さて、学校祭(文化祭の部)がおわってすぐ(とはいえ1週間班ほど間があって)、私の母高校では体育大会が催される。さて、皆様はこの響きから何を想像されますか?パン食い競争?借り物競争?仮装行列?
前回までずーっとお読みいただいた方にはおわかりいただいていると思いますが、本校に於いてそのような「レクリエーションともお遊びとも取れる」種目は皆無である。開催される種目のうち、私が覚えているものを列記してみよう。
文化祭の疲れもそこそこに、まず各学級で行うことといえば、選手の選出。なんだかんだと体育の授業を使って向き不向きをチェックしながら、出場種目を決定。次に話し合う内容は、「学級旗」を作るか否か、ということ。予算が5000円(大金を使うはずの文化祭が10000円で、体育祭が「旗」だけで5000円。何でこんなに予算ウェイトが違うのだろうか?)出るらしく、それを使って好き勝手に振り回して応援できる旗を各学級で作ろう、というもの。実は学校側が用意するものに「クラス旗」というものがあり、学年色ベースにクラス番号のアップリケが施されたものがあるのだが、家庭科の先生に依頼して作ったものであるらしく管理を徹底するためにこういった別物を作らせることが続いているようだ。
とりあえず、これも製作することが決定。私は当然不干渉。当日までどんなものが出来るのか、知る由もない(今でも何だったのか、覚えていない)。
さて当日、文化祭同様フィルムを2本、記録係の先生から手渡される。またこれで好きに撮ってくれ、ということらしい。お言葉に甘えながらも、開会式は、やはり生徒なので真面目に参加せねばなるまい。カメラは私の独断と偏見(と強情なまでの説得)により、本部テント内、アナウンス(放送)席脇に置き場を作り、そこへ預けて参加。前日の5・6限を潰してやって予行練習(高校生にもなって、しかも教員主導)の通り、グラウンドを1週。その後はどこの学校でも同じような流れ。校長の話、、選手宣誓に準備運動などをこなし、競技開始。かったるいことこの上ない。私は学校内で早い種目、100m走に参加なので、問題なく即・集合し、予選参加。勿論予選落ち。
それ以降は当分、写真撮影に専念することに。
ここで私に、「仕切り屋」教師から文句がやってきた。フィールド内を半袖でうろつかれると、選手と区別がつかないと言うのだ。言われてよく見ると、手伝わされている運動部の生徒たちは、みんな体操服の上からユニフォームを羽織って区別されている。そんな事言われても私は文化部だし・・・。仕方がないので、暑苦しい緑のジャージを着込み、カメラをぶら下げてトラック内を走り回ることになった。
50mmレンズという、遠距離撮影に向かないカメラであちこちを撮影。フィールド内をうろつけば、自然と観客席から「何やっとるの?」という疑問が投げかけられる。それに対して答えたり、たまにはスナップ写真を撮影したり、もちろん真面目な走行シーンや跳躍・投てきの瞬間なども走り回って撮影。おおよそ10時45分ごろ、「騎馬戦を始めるので準備せよ」とのおさっし。はぁ、また嫌な競技がはじまるわぁ、と思いつつ本部へカメラを置きに行く。何が嫌かと言えば、「裸足&上半身裸」が、である。だいたい何の必然性があって上半身裸なのだ?いちいち着替えるのが億劫でないか。ましてや華奢な体つきの私がなぜに肉体美(嘘付け!)をさらさなきゃならんのだ?!
ちなみに過去、本校の「学校紹介」と言うパンフレット表紙に「上半身裸の生徒が騎馬を組んで突入する姿」を起用したそうだが、各方面から批判を浴びたそうだ。そりゃそうだ、逆セクハラだもん。ある意味「プライバシーの侵害」ですぞ、それは。
ま、与太話はおいといて。とにかく無事終了。そそくさと元の仕事に戻り、かくして昼食の時間に。もちろん学校唯一のジュースの自販機は売り切れ。赤字続きの購買部もこの日はジュースが売り切れたそうで。ここで買出しに外へ出られないのが(出たところで田んぼのど真ん中なのですぐ見つかる)、悲しいところである。私は勿論食事もそこそこに外へ出て、カメラの整備。教室でやろうものなら何をされるか分かったものではないから。手作業をしながら、教職員と他愛もないおしゃべりもこなす。怪我人がどうとか、種目の成績はどうとか。ちなみに得点計算は、教員の私物ノートパソコンによる表計算ソフトの使用であることを(意味ないが)付け加えておこう。
さて、午後1番目の種目は長距離走。昼食後すぐに行う種目では、個人的にないような気がするのだが、ま、私は写真をとるだけである。特に長距離は、ゴール時の選手の顔が被写体としておいしいので、レース内容そっちのけで構える。写真の成果は・・・聞かないでください(汗)。
その後、女子のレクリエーション種目「綱引き」が行われるが、ここでハプニングが。3回戦の最中に、綱がぶちきれたのである。ファインダーをのぞいていたら急に生徒がはじけ飛んだので、何事か?!と思って近くの教員に尋ねたら、このように尻をさすりながら教えてくれた。さすがに創業以来25年も使っていれば、弱くもなるということか。
さて、決勝戦もすべてが終わると、1年生の余興、組み立て体操が執り行われる。私も当然出なきゃいけない。しかし、何が悲しくて高校生が組立て体操を行わにゃならんのだ?しかも前半は「滑らかな動き」をモチーフに「la la la lovesong」にあわせて踊らにゃならんのだ。
一つ一つの動きが終わるごとに、あちこちの生徒から爆笑ともとれる声と拍手がとんでいた。後に友人たちに聞けば、やはり笑われていたのだそうだ。先輩も「笑えた」そうである。何か、この種目を、無理やり余興にしている気がする。それでも教員たちは絶賛を繰り返している。主観の違いなのだろうか?
成績発表なのだが、実際1年生で上位に食い込むのはやはり難しい。結果はぜんぜん覚えていないので省略するが、とにかく疲れた1日になった。
勿論この後、物理室にこもり、ひそかに打ち上げをしていたのは、言うまでもない。