Do you want to be a JSPS Research Fellow?
2002年5/20に僕の口座に給与が振り込まれていれば学振DC採用と言うことになります。みんな、学振DCになりたいかあああ(東京ドームの福留さんみたいに)???成りたい人はこのページを読んでみて下さい(ただし通るかどうかは保証しません)。学振が何か分からない人はよまんでもいいです。世の中知らない方がいいこともありますから。
1.学振になるための方法
(出来ればいい成績で)大学院に入りましょう。そしてM1の時はそこそこ真面目に勉強しましょう。M2(以上)になったら大学の掲示板に気をつけましょう。4月下旬になったら研究計画の申請書が教務掛なり研究助成課なりで配布されます。それをゲットしましょう。そして、その中身を見て、一瞬眩暈を起こしましょう。5分後、気を取り直してもう一度見直しましょう。そして心の中で「書くこと多いなあ」と思いましょう。実際だるくなるくらい多いです。今年から一層多くなったそうですが、泣きながら書いて下さい。
2.研究計画の極私的書き方
まず、先輩(後輩)で学振特別研究員をやっている人を確保します。そしてその人から研究計画を見せてもらいます(または自力でネットから捜してきます)。参考になるものは多ければ多い方がいいので早めに確保しましょう。
次にそれらを注意深く検討します(どのように書かれているのか、どんな風にメリハリをつけているのか)。また、PDなどになってくると業績がかなり物を言います(業績のないやつに金はだせんです)。だから業績はためておいた方がいいです。DC1は業績がある方が(文系では)皆無なのでその辺は気にせんでよろしい。実際僕はなくても内定もらいました。通った方の研究計画は(通ったからそう思うのかもしれないが)何かしら得る物があるはずです。だから、「こいつアホやなあ(とどうせ僕の研究計画は思われている)」と思わずに1つでも得る物を見つけて下さい。
ちなみにいきなり自力で研究計画を書こうなんて思ってはいけません。ろくな事にはなりませんし、独りよがりになってしまい勝ちです(経験者は語る、最初の僕の研究計画はなかなかひどかった)。研究計画を頭の中で持っているのはいいことですが、他人のを参考にしつつ、書き方などを研究して下さい。
参考にしたら、ようやく自分で書いてみます。その際は、やはり自分の研究の独創性をしっかり主張し、さらには既存研究の達成点と自分の研究が貢献できる(であろうと思われる)点をクリアーにします。独創性を主張すると言っても突拍子もないことを書けばいいのではありません(ガンダリウム合金を精製するとかね)。既存の研究の流れから外れないけれど、新しいところをねらって独創性を生み出すのです。例えば既存の研究手法を使えば分析可能だと思われるが、まだそれをほとんど誰もやっていないところはねらい目ですね。また、世界的な潮流になりつつある研究だが日本ではほとんどされていないなんて言うのもありでしょう。
書く際は自分の研究が商品価値があるかどうかを自問自答しながら書いて下さい。マネーの虎という番組を見たことがありますか?この番組はとてもイイモノですから一度見て下さい。お金の取り方を教えてくれます。学振といえどもお金が絡んでいます。審査側に立って下さい。お金を出すのですから、モノになりそうにない、やっても無駄、3年間で出来そうにない、(着眼点はいいかもしれないが)読みにくい、意図が伝わらない、出す分野をそもそも間違えているのなら、出すだけ無駄です。これは客観的な指標があるわけではないので難しい話になりますが、なるべくこういった点を心がけながら書いてみて下さい。わかりやすく、読みやすく、実現可能な研究計画、そして独創性。これ最強。
書き終えたなら、他人に見てもらいましょう。指導教官でもよし、先輩でもよし、何でもいいです。他人が読んで理解できる言葉で書けているかどうかのチェックになります。彼等とのディスカッションを通じて、改善される場合もあるでしょう。他人の目にさらすことを怠らないで下さい。さらしてさらしてさらしまくって下さい。
3.推薦書
M2で研究計画を出す場合は念のために推薦順位1位をとりましょう。必須ではないですが、あった方がいいです(推薦順位2位でも通った人を知っていますがそういう例はあまりないでしょう)。ゼミ生が多いところは早めに調整しておいた方が人間関係を損なわずにすむので吉でしょう。あぶれる可能性がある場合は、早めに他の先生にも相談して、推薦をいただけるようにしましょう。ただし、学年が異なると推薦順位は関係なくなりますので、同学年の間で調整しましょうね。
