LAST EXILE

放送開始  2003年 4月


#1  「First Move」    ★★★★

  飛行機といったメカ、国家同志の戦争におけるルール等など…設定とかCGとか気合の入り方が半端じゃないです。話が小難しいので世界観に入りこむまで時間が掛かるかもしれませんし、第1話の時点ではまだ話がどう展開していくか判りませんが、飛行機そして空中戦が好きな人なら…見る価値は十分にあるかと思います。

 

#2  「Luft Vanship」    ★★★★★

  まずは艦隊戦の圧倒的な迫力に脱帽。それでいて沈む船に敬礼する兵士や、傷ついた兵士の描写もこなす芸の細かさ。さらに仲裁機関であるギルドの存在、貴族と平民の身分格差に加え、“ヴァンシップ乗り”という呼称まで用意する設定の細かさに感心。無意味な騎士道精神に「クソくらえ!」と叫ばせて、依頼報酬は「無事に帰還すること」というイキな一言で、「バカは好きだぜ」との言葉通り主人公兄妹の好感度は限りなく高く。
  いやはや面白い。実に面白い。この2話だけでも十分観る価値があります、と贈られるは讃美の言葉ばかり。一方的に誉めてもアレなので少々苦言を。この番組は設定が細かく世界観が特殊なので、視聴者側はかなりの負担を強いられると思います。下手をすれば置いていかれるような可能性もありますし、途中から観るのも厳しいかもしれません。
  ですが。気合を入れて観るに十分値する番組だと思います。「水飲むか?」「…うん」ってな感じで幼馴染同士の信頼関係も素敵。まさに「サイコー!」です。

 

#3  「Transpose」    ★★★★★

  素晴らしい。まずはドッグファイトとレースの圧倒的な迫力。ここまで見事なCGを見せられると何も言う事無しというか。ヴァンシップレースから重要機密の引き継ぎ・謎の少女と内容も濃く、世界観も広がり番組に深みがでて嫌が応にも期待は高まります。中でも特筆すべきは「ヴァンシップ乗り」に関する描写かと。諸手を上げて賞賛される仕事では無いものの、ヴァンシップ乗りは自らのヴァンシップと仕事に誇りを持っている、と。だからこそクラウスは見ず知らずのヴァンシップ乗りの厄介事を引き受け、ラヴィも渋々了解する訳で。
  さらにラヴィがかなりいい感じ。微妙にがさつな料理、叩きなれた板、口の悪さとキャラクター的にもかなり好みですが、クラウスとの信頼関係がしっかりしてる所がもう最高。生活全般はラヴィが面倒みてるけど、ヴァンシップ関連になるとクラウスが主導権を握る、とか。どんな困難があってもこのコンビなら…という感じにさせてくれるのは久し振り。

 

#4  「Zugzwang」    ★★★★★

  最高。毎度ながら絶賛ばかり。毎度ながら作画は高水準、迫力満点のCGアクションは勿論ですが。横に倒すと音が鳴るオモチャで少女アルの幼さを表現し、ラヴィとクラウスを対立させながら2人の関係をアルと視聴者に伝え、自らが狙われている事を知っているアルの心情を“泣きながらパンを食べる”仕草で表現。仕事を引き受けるかどうかを分かれ道で選択させたり、「息を止めて!」で反転させたことをオモチャでも伝える芸の細かさ、でもってラストの絶妙な引き。芸の細かさでも、純粋に物語としても抜群の面白さですよ!<br>
  持てる荷物の重さ、仕事への熱意、嘘の上手下手など…クラウスとラヴィの違いが色々描写されましたが、何よりも目を引いたのは昔の写真。昔から飛行機大好きなクラウスに比べ、昔のラヴィは飛行機乗ってても楽しそうじゃない上に何より髪の長さが。それでもヴァンシップにかける想いってのが伝わってきていい感じです。
  クラウスやラヴィに代表されるキャラクター造形の深さ、「クラウディアは希麗だけど勝手に拾うと捕まるんだ」というように練り込まれた世界観、でもって重厚なストーリー。いい番組です、真面目な話。


#5  「Positional Play」    ★★★★★

  残念ながら少々作画が危うかったものの、シルヴァーナの重厚さにメロメロな今日この頃。「青いなぁクラウスは」とはラヴィの弁、「いい性格してるよ」とはクラウスの弁。特にクラウスはいい意味の馬鹿っぷり満点で燃えます。かなり燃えます。あまり馬鹿過ぎてもリアルさが欠けてしまうので、バランスが難しいとは思いますが…やっぱり空を飛ぶなら馬鹿じゃないと。

 

