この映画の背景には、ホロコーストも描かれていますが、不思議なことに、そこ
には憎しみも嫌悪感も陰湿なイメージもありません。それは、きっと、主人公が
憎しみも怒りも悲観さえも無縁の人だったからでしょう。そして、それが、二つの
奇蹟を呼んでいます。一つは、心から慕った人と結婚できたこと。もう一つが、
あの過酷なナチスの収容所で子供を守り抜いたことです。この映画をみた人
なら、きっと、気づいたと思います。奇蹟は最初からあるものでもなければ、突然
やって来るものでもない・・・愛や勇気や希望の積み重ねが奇蹟をつくるのです。
彼はきっと信じたのでしょう・・・人間が本当に心から望むものは必ず得られると。
過去は思い出すためにある。だから、思い出は、あたたかくやさしいほうがいい♪
きっと、あの小さな少年の思い出の中には、恐怖や憎しみでなくて、あたたかい
父の愛がいっぱいに詰まってることでしょうね♪。