推薦文は指導教官かそれに準じる方に書いてもらいましょう。内申書と一緒で何処まで推薦書が重要かは「?」ですが、高い評価をいただけるように日ごろから努力を見せましょう。どうせ推薦するのなら、お馬鹿ちゃんを推薦するよりは、少しでも通る可能性がある人を推薦したいのが人情でしょうし。とくにM2はあえて推薦する理由を書くわけですから、それ相応のこじつけが出来ないとしんどいでしょうね。
4.大学への提出
あきらめがつくまで推敲し、書き直したらさっさと大学に提出しておきましょう。論文と一緒で完璧というレベルはないですから、自分の中でもう充分と思ったら、さっさと手放した方がいいでしょう。その際、赤でマルするところなど、些細ですが間違いやすいところ(=こんなところで間違っていたら情けないですよ)のチェックはきっちりやって下さいね。毎年ミスる人が出るんですよね。
出し終わったら、学振の事などスコーンと忘れて、日々の研究にいそしんで下さい。思い出すと胃に悪いですよ。
5.一次選考の結果
10月の末頃になるとどきどきはらはらします。はがきが来たら、「またらいねーん!」です。はがきが来ない場合は封筒です。これが来たらおめでとうさんです。赤飯炊いてお祝いしましょう。ただし、DC1はまだ安心できません。面接の日程やら面接に行くかどうかの出欠確認用紙が入っています。くれぐれも出し忘れないように。ちなみにあたくし出欠確認用紙をさっくりFAXし忘れました。正確には大学から指導教官にFAXしてもらったのですが、手違いで送信されておらず、こちらは出したものと思っていたら、ある日学振から電話がかかってきて「面接は欠席ですか?」ってきかれてまじでびびりました。まさに「博士と助手コント」。
まあ、普通の人はふつうにFAXして、当日遅れないように四谷の弘済会館に行ってください。そして上智大学のおねいさんに見とれてください。ちゅーかマジ綺麗で。
6.面接
大概の人はポスターを作ります。最大A0のものです。レイアウトやら盛り込む内容で結構苦労すると思いますが、これだけは守ってください。「字は大きく、綺麗に。出来れば手書きは避ける。」審査される先生方は、(失礼ですが)お若い方ばかりではありません。だから字が小さいよりは大きく、綺麗な方がいいに決まっています。ポスターも早めに作ってせっかくだからゼミや研究室でたたいてもらいましょう。僕の場合は共同研究をさせてもらっている京都産業大学の先生方、神戸大学の院生さんたちに多くの点を指摘していただき、改善しました。
実際に5分で研究計画を語り、残りの5分から10分(面接時間は10分ですが、きっちり終わることはまあありません。)で質疑応答です。なかなか大変です。人によったら「この研究意味あるの?」などといった質問を投げてくる場合もあるでしょう。想定問答を事前に作っておくこともいいことかもしれません。経済学の場合、新古典派やら異端の経済学やらいろいろな流派がありますので、運が悪いと犬猿の仲の学派の人とぶつかる可能性があります。そのときはアドリブ・はったり等で対処しましょう。
ポスター作りですが、僕はアドビのイラストレータを使いました。これは業務用にも使っていますから大きなサイズの紙にも対応したいいソフトです。まぁ、よく調べたら一太郎やらワードでもポスター作れるみたいですけど、手に職をつけるためにもイラレを使うのはいいかもしれませんね。印刷はキンコースなどのビジネスコンビニで出力するもよし(5000円くらいだったかな)、自分の家で部分印刷して張り合わせでもいいでしょう。弘済会館の近くにはキンコースがありますが、ここで印刷しようと考える人々が多いのでできれば地元で出力して持っていく方が精神衛生上安全でしょう。
2004年12月追記
2004年11月末、再び学振PDに採用予定(面接免除)の書類が舞い込んできました。DC採用かつPD採用という例はこれまで2例しか聞いたことがありません。おそらく僕の体験談を載せることは有益だと思いますので、時間を見つけて載せていきたいと思います。基本的な方針は上にかいたものと全く変わりありません。研究内容を評価してもらうためには簡潔に要点を纏め、研究の意義を記したものでなければなりません。ただ、PDではこれまでの業績および所属機関の変更などが採用の際の重要な変数としてあがってきます。ですので、今回はこの辺りを中心に紹介したいと思います。念のため付け加えておきますが、これは僕個人の意見であり、ここに書かれたことをすべて実行したとしても、必ず採用されるという保証はありません。あしからずご了承ください。