マジカルポップン(パック・イン・ビデオ)
2000年1月29日の日記でも既に紹介致しましたこのゲームこと「マジカルポップン」。そこでも若干触れた通り、最初は所謂「あっち方面」での完成度に期待して(…本当は全く勝手かつ無益なジャンル分けである「バカゲー」「クソゲー」とかの表記群は当方嫌いなのでありますが、「どんな内容及び完成度のものであっても、アクションゲームならばとりあえずプレイしてみたい」という情念が強かったものでして…ってアクションなどと言って差別化を図ろうとするのもカテゴライズ文化の一環なのかもしれませんが…)購入したわけですが、今となってはすっかり惚れこんでしまいましたよ。まあ「あっち方面」として引きつけそうだったパッケージ(ちなみにパッケージ表のキャラクターイラストは赤井孝美さんによるものです。才能を安売りしているなあ。超絶に失礼発言のような気がしないでもないですが)はこんな感じだったのですがどうでしょう皆さんこれで買いたくなってきますか?文章部分のみ抜粋しますが本当は2枚の画面写真と飯島愛の電話ボックスに常備されているピンクチラシのような不敵な笑みを浮かんでいる写真(失礼発言にして長い解説文)が載っています。あ、ここまで述べておいて今更言うのもアレですが、多分このソフトが「飯島愛・初めて声優に挑戦」の言霊の冠を受けるにふさわしいのでしょう。まあこんなマイナー極まりないソフト、誰も知らなくても当然だと思いますが。さて本題に戻って(戻っているのか?)パッケージの文章を。
- 「ちくちくいやぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」フックのスペシャル魔法でおしおきよ!(おしおきよ!…ですか)
- 隠された魔晶石をやっとみつけたぁ!!らっきいっ!!これで新しい魔法が使えるよぉ☆(いくらなんでも…)
- ポップンの声はな、なんと飯島 愛ちゃんだ!!(その驚きっぷりは青少年健全育成の問題上なのかッ?)
- ポップンの元気な声は今、TVで大人気の「飯島 愛」ちゃんが演じているんだよお、すっごいでしょ?(何処のTV?)
- ポップンのコミカルな動きに合わせて愛ちゃんがしゃべるの、もうごっきげん。(両者の接点が少ないです)
- アクションゲームのくせにCD顔負けにしゃべっちゃっていいのかなあ。(対比方法が間違っています。)
どうですか非常にポップですかこれだけを見て子供は欲しがると思いますか?いやあ随分と空回りしてませんか。可愛いもの好き(ゲーム中のキャラクターとかドタバタアクションとか)の良い子供がターゲットなのか可愛い物好き(赤井さんのパッケージとか飯島愛ファンとか)の悪い大人がターゲットなのかはっきりして頂きたいものです。まあ最近のソフトでも「豪華声優陣!」などと購入意欲をそそらせるために狭いスペースに効率良く文字配置を行うべき帯にデカデカと書き殴っているものが溢れてますのでそれもまた困ったものなのですがネ。第一声優さんの名前を最初から明かしていると既存のイメージ…それまでその声優さんが担当されていたアニメキャラとかゲームキャラとか…が脳裏に浮かんできて本来のゲームを楽しめなくなってしまうのでは?それともそこまでギャルゲー等のファンは頭が良くありませんカ?(またもや失礼ですヨ?っつーか私もそうですカ?)。
ポップンの基本的なアクションである剣を上下左右に振る動作は、日記の所でもあった通り「モンスターワールドIV」(MD)です。というかそっくりです。ただポップンの方がアーシャよりも若干高性能で(といってもポップンは盾を持っていないから単純比較はできないのですが)、ジャンプ中に下突きを行って地表に剣が触れた時に跳ねかえります。連続するとホッピングみたいなのですが別に意味はありません。ええ意味はありません。あと基本操作の中で「スライディング」は殆ど使う必要が無い(普通に歩いている時のスピードと同じ)のがちょっと残念です。小回りが利いて素早い移動、微妙な調整の効くジャンプ、そして振りの速い剣攻撃…と、基本的アクションが非常に爽快です。また、敵キャラクターもなかなか手ごわいものがありまして、例えば1面開幕の所にいる敵は剣を持っていて、ポップンが剣攻撃をしようとすると同様に剣を振るい弾き返します。その後も凝った攻撃をする敵がどんどん出てくるのですが、とにかくポップンの基本性能が高いので少しパターンを知ればサクサクと進めるようになります。しかも剣を振ったりダメージを受けたり、上を向いたり下を向いたり、物を押したり床から落ちそうになったり…というアクションごとにいちいち喋る喋る。キャッチコピーの「CD−ROMのゲーム顔負け…」とまでは行かないものの、確かによく喋りますよ。でも肝心の声質がアレだからすぐに飽きて(以下略)。つまりイヤと言うほど。ええイヤと言うほど!
