半分徹夜の状態で、朝7時に起床。「人間3時間眠れば生きていける」なんてどこかの芸能人が言っていたなぁ・・・などと思いながら、ウォークマンで井上陽水を聞きつつ自転車を走らせる。学校に着いても、教室など見向きもせずとりあえず部室へ。昨晩作った、1.2MBもする、総問題5281問のクイズを、部室のパソコンにコピー。そうこうしている内に、教室集合時間の朝9時。ちぇ、あんな修羅場みたいな教室、誰が好き好んで行きたいもんか!と思いながらもいかねばならないこの身の辛さ。やはり最初はくだらない発声練習から初めて、この時期やっても仕方のないパート練習、そして通しで歌うこと数十回。いったいどこに不満足なのか、という出来栄えなのだが(歌が難しいこともあるが)、あいかわらず文句をつける事。こんなことでは誰もがやる気をなくすぞ・・・という午前10時30分で休憩。休憩時間はもちろん、速攻で部室へ逃げ出しさまざまな作業を行う。私の場合、この時期になると、修学旅行や春のスポーツ大会で撮影した写真がわんさとたまっているので、それを現像しなければならない。今回は写真の出来のよしあしにかかわらず、すべて飾ることにしていたので、その枚数100枚近く。夏休み期間からコツコツ焼いていたとはいえ、その数はかなりのものに。思わず熱中して現像していたら、休憩時間を15分超過していた。慌てて教室に戻ると、担任がおいででいやがる。幸いにもパート別練習をしていて、そっちに目が言っていたのと、男子パートが練習をしていたわけではないので、そーっともぐりこむことに成功。テキも私がいないことには気づいていなかったようで、とりあえず一安心。その後も、果たして進歩しているかどうか分からないまま、12時近くまで練習をしていた。
昼食は「買出し禁止」にもかかわらず『ペットボトルロケットの材料調達』の大義名分の元、近所のコンビニまで外出し、自分の昼食のほかに、部活用の差し入れペットボトルを3本購入(今思うと、どうしてこんなにお金があったんだか)。部室ではすでに5名ほどがあれこれ作業をしている。とりあえず差し入れをしておいて、自分は暗室で食事を摂りながら現像作業を行う。午後1時になり、展示作業開始時刻なので、指示をしに教室にいってみると、何と合唱の用意があいかわらずあるではないか!どういうことかを仲間に尋ねると、また「バカ鶴の一声」とやらで、合唱をやるハメになったとの事。けっ、そんなに展示やりたくないんだったら、それでもいいやい!勝手にしやがれ!俺は忙しいんだ!!と、練習をサボる事確定。なぜなら午後には、「万」の印刷・製本作業があるからである。化学班の冊子印刷のお邪魔をして(そもそも「万」は化学班のものなんだし・・・というこじつけ)、B4で25枚×75部の印刷を開始。印刷技術は、去年の冊子印刷である程度身に付けているとはいえ、これら一連の作業を1人でこなさなければならないので、ある意味しんどい。しかし、隣で印刷している化学班のメンバーとおしゃべりしながらなので、さほど苦ではない。逆に合唱練習していることを思えば、よほど楽しい。が、途中でクラスメイト(数人にだけ、所在を明らかにしておいたのである)が呼びに来たため、教室に逆戻り。いつのまにやら合唱も終わり、渋い顔した担任の説教が。こいつが怒るときのお決まりで、廊下に呼び出され詰問を受ける。こちらとて、部長としての職務があり、呼び出されたということを説明し、何とかその場は丸く収まる。しかし、
「最近展示、何もやっとらんように見えるが、大丈夫なのか」と、聞かれたので、ここぞとばかり反論。
「僕が調べてきたことを丸々B紙(=模造紙のこと。名古屋弁です)に写すだけなら1日もあれば、誰でも出来ます。どのグループも僕の原稿以上に調べ物をしていないので、この分なら前日に飾り付けるだけで、全然問題ありません。紙漉き体験コーナーの、パルプ紙がなくなる事のほうが心配なので、そちらを最優先でやっております。そのときに必要なドライヤーやミキサーは、今、家で要らないものがないかをあたってもらっていますが、それでもなければ、私の責任ですので、リサイクルショップでも行って購入してきます。ところで、先生が指揮していらっしゃる、『桑名の千羽鶴』とやらは、大丈夫なんですか?展示レイアウトの書類が明日提出なので、その辺をここではっきりさせて頂かないと困るのですが。」
やーい、言ってやった!返事は「その辺は心配ないように、K(先生ごひいきの女子生徒です)達にやらせている。俺のほうは大丈夫だ」という返事。とりあえず、考えることは考えているのだよ、俺は。
さすがに切羽詰ってきたことが分かったらしく(なにせ、よそのクラスは張りぼてなど、ある程度、形あるものが揃ってきているのにも関わらず、うちはといえば、模造紙にレポート書いたのと、牛乳パックを剥がしたパルプしかないのであるから、そりゃ心配になるのも頷けるわな)、女子の真面目な人たちがいろいろ質問に訪れた。その都度、ちゃんと指示を出し、また、頼りになる子には、自分の今置かれている状況を話して、しばしば離席することがあること、やることは配ったレジュメにあるだけで、後は当日レイアウトしてみないと分からないということ、担任と展示の方針でいまだに対立している為、土壇場で変更になるかもしれない事を説明し、協力を要請しておく。言っておいてすぐ、印刷した「万」の製本に向かう。印刷を終えた「万」は、既に化学室に運び込まれていたが、ページの順番がわからないということで、作業が中断していた。後半の「イラストのページ」にだけ、通し番号を振らなかったため起こった現象。心で化学班の皆様に謝りつつ、製本作業を開始。人海戦術の成果で、およそ15分で完成し、欲しい人には配ってあげる。どうせ、75部あったって、身内にしか配らないんだし。
この日もバタバタしたままあっという間に下校時刻になってしまい、部活の後片付けをしてかたら帰宅の路につけたのは、午後6時をゆうに回っていた。
翌日以降も、先週同様、合唱中心でコトが進行するため、私としては苦虫を噛む思いを幾度となくしたが、幸いにも回りも危機意識を持ち出したらしく、準備に対し精力的な人間が増えたので、それほど胃が痛くなることはなくなっていた。