ガドガード

2003年  4月開始
2003年 10月終了


#1  「同じ空を見ていた」    ★★★★★
  結構いいかもしれない。メカといい世界観といい…このハッタリの効きまくった妙なノリが肌にあってるみたいです。一見丸くて可愛いキャラデザインにひと昔前の退廃的でアメリカチックな世界観。灰色と茶色の街並、クセの強いキャラとかエロさがまさにそんな感じ。世界観にこだわる番組は好きですし。空手少女も好きだったりします。小難しい話になっても構いませんが、スタイリッシュと馬鹿フェスティバルの境界線を痛快なアクションで綱渡りして欲しい。

 

#2  「欠片繋ぎ合わせ」    ★★★★★
  不安要素だったやる気の無い主人公、彼が鉄鋼人に惹かれていく様をしっかり描いてくれたのでひと安心。ラストで名前をつけさせる絶妙なワザに感服。列車自体もハッタリが効いてるのに、さらにその上で戦うというハッタリ満点なバトルがもう最高。細かい事を気にせず楽しむ事に集中できる、僕的には重要な要素をバッチリこなしてくれる番組です。勿論細かい事を気にできるほど機械やら世界観やら練りこまれてますし、萌え的にもバッチリですし。それでいて絶妙な間抜けっぷりを保持してるのはさすが。

 

#3  「ナイトタウンの街角で」    ★★★★★
  母親には迷惑をかけたくない、オヤジとの約束だから、と最初すかした奴だと思っていた主人公の好感度はいまだ上昇中。激しく動くと操縦者が危なかったり、シーツをかけて隠さなきゃならない、ってな感じで都合のいいロボでは無い鉄鋼人がいい感じ。スタッフ側がここまでこだわりを持ってる“ガド”、これに託された様々な想いが今後どうなるのか楽しみ。今回も動きのある作画が小気味よく、ラストシーンでナイトタウンの灯が消えている絵は中々。この番組独特の軽快なテンポがいい感じですよ!

 

#4  「瞳涼やかに」    ★★★★★
  夜の0時を回ると街の日が落ちるナイトタウン。引っ越して来たアラシ嬢の悪戦苦闘がいい感じに世界観を教えてくれてます。「やらなければならないことがある。だからコイツは僕の所に来たんだ」って…少女かと思ってたキャラが実は男だったとは(笑)それぞれ環境も目的も異なる各人が、貴重なガドこと鉄鋼人をどう扱っていくかが番組の大筋だと思うんですが、篠塚アラシ嬢の理由が何なのかは少々気になるところです。


#5  「そして雨が降る」    ★★★★★
  最高。飛び回る鉄鋼人の周りで止まってる瓦礫等など、作画はもう全般的にかっこよさ満点。豪快に壊しまくるわ飛びまくるわ迫力満点で燃えまくりですよ!さらに番組終盤のバトルではビリビリくる緊張感まであってもう言う事無し。最高。
  アラシにしてみれば煩雑で汚らしいナイトタウン。ハジキが昔好きだった家もデイタウンでありナイトタウンでは無い…んですが、ハジキがナイトタウンに微妙な愛着を持ってるように感じるのは僕だけでしょうか?それこそ変な犬(笑)や別の生き物ことカタナくんにも興味を示してたみたいですし。ハジキは自分の中に潜む情熱をどこまで抑えられるのか?と勝手に盛り上ってみたりする。

 

#6  「空を飛べたら」    ★★★★★
  「ナイトタウンから出てやるのさ」「デイタウンを出て来たの」「ゴールドタウンのお嬢様じゃあるまいし」とタウンも色々ありますが、アラシ嬢もようやく仕事をみつけたご様子。淡々と、実に淡々としながらも…自分のガドが欲しい、そう覚悟を決めたアラシ嬢が鉄鋼人につけた名前はハヤテ。この辺の気の回し方が実に丁寧。
  お嬢様は「もっと世界と能動的に関わって」とは言うものの、「俺はひとりで生きていく」とその申し出を突っぱねるハジキくん(くん付け奨励)。共通点は鉄鋼人を持っている、だけなんですが…今後の推移が気になる所です。

 

#7  「さすらいの2人」
  痛恨の見逃し。

 

