「千夜一夜物語」を知っていますか?。アラビアンナイトのあれですね(笑)。ある意味で 私のファンタジーの世界かな。中学生の頃、好きだった本なのです。物語の中に物語が あって、その物語の中の物語がとてもチャーミングで好きでした。といっても、読んだ ことのない人はわからないでしょうから、少しお話ししますね。ただしその前に、みなさは なぜ、千としないで、千と一なのか不思議に思ったことはありませんか?。その答えは 後ほどね。
ある国の王様が、旅に出ます。昔のことですから一度出かけると長い間城を留守にします。 その間お城では、彼の妻が侍女たちを引き連れて中庭に進み、そこで奴隷たちと淫らな 行為を繰り広げるのです。その噂を聞いた王様はある日旅に出かけるふりをして、そっと 城に舞い戻り、その光景を目にしてしまいます。気が狂った王様は、王妃はもちろんの こと侍女や奴隷達をその場で即刻処刑にしてしまいます。ところが狂った王様はそれでは 収まらず、大臣に、毎晩、この国の美しい乙女を一人捜してきて差し出すように命じます。 王様は乙女と寝た後は、朝になると切り捨ててしまうのでした。そんな王様の行為に 大臣はとても悩みます。でも王様の命令には背くことはできません。そんな様子を見ていた 大臣の娘は、「お父様は何をそんなに悩んでいらっしゃるの?。どうか私に聞かせて下さい。」 事情を知った大臣の娘は、「私にすべてを任せてください。」といって、自らを王様に 差し出します。これには王様もビックリして大臣に「自分の娘だぞ!、それでよいのか? 明日の朝になれば命はないのだぞ!」でも大臣は泣く泣く「娘の言い出したことだから」 と。
彼女は、王様との初めての夜に、王様にお願いしてベットの横に妹をはべらすことを 許してもらいます。妹は姉に言われた通りに、時期を見計らって「お姉さま、どうか 二度と聞くことのないお姉さまの素敵なお話を聞かせて下さいな。」と申し出ます。 彼女は王様の許可をもらって妹に話し始めます。当然、王様も聞いています。でも 話の途中で夜が明けてしまいます。王様はこういいます。「話の続きが聞きたいので 明日まで生かしておこう。」
次の夜、彼女はベットで、話の続きをして一話を終わらせます。まだ夜明けまで たっぷり時間があると、別の物語を語りはじめます。そして例によって、途中で 夜が明けてしまいます。王様はまたまた話の続きが聞きたくて、彼女を生かして おきます。そうやって中途半端に物語が終わることによって、1001夜が過ぎて いくのです。でも千と一夜が過ぎた時、王様は、彼女が語った物語の中から、 王として人間として大切なことを学び、聡明で心やさしいシーサラッドを心から 愛するようになっていました。そしてもうこれ以上話さなくてもいいといって、 自分のやってきたことを改め、彼女を妃に迎え、しあわせな人生を送ったということです。
「アリババと40人の盗賊」はもちろん知っていますよね。彼女が王様に聞かせた お話の一つです。でも、私は「ものを言う鳥」や「ダイヤモンドの乙女」のお話が 好きです。ここでは「ダイヤモンドの乙女」の物語を紹介しましょう。みなさんに 「千夜一夜物語」を少しでも分かっていただくために・・・。
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・・・長いから、またにするね(^-^;・・・悪しからず。
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もう、お分かりでしょ?。シーサラッドは物語を中途半端に終わらせることによって、
千一夜を生きてきました。他の美しい乙女たちは一夜で終わったのに・・・。
「千夜一夜物語」というのは、千という切り良い数字に、中途半端な一が加わる
ことによって永遠を意味するのです。「千夜一夜物語」の一って、ほんとうはとても
ロマンティックな素敵な「一」だったのですね。
「絶え間なく降り注ぐ愛の名を、永遠と呼べないだろうか・・・」 ホント!そんなふうに呼ぶことができたら、素敵ですね。