とりあえず、第3回実力考査も、第4期定期考査も終了(やっぱり化学は赤点(2回目))。やはり年末には某予備校に通い、数学の講義で「順列・組み合わせ」を(比較的)得意分野とし、また相方の英語の講義中には小説を読みふけりながら過去完了形についてお勉強。
そういえば、このとき初めてバイトをしたのです!何かと言えば、「黒板消し」!全日授業を受けることをチューター(予備校名、分かりました?)に念押しされ、喜んで引き受ける。勿論モットーは、「他の教室よりも美しく」。3度がけしたり、黒板消し全てにクリーナーをかけたり、そりゃ熱心にしました。何せ初めてのバイトですから。他の教室の黒板の消し方が汚いと、「ふっ、まだまだ甘いなお兄さん」とか一人ごちて、遠い目をしていました(ただの馬鹿)。そんな仕事の報酬として最終日にいただいた1000円の図書券の重みは、未だに忘れられません(もっとも、大学入学と同時に本に化けましたが)。
さ、年も明けて第4回実力考査。結果は・・・聞かないでください(汗)。でも、第5期定期考査は遠いので比較的のんびりした時を過ごしていた。
何も無い、平和な学校生活。何かを起こさねば・・・。来年度の文化祭のネタを考えつつも、それだけの日々。そんな暇な私に、またしても行事参加のお話が舞い込んできたのである。
科学部化学班の顧問に呼び出され(一応文化祭終了後、私は「科学部部長及び科学部物理班長」と言う長ったらしい役職を拝命していた。特に部長としてやることは無かったんだけど)、「愛知県高等学校文化祭(自然科学部)の研究発表会が開催されるんだけど、行く?」と言われた。第2土曜日の午後が潰れ、しかも制服での活動というのは痛いが、「ホバークラフトの作成」という発表があったため、「これは聞きに行って現在所有しているうちのブツとどう違うのか聞き出してこなければっ!」と、躍起になり、参加を真っ先に決定したのであった。その後、化学班から4名ほどの参加表明もあり、当日はこの5名と顧問1名で、名古屋市科学館生命館地下2階「サイエンスホール」へ向かったのであった(もっとも、意気込んでいるのは私一人)。
会場内は同様に見学にきている学校の生徒で6割程度埋まっていた。受付で学校名を告げ、プログラムと研究レポートの冊子をいただく。パラパラと見た限り、半分は自分の学校で行ったことのある実験で、残りは
1:やりたくてもやれない(高校生の域を飛び出した)実験
2:物品の都合上無理な実験・研究
であった。
記録に残っているもので、学校近辺の河川の水質調査のレポート(実は私の自宅の近所の川であった)があったが、活動の様子のスライドを見ていた化学班班長と副班長がにやにやしだした。聞くところ、水質調査は本来、川の真ん中の水を採取して行わなければいけないらしい。スライドでは河川敷から水を採集しており、あれでは端に寄ってきたゴミやヘドロの成分も混入しており、正確な結果にはならない、ということであった。
科学とどう関係があるのか、「インターネットを使った学校紹介」という発表もあった。校長室をクリックすると学校長のお言葉が出てくるとか、全然関係の無い内容が続くかと思えば、突然学校の裏山の生態調査の発表に切り替わり、私は正直肩透かしを食らった。起承転結はやはりきっちりしてほしいものである。ついでに言えば、公開レポートなのだから、自己完結でなく、こちらにも分かりやすく噛み砕いた例を提示するなり、努力をしてほしかった。なにも発表をしていない私たちがエラそうに言える立場じゃないのですが。
私が楽しみにしていたホバークラフトの発表の時間がやってきた。えっちらおっちら製作道具を引き出し、説明をしだす。発表者は1人で、カンニングペーパーを見ながらどうにかこうにか進めている模様。何かいじめたくなってきた。設計図を参照すると、班で所有しているものと大きく異なり、一つの足回り全てを空気で浮かび上がらせるという「本物仕様」になっていた。が、配線に無理があり、乗用実験は不可の模様(動力=黒板消しクリーナー(これは一緒)が上面に出ており、その脇をスイッチ群が占めており、とても乗船できない)。あれでは学校の文化祭で飾れまい。よし、この線でなにかアラを探そう。あわよくば質問発言第1号もいただきだ(発表会開始1時間30分。質問は1件も、なし)。
つつがなく適当なことを述べて、発表は終了。さぁ、お楽しみの質問タイムだ。司会者(勿論高校生)が「ご質問は?」とたずねる。発表者も、司会者ももう質問など出るわけ無いとたかをくくっていたようだ。私が手を上げ、明らかにうろたえた。何せ私の挙手を見逃したのだから。お得意の地声で「質問があるのですが、よろしいでしょうか?」と問いかけ、発表者がうなずいたのを確認するや否や
「この重量を4機のクリーナーモーターで膨らませるには抵抗があると思うのですが、どのようにモーター出力を計算したのですか?」と始めたので。慌てて裏方がマイクを持って私のところまで走ってきた。しょうがないのでまた同じ事を1から繰り返すが、途中でさえぎられ、自分の出身校と氏名を述べる。確かにこれを言うのは常識だが、いかんせん質問を先にしたような状況において、なんか変な感じがしたのだが。
何か肩透かしを食らった私への、回答は、「お手元のパンフレットを参照して下さい」とのこと。そこに計算式がついているのだが、私には「ホバークラフトの浮力重と本体の引力を差し引きした式」に見えたので質問したのだが、どうやら勘違いされたらしい。どうもこの勘違いは抜けそうにないので、そのまま私は質問するのをあきらめた。とりあえず当初の個人的目標を達成したので。
次の発表のときには、他所の学校の人が堂々と手を上げて質問をしていた。その後最後まで各階1つは質問が出ており、とりあえず私の「質問デビュー」は当初の目標を達成したと思った。ちなみにどういうわけか顧問氏は、私が先陣切って質問したことを誉めてくださった。うーん、別に誉められるようなことをした覚えはないんだけど・・・。
なお、これは後日談(つい去年)だが、名古屋テレビのニュースにこの高文祭の模様が放送されていた。アナウンサーいわく「・・・活発な意見が飛び交い、有意義な意見発表を行っておりました」とのことだが、このような状況を味わった人間に言わせれば、どうもうさんくさいものがある。テレビは100%鵜呑みにしてはいけないのである(参考:当HP本館1階第1回の話)。