私が長い飛行機の搭乗から解放されて、イギリスで初めて口にしたのが ロンドンのとあるカフェテリアでの