#6  「Arbiter Attack」    ★★★★★

  アルの子供らしい仕草やぬいぐるみといった、小物に対する丁寧な描写が相変わらずいい感じ。でもってラヴィや整備班といったキャラクター造形の深さも相変わらず。特に先週嫌な奴らだった整備班ですが…それぞれ個性があって、こと整備に情熱を持ってるし、敵の新入にも全く動じないしで好感触。細やかな気遣いがヒシヒシと感じられます。
  「この空で何がしたい?」というアレックスの問いに、「グランドストリームを…!」と半端にしか答えられなかったクラウス。今1つ自らの動機付けをハッキリさせられない中で、「これでいいの…?」「こうするしかないんだ…!」と運命に翻弄されながら戦いに身を投じていくクラウスとラヴィ。ああ何か素敵だ。

 

#7  「Interesting Claus」    ★★★★★

  突発的に戦闘に巻き込まれたクラウス、その前に現われた「僕と一緒なら」「僕には時間が無いんだ」という凄腕の白い奴。空中戦をほぼ30分フルで見せるってのも凄いんですが、怒りに震え飛び立ったクラウスがあまり活躍できなかったというのもまた凄い。ラヴィなんか最低のナビ呼ばわりですし。
  白い奴が手加減をしてくれた上に、赤いヴァンシップのおかげで何とか助かったクラウス&ラヴィ。戦闘内容こそどうあれ、「7分あれば十分さ」という白い奴の宣言は成就しなかった訳で。今回の戦いにおいては生還こそ勝利であり、痛感した悔しさはさらなる領域への第一歩。これからのクラウス&ラヴィに期待、です。

 

#8  「Takeback」    ★★★★★

  貴族が乗るは無傷の帝王ゴライアス、傭兵とヴァンシップ乗りが乗るのは無敵戦艦シルヴァーナ。19枚の生還証、そして推薦状…国々の関係といった複雑な世界観を、ギャンブルとケンカでしっかり把握させるのはさすが。それでいて歯に衣着せぬラヴィのおかげで、深みのある物語に痛快さを両立させてくれてますし。楽しめる要素が多いのは素晴らしいこと。
  ラヴィ的には「頑張れネボスケ!」が言うまでも無く最高。まあ、ネボスケはネボスケで相変わらずのボケっぷりなんですけど(笑)個性のあるキャラクターそれぞれが小気味よく動いてくれるんで、キャラだけ見てても十分楽しいんですよね。特に整備班とか。

 

#9  「Calcurate Alex」    ★★★★

  やっぱりヴァンシップは飛んでこそ。久し振りの純粋な飛行にイキイキしてるクラウスとラヴィ。そこに三木眞一郎らしい三木眞一郎が加入した整備班、怖い女ヴァンシップ乗りタチアナ、と個性あふれる面々がこれまたイキイキ動き回っていていい感じ。個性といえば白いタイツに身を包んだギルドの変態。みていて楽しい変態は番組に色取りを添えてくれます。
  今回は作画が少々低調でしたが…CGの出来は見事ですし、でっかい砂時計など世界観的な見所も多いんで、さほど問題ではないかと。EXILEに1000万、とアレックス先生(何故か先生)も動き始めましたし。

 

#10  「Swindle」    ★★★★★

  細かい事はどうでもいい…訳では無いんですが。クラウスとラヴィの会話シーンで完全にノックアウトされました。「わがままだよね」「でも一緒にいるんだよね」…信頼関係が織り成す2人ならではの空気。素敵。

 

#11  「Develop」    ★★★★★

  ギルドの変態、シルヴァーナの捕虜になる。ギルドの御曹司、アルヴィスにも興味を示さず。「アイツ意外にいいヤツじゃん」とはご機嫌なラヴィの弁ですが、「アナタ嫌い、だって変なんだもん」とアルヴィスがばっさり。いやはや変態ウォッチングは楽しいの一言です(笑)
  変態はまあいいとして、本筋が盛り上ってきました。色々ありすぎて全部追い切れてはいないんですが…謎が少しずつ明らかになってきて、今後の展開が非常に気になる所です。天測すらあてにならない、って凄い状況ですが。

 

LAST EXILE #12  「Discovered Attack」    ★★★★★

  厚い雲海の中で重厚な戦艦が繰り広げる迫力の艦隊戦。この世界における艦隊戦とは?との問いにしっかり答える出来でした。最初「シルヴァーナ乗員の生け捕り」は無理だと思ったんですが、ノコギリによる攻撃、ワイヤーによる捕獲…と、確かに生け捕りも可能なようで。でもって僚艦をくわえたまま上昇、温存していた主砲で攻撃…と、奇策の何たるかまで示す見事な見せ方。さすがクレイジーアレックス。伊達に目が座ってない。
  「雲が掴めそうだよ」と今週の変態。「アタシあのおねえさんキライ、いつも怒ってるんだもん」と今週のアル嬢。それはさておいて。艦隊戦では無力なヴァンシップ、さらにナビという有様の主人公クラウス。「守りたい、知りたい」と言いながらも、己の無力さに絶叫する様が何とも切なくて。頑張れクラウス!「ナビがいるからヴァンシップは飛ばせるんだから」ってラヴィも言ってますよ!

 

 


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