#8 「雪が心を融かす」    ★★★★★
  サビの匂いがしそうな極北の工業都市に、これまた油の匂いが染み付いてそうな堀屋のオヤジ。こういう世界観の描写がしっかりしてるので、素直に話に入っていけるのがガドガードのいい所。単純に善悪で割り切れないような人々が、時に暴力をも用いるこの感じが何とも。渋い。カタナもただのイカレた鉄重機乗りかと思ったら、堀屋のオヤジのおかげで人間味あふれるキャラになってますし。見事。
  殺生丸先輩同様カタナも幼女連れ、音が出るスリッパ着用で幼女的にはバッチリ。は冗談だとしても、ラストの戦闘シーンは相変わらず迫力満点。トランペットを買い与える、っていうジンワリくるラストも素敵。

 

#9 「夕陽に札束」    ★★★★★
  ちょっとばかり意味深なタイトルを、毎回巧妙に話として成立させる本作ですが。中でも今回は時間軸を巧みに遷移させながら、それぞれの想いを繋げていく凝ったやり口。ビルの上から札束を巻く、ってのは単純に考えると有り得ない話なんですが…ラストまでしっかり心理描写がなされているので、「まあいいさ。夕陽が綺麗だからな」っていう終わり方にも納得。いいなぁ、嫌味にならないこの絶妙なカッコつけっぷり。
  父親の夢が実り破れたその日、消えた筈のライトニングという名前。「夢は見ない」と言い続けていたハジキが鉄鋼人に付けた名はライトニング。思い通りには動くものの、所々で手に負えないライトニングに話しかけるハジキ。母親を思いながら札束入りのトランクを前に考え込むハジキ。もうハジキくん最高。とにかくハジキくんの微妙な感情の揺れ動きを見ているだけで、何とも言えないドキドキ感がありますよ!

 

#10 「虹の町には帰れない」    ★★★★★
  ヤバイ仕事に関われば、人命のやりとりがすぐ側に近付くナイトタウン。蜂須賀さんは気遣ってくれるものの、「人を殺すって気分いいもんじゃねえな」と落ち込むハジキくん。同様に危うい仕事に手を出すナイトタウンの御友達。そもそも正義が曖昧なだけに扱いは難しいんですが…様々なキャラクターが流れるように動き、小気味よく関わり合うストーリー展開は見事。作画も丁寧で、何処かにくめない感じがよくでてます。
  タイトルの意味が最後まで判らなかったんですが、まさか野郎×3が町に虹をかけるとは。座布団1枚。

 

#11 「ブルーバード」    ★★★★
  結婚式の招待状を届ける仕事で忙しく、相変わらず学校を休みがちなハジキくん。擦れ違い続きの母親が仕込んでいたパーティーってのは結婚式で、招待状最後の1枚は学校にいたヒゲのオジサン。地味ながらもひとつひとつの出来事に意味があるので、1話の情報量が多く深みがあるわけで。この街がうごめく感じ?が何とも言えません。
  相変わらず危ういアングルのアラシ嬢、学校を休んで猫を探しに。デブ猫の名前はアンドロメダ、ハヤテをくれた幸運の猫。もう会えないのではと心配する篠塚さんに、「俺がライトニングと出会ったのは、きっと訳があると思ってる」と励ますハジキくん。このセリフ、篠塚さんに対する優しさとガドに対する想い、色々な心情が含まれてます、ね。

 

#12 「闇に住む者達」    ★★★★★
  「ライトニングがいなければ、吹けば飛ぶような虫けらだ」と蜂須賀さん。「鉄鋼人を持つ僕達は、夢を実現する特別な存在なんだよ」というタクミの言葉に対し、「…オレの夢は金で買えるからな」と答えるハジキくん。それぞれがガドに想いを託し、ガドに依存する。そこに変態殺し屋子安登場。機械と融合する亜鉄鋼人。闇に住む者。
  自分は街のチンピラじゃない、人殺しだって許さない。自分がいる世界の危うさは自覚しているから、アラシを「来るな!」と制止する。ラストで「亜鉄鋼人で良かったな、さもなきゃ人殺しだ」というカタナの言葉に対し、「違うんだ、俺はアイツとは違うんだ…!」と慟哭するハジキくん。迫力があり小気味いいアクション、そして微妙な心情の揺れ動き。ガドガードらしさ溢れる1話でした。

 

#13 「失われた時を求めて」    ★★★★
  ガドは求めなければ手に入らない、けれど求めたからといって手に入るとは限らない。つまり欲するなら求め続けなければならない、という最も厄介なパターンで。カトリーヌの執念はガドの価値と危うさそのものであり、今後鉄鋼人乗りが何を失ってしまうのか…気になる所。妹には家を買い戻すと約束しながらも、「俺はここにいるよ、多分ずっと」と言ったハジキくん。既に何かを失ってしまったのか、それとも…?