また各面に1つずつ魔法が隠されていて、規定のマジックポイントを使用することで特殊な攻撃ができるようになります…ってこれは簡単に言うと「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」(PCE)の各種特殊アイテムとアイテムクラッシュ、そしてハートによる使用回数の回復のシステムと基本的に全く同じなのですが、最高で6つになる魔法は状況に応じて自由に切りかえられるのが特徴的です。その魔法も特定の壁を破壊するもの、特定のブロックに引っ掛けて小さなワイヤーアクションを作るもの(このアクションが連続するシーンもある)、壁を伝って登るものなどがあり、全部揃った時にはそれはもう鬼神の如き活躍を期待できるわけです。でもその分アクションが飛躍的に難しくなるんですが。でもボス戦は(…といっても各面に2匹以上それらしき存在、つまりポップンと同様にライフ制で対戦する敵キャラ、がいるのですが…)ごり押しできる場合が多いので比較的楽です。画面を切り替えるとザコ敵が何度でも復活して、時々ライフ回復アイテムを出すのもボス戦ごり押しに一役買っているのですが、ただ注意しなければならないのはちょっと特殊な1UPの形態です。1UPアイテムを3つ集めた段階で初めて1機増えるという、要するに「ドラゴンスピリット」方式を採用しているのですが、この1UPアイテムが固定数の宝箱に入っているので、結果的に1UPできる回数も固定になってしまうのです。でもライフの上限を増やすアイテムが各面に1つずつ存在するのでそれを取れば少しは楽になります。ただ面によっては結構入り組んだ場所に隠されていたりするので注意して探しましょう。まあ慣れれば1UPアイテムを取らないでクリアすることも可能ですけど。
…ここまでの評価を見てみると、さぞかしお手軽な爽快アクションのようですが…非常に残念なことにこのゲームは、
「1つの面があまりにも長すぎる」
のです。アクション自体は爽快なのに全面クリアするのに軽く1時間以上かかります。特に後半面は迷路がやや複雑になっているのにそれに対する配慮が全くないのも辛いです。またオプションでも残機設定・難易度設定・ラウンドセレクトなどの甘っちょろい小細工はありません。勿論裏技でもそんなものはありません。コンティニューは一応あるのですが…。実はキャラクター買いで入ろうとする子供にはかなり厳しいシビアなゲームだったのです。腕に覚えのある、そして根気のある(ゲームの長さ的にも、ポップンのやたらと喋り捲る声質的にも)人にはオススメです。まだプレミア化はしていないと思われますので探してみましょう。そしてサウンドテストでボイスチェックだ!(やめておいた方が身のためです)というか世間一般で言うロリ系キャラの甘え声を脳の前頭葉から発する声優さんの為さるところであったのならば凄く局地的に売れたんじゃないでしょうか。何処とは言いませんが。
…ああ忘れてた!ファミ通のクロスレビューでは6点・5点・6点・6点(レビュアーは順にサワディ・ノダ、水ピン、イザベラ永野、ローリング内沢)という凄く微妙な評価になってました。そりゃあ同じ頃にスーファミでは「クロノ・トリガー」、サターンでは「パンツァードラグーン」が出てるという歴史背景を踏まえれば仕方がないと言えば仕方がないんですが、そのレビューの内二人が「キャラクターは可愛いのに声が可愛くない」的な発言をしているから当方大納得!でも勿論後のページの紹介記事では「主人公ポップンの声はなんと飯島愛ちゃん。だからってへんな期待はしないように。愛ちゃんの声はかわいいポップンにぴったりはまっているぞ。」とフォローのような説明文が載っているよ!調子いいね!
まあ声を差し引いても買い、のアクション性だと思います。お手軽には遊べないですけどね。
<TIPS>
- 立ちポーズでの斬り攻撃をタイミングよく3連続で出すと、最後の一撃のリーチが長くなります。
- 魔法の使用回数にはあまり困りません。2面でフックの魔法(使用ポイント0で攻撃もできる)を入手した後は尚更です。
- ボスにダメージを与えた後は一定時間無敵があったりするので、離れて様子見しましょう。
- 画面外枠を反射して回るような動きのボスがいますが、この移動はポップンの移動とも関係しています。逃げるために逆方向に動いても、追尾してくるように思えるのはそのためです。寧ろボスの移動方向に歩く方が安全です。