ツインクルテール(東洋レコーディング)


東洋レコーディングことWASの記念すべきメガドライブ参入第1作「ツインクルテール」ですよ!というかこの会社のソフトは後にも先にも他機種にもこれ以外ないから確かにある意味で記念なんですけどね。発売された時には既に会社自体が無くなっていたなどという悲惨な噂話も聞いてますが、人間として生きる上で避けることのできない悲しみの類はちょっとだけ、ほんのちょっとの間だけ心の端っこに置いておいて(なんでほんのちょっとの間、かって?だって、いつかは、直視しなきゃならないんだから!逃げちゃダメだよ!)、今は、今の今だけは涙を溜めすぎないで軽く流してから、軽く拭ってから、上を向いて歩こうよ!いつだって雨はいつか晴れるから!上がらない雨なんてありゃしないんだから!…誰に向かって言っているのか?それは愚問。当然にして突然の雨に逃げ込んだ橋の下(G戦場にかけてしまうのか?それ以前にセンジョウといえばテーカンなのか?しかも実はMSXに移植されていたことを今更知った私なのか?)でうなだれる娘っこさんですよ!あと上を向く時の娘っこさんの懸命の背伸び姿勢の眩しさに当方クラクラ。そして雨に濡れた娘っこさんの亜麻色の髪を保護する如くに覆うキューティクル感(きちんとリンスを行うシャンプーの類を用いているのがポイントであろうか?乱れた麻のような頭髪の汚らわしい最近の女子には存在し得ない魅力が!そう娘っこさんには魅力が!)にも当方クラクラ。雨の中娘っこさんを見つめるべくして佇む私は風邪で頭がクラクラ。娘っこさんを慰めるべく浮いた台詞の一つや二つが飛び出す私の歯はグラグラ。恥ずかしいナ☆…さておけ。

魔法使いの少女サリアがお師匠様を助けてから世界を救うために戦うというストーリー。魔女っこです!魔女っこなのです!広告やパッケージにも映るはサリア即ち魔女っこ!黒光りするパッドを弄ぶ貴方の思い通りに魔女っこが四方八方に赴くという妄想傀儡っぷりだけで既に軽い満腹感を抱きがちなお兄様方もいらっしゃることでしょうが果たしてそれは当時のメガドラ界の雰囲気で許されるものだったのか〜ッ?との問いがありましょう。まあ某シルキーリップなんてものも出てるしねえ。ゲームシステム的にはジャンプのない「フレイ」…更に言えば「ワルキューレの伝説」、っつーか基本的には「奇々怪界」、という表現がすぐに考えられるところでありましょう。ショット魔法(3種類を自由に切り替え可能)とボム魔法(回数制限あり)で戦うシューティングですよ!魔女っこが単身!(しつこい男は淡白潔白を好む清純派娘っこさんに嫌われてしまうのか〜ッ?うぐぅ〜ッ!とおとなしく自白するのが吉なのか〜ッ?)サンドラよろしく2Pによるダイレクトフォローバックアップをしてあげたい心情に駆られますがそこはそれ、貴方の黒光りするアレ(前述のパッドのことを表す指示代名詞で!)で何とかしてやってください。そんな思いを胸に秘めてスタートすればサリアは地上をちょこまかと動き回りショットを撃ち回り。四方八方から来たり来なかったりする敵を矢継ぎ早に撃ち薙ぎ倒す!…とまでは行きませんけど。せっかくの任意スクロールなのだからもう少し攻撃が激しくても(敵の登場数が多くても)よかったのではないでしょうか…。ボスもファンタジー世界でおなじみっぽいアレとかが出て来たりはするものの攻撃方法はイマイチ。難易度は中くらい…と言いたいところですがここで考えなければならないのがこのゲームのライフ制。残機無しで最初のライフは3つ、2面以降ステージをクリアする毎に最大ライフゲージが1つ追加…という制度をとっているのですが、簡単に言えば2面までは3ダメージくらった時点でゲームオーバーということになるのです。それでいてライフは任意回復できない(面中に時々置いてある薬で回復する)ので序盤のバランスがあまり良くないような気がするのです。後半に行くほど簡単になっていくようではまずいでしょう?あと、前述の2作品と直接的に比べるのはよくないとは思いながらもやってしまうのはやはり「ジャンプがない」点。周囲を敵に囲まれたり一定の規則で動く飛び石とかに歩いて乗ったり落ちるとダメージを受ける床などを歩いて回避するために必然的にルートが絞られることになったりするのを見るたびに寂しいのですよ。

発売日が何回も遅れたわりには(91年10月の段階で開発中画面が雑誌の新作ソフト情報に取り上げられていますが、実際の発売は92年7月になってのことです)作り込みがイマイチという感想を抱かずにはいられない、というのが結論です。確かに技術とかサウンドとかはメガドラ初作品のメーカーとしては及第点をあげられるでしょう(作を重ねてもこれより酷い作品を作りつづけるところとかありましたしネ!)。でも任意スクロールの利点とかショット魔法の切り替えの戦術性を活かしきれていない気がします。あと前述の開発中段階では「ボム魔法の溜め撃ち」という面白そうな要素もあったのになあ…。もしこれがあったなら緊急回避用、対ボス戦用等の使い分けができて少しでも幅が広がったかもしれないのに…。このあたりも開発期間の長期化による度々の仕様変化によるところなのでしょうか?残念でなりません。

ちなみに、メーカー初作品ということもあってか販売促進用グッズが多数存在しています。説明書にも記載されているのはテレホンカード・ポスター・プロモーションビデオ・音楽CD。そして販促用ティッシュなるものも存在しています。ティッシュと音楽CD(プレゼント用のものと同一かどうかは不明です)についてはグッズ館に展示してありますのでご確認下さい。そういえばアンケートハガキには「ゲームセンターやパソコンなどのゲームで、ゲーム機に移植して欲しいものがありますか?」という質問項目があったので、この作品を出した後にはそのような外注業務も考えていたのかもしれません。最初に述べた通り結果的にはこれ1作きりでしたが…。ちなみに東洋レコーディングという名の会社は存在していますが、全く同じ会社であるのかは不明です。現存しているその会社は一時期に高田馬場(WASの住所も高田馬場になっています)に本社を置いていたことがあるようですが、そのホームページの会社概要にはゲームソフト開発等の情報は一切ありません。わりと謎です。

さてこの作品、中古市場では定価前後で取引されています。正直に…そう、正直に言ってしまうとその価値はありません。

ただし魔女っこ好きは是非!というより必須!(…そこの貴様、私のことを嘘吐きだとッ?ぬかすなッ!)


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