 

#14 「陽の当たる庭」    ★★★★
  綺麗とはいえない手段を用いてガドをコレクションし、社会的地位を保ち続けるハーモニー家。宇宙から落ちてきた、有効利用はできていない…等などガドの社会的な位置付けが明らかになりました。有効利用できればそれこそエネルギー革命…ってのが夢をもてるギリギリのラインですか。
  今回はガドを軸にアイコと父の絆を描いた話で、「ワタシのメッサーシュミットです」というくだりは中々良かったんですが…いかんせん作画が低調で、肝心のストーリーも少々荒く。残念。

 

#15 「牙を剥く日」    
  痛恨の見逃し。サンダーボルトがあんなことになったのに。不規則な放送時間、何とかならぬものか。
  

 

#16 「銃・刀・獣」    ★★★★★
  ガドは心に住む獣を写し出す鏡。タクミのサンダーボルトは光と共に消え、カタナのゼロは獣の心が求めるままに動き出す。自分が正義たる力を求めるか、純粋な力を求めるか。その違いは自らの心に正直か否か、でしょうか。善悪ではないとすると難しい問題ですが。
  そしてライトニング対ゼロの対決、重要なバトルだけあってアクションも感情の揺れ動きもしっかりしてます。「俺は俺の心になんの嘘もついていない」「それじゃ獣と同じだ!」「鉄鋼人は獣だ!そしてお前だ、ハジキ!」と。そしてライトニングは敗れ、大切な我が家はボロボロに。家を守ってたんじゃなく、逆に迷惑をかけていた…と気付き、家を食い「行け!ライトニング!」と涙一筋。
  ハジキくんの葛藤。ガドの本質。最後で答は出るんでしょうか?あと、ブルーノが持っていた写真、幼少時のカタナと…一緒にいるのは誰?

 

#17 「去る者の論理」    ★★★★★
  選択肢。捨てて元に戻る、カタナと戦って死ぬ、悲観して自殺、ユニットを出る。家族に迷惑はかけたくない、けどライトニングは捨てられない。父親同様ライトニングが原因で家族と別れてしまうハジキくん。別れることが何より家族を傷つける、ってのも当然判ってると思うんですけど…母親と蜂須賀さんの会話が何とも切なくて。
  降り続く雨、ひっそりと街を出ようとするハジキくん。「ハジキはペットさ、昆虫レベルの」とハジキを追いかけるカタナとの激しいバトル…もどことなく切なく。
  

 

#18 「道連れ」    ★★★★
  荒野を走るトラック。本当はハジキくん1人なんですが、物言わぬライトニングの表情がどことなく悲しげに見える、ってのは見事。「ここから遠い何処かに行きたくなるときが、男にはあるんだ」との蜂須賀さんの言葉が染みる地味な1話。
  いつの間にか仲良くなってるアイコとタクミをナイトタウンに残し、ハジキくんはアラシとハヤテを道連れに。アラシの想いが重要なだけに、アラシの作画は丁寧だったんですけど…危うい作画もチラホラと。どうにもテンションが上がらないまま次回最終話。
  

 

#19 「 」    ★★★★
  淡々と。ただ淡々と農場で働く姿を描き、そして終わる。この話はラストに向けて盛りあがる為の布石なわけで、おそらく#21辺りから迷いを乗り越えたハジキくんがカタナを…そして父親を…となる筈。無理矢理脳内補完を得意とする僕でもさすがにどうしようもありません。
  番組全体に流れる雰囲気とか、ハジキくんの微妙な立ち位置とか好きでしたし、興が乗った時の鉄鋼人のアクションには見応えがありました。だからこそ途中からのテンション低下が非常に残念で。誰に責任があるのかは判りませんが、少なくとも不規則な放送枠ぐらいは何とかなるんじゃないでしょうか。実に悲しいことです。
  

 


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