Y君の絵の変遷(1歳3ヶ月から6歳10ヶ月)
簡単な解説
もみの木保育園では、幼児のころから絵を描くことを大切にしています。
ひとつには、その子の書いた絵や書き方・テーマなどから発達段階・日常の生活・どんな事に
興味が出てきたか?・何か問題を抱えていないか?他の成長を助ける
のに役に立つデーターがたくさんあるからです。
そして、こどもたちはなにより絵を描いて遊ぶ事が好きだからです。
ここには、ある男の子の絵を1歳3ヶ月(入園時)から卒園時まで並べてみました。
なにか子育てのヒントが・・・
簡単な解説
Y君は小さいころから健康そのものに見えたのですが、手腕に弱さがある様でした。
理由は「ハイハイ」が足らなかった(手が弱いので苦手であまり這わなかったとも言える)
この影響がなかなか足はえがいても、3歳半ばまで、「手をえがかない」経緯に現れて
います。また、1歳3ヶ月の書き出しよりこのころまで筆勢・筆圧の弱さが線に現れてい
ます。
特徴的なのは、3歳頃から口を「×」にかいているところです。このころY君は、
家で、3人の年上の姉妹がうるさいといっていた様です。(写真31〜34)
こんなY君のえがく絵に「地面のした」「水の中」など想像力を感じさせる絵をえがく
ようになり、まわりの人間関係・動物への関心など順調な心身の発達を示しています。
この絵集は時間を追って絵を並べてあるので、この絵の間にまだ無数の絵があります。
全て見せられないのが残念ですが。
こんなY君も年長の冬〜春にかけて、「ドリトル先生航海記・黄金のかもしか・たつの
太郎等」の読みきかせに触発されて、見事な絵をえがいている。
ほんとにすばらしいですね。
ところで、掲載した絵をえがいた紙は全て「4つ切」です。
彩色画は和紙に水彩絵の具でかいています。
(普通感ずるサイズよりずっと大きくえがかれています。)
保育園で十分に遊びきった心身の発達は、えがく事に容易に集中し、何時間もの間
中断なしにえがき上げます。また、「かきそこないが無い」、伝統工芸工人のような
えがきっぷりも、見ていて不思議なものです。
最後に、最も有効なこれらの年齢の子どもたちへの描画の指導は、「なにも指導しない事」
であることを付け加えておきます。
教えた瞬間子どもは、えがけなくなるようです。また、表現欲求の強い6歳までの時期に
読み書きや計算を教えられたこどもが、「ステロタイプのハートや人形しか描けなくなり、
画用紙を塗りつぶしたり、絵の中に数字みたいなものばかりがでる絵しかかけなくなった。」
などのことも保育園では経験が多い様です。
いってみれば、このあと小学校へ行ってしまうと、こんな絵は「全員描けなくなるわけ」です。
まあ、全世界で修学年齢が6歳以上であるのは、こんなところにも理由があるのかもしれ
ません。
発達の段階を追って、えがく事の表現欲求を十分クリヤーせずに、飛び越すと抽象概念
などのその後の習得にとってよくないのかもしれません。
親としては、現在の小学校などの状況もあり、「ついていけるか不安で...」と教えたくな
ってしまい、「がまんするの非常に不安」なのですが、5感をつかってしっかり遊びきったあとに
獲得される「体力と集中力を持続させる力」が他に替えがたい財産であったと「子に教えら
れる」今日このごろです。(H12.5.21)(再確認H19.6.13)
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