ぴょんぴょんキャルルのまぁじゃん日和(ジャレコ/ナツメ/夏システム)


…うぐぅ〜ッ!このゲームは甚くアレで御座います〜ッ!

1:ジャケットがアレ。

…ジャケット、其れは常に人目に晒される宿命であるがゆえに、本体に関するありとあらゆる情報を詰め込まれるか、暗喩的に示す権謀術数を刷り込まれているもの。本作のケースにおかれましては娘っこさん麻雀ゲームである以上、必然的に其の出演者であらせられますところの娘っこさんが窮屈そうに立ち並ぶのでありますが、其の中央に鎮座まします拡大倍率の加減からして如何にも主人公然としたカノジョのお姿が異常なまでに線画チック、っつーかどう見ても下書きに色を付けただけのものだというのは果たしてどのような事象に対する暗喩なのでありましょうか?常々申し上げてはおりますがこの私、絵などには一欠けらの心得すらありませぬゆえデッサンやら比率やら同一性などについて口を挟むのは大層失礼にあたりますのであまり深くは追求致しませぬが、基本的にフェイスのパーツがみんな同じだったりするのはさすがにどうかと思います。まあ、パッケージと中身が違ったりするのはよくある事なので別に構いませんが(件の日本広告審査機構などはそうそう黙ってなどいられないでしょうが!)。キャラクター担当の方の顔が見てみたいものです。

2:裏ジャケットがアレ。

…裏ジャケット、其れは(以下上記の一節と同系)。此処はちょっとしたゲーム解説とそのセールスポイントを書き記して然るべき個所といえましょうが、存在することに何ら不当性を感じられないはずのゲーム画面が殆ど使用されていないのは一体どうしたことでしょうか?厳密に言えば麻雀牌などがゲーム中から引き出されて並べられているのですがコレが全てということですか?残りが声優さんの紹介とキャッチコピー(先程表で見かけた6人+1オブジェクトは「メルヘン美少女7人」とのこと!)と設定資料と思しき原画だという点こそがセールスポイントだというのでしょうか?「おまけモードに原画も入ってる」ことが裏ジャケットに記さねばならないほどの重要事項なのでしょうか?あと件の麻雀牌群はそれぞれ九連宝燈・国士無双・四暗刻という素晴らしき役満(所謂はた山ハッチの変名では御座いませぬことよ?)に並べ立てられているのですがこんな手はちっとも来ませン。っつーか寧ろあり得るとすれば和了られるほうです。詳しくは後述。企画担当の方の顔が見てみたいものです。

3:主題歌がアレ。

電源投入後に須らく流るるタイトルデモ。作品のイメージを形作るための格好のスペースと言えましょう。特にCD-ROMという肥沃の大地を手にした時から、作り手たちは作品世界の導入口としてのデモンストレイションにとりわけ力を注ぐようになったのです。緒戦を落とせば全体の士気に大いに関わるものであるという古来天然からの合戦のセオリーに従うように。…で、本作の其れはキャラクターが出たり消えたりするという画面の構成としては実に普通っつーか至極ありがちなのですが、其処に彩りを添えるソングが歌唱力的にかなり微妙だというのはコレから続く麻雀勝負の道程の険しさをそこはかとなく示しているのでしょうか?あと普通この手のゲームで歌詞に「救急車」とか入れますか?もしかして聴診器で胸の内を聞いたりしますか?或いは電気ショックのくちづけですか?っつーかコレの何処がメルヒェンと呼び得るものなのですか?声優さんとの兼ね合いの関係上なら仕方もありませんが、できれば作風に合わせて頂きたく思うところで御座います。

4:システム周りがアレ。

まず難易度設定等が一切ありません。あるのは声優さんからのメッセージ(キャラクターをクリアする毎に増えますヨ!)とイラスト集と件の主題歌等が聴けるサウンドテストくらいなものです。更に近年の麻雀ゲームにはありがちな親切設計であらせられるところの「オートツモ」と「オートウィンドウ」にも問題があります。前者はリーチをかけた後に自動的にツモを行ってくれる機能で、後者はチー・ポン・カン・リーチ・ロンなどのアクションが行うことのできる環境の際に自動的にそのウィンドウを開いてくれるのですが、オートツモをONにするとオートウィンドウはON限定となりOFFにできなくなるのはどうしたものでしょうか?この二者に必然的な関連性はないはずです。しかもこのオートウィンドウが曲者でして、例えば聴牌したもののそのままダマテンで回したい際にも容赦なく開いてくれます。かといってオートウィンドウを切るにはオートツモも切らなければならず、どうしても快適にプレイしたいならリーチ前とリーチ後で一々切り替えるという面倒な手順を踏まされます。プログラマーの方の顔が見てみたいものです。

5:ゲームシステムがアレ。

相手を倒すには、相手の所持する点棒を全て奪わなければなりません(所謂ハコ下の状態にまで追いやらなければならない、ということですヨ?)。世間一般に流通しておられるところの大抵の脱衣麻雀ゲームの場合、所持点棒とは関係なく(…とはいえそれでも相手の点棒をマイナスにすれば一撃でクリアという場合が多いのですが…)相手たるカノジョの衣服の枚数に応じた和了り数で決着をつけたりするものですが、別にこのゲームは脱衣でも何でもないため常に全力で戦わされます。超人トーナメントがひっきりなしに続けられるようなものといえばその過酷度が窺われるものでしょう。ちなみに最後の敵の持ち点は30000点以上になります。これと次の項目がこのゲームを極悪たらしめている所以です。

6:ゲーム難度がアレ。

愕然とするほどに敵が強いです。まず基本的にこちらのツモは悪すぎてろくに和了れません。その上、敵はどんどんとリーチをかけてきます。しかも先に述べた通りに敵を倒すには「全ての点数を奪わなければならない」ので、例えこちらが数回小さな手で和了ったとしても敵が大きな手を和了れば努力は全て水泡に帰してしまいます。オールクリア(計6人の相手と戦うことになります)するまでにコンティニューを数十回繰り返し、平均して2時間近くかかる麻雀ゲームなんてまず類を見ないと思います。しかもこのレビューを書くために全てのキャラでクリアした私の苦労をどうかお察し下さい。

7:スタッフロールがアレ。

漸くの思いでクリアしてみれば何と企画担当と原画担当とシナリオ担当が同じ方でした。救急車呼んで下さい。

…というわけで、再プレイの意欲をかき消す七人の悪魔のゲームでした。ある意味レアソフトですが買わない方が身の為かと。

それでも歌唱力的に非常に微妙なエンディングの歌などは聴いておいて損はないかもしれません。


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