。


※注1:往々にして高校ごときの安い部活動用予算では、「カラーネガ」を自家で現像するのは無理なのです。まず、第一に3〜4色の発色可能な、特殊な現像液がいる。それを印画紙にプリントアウトするための特殊な現像機が必要。さらに、カラー用の「生印画紙」は必須です。これらは非常に高価で且つ、一般に入手は困難であるのです。もし、白黒写真の設備一式の金額が知りたいのならば、名古屋市中区栄にある「トップカメラ」の2階をご覧下さい。もし一括で揃えようとするならば、現像液の粉末から初めてタンク、液パッド、果ては現像機本体まで、あなたのアルバイト2ヶ月分の給料は、食いつぶされることでしょう。だから、カラーなんか、我々の想像も付かないくらい、高い設備投資が必要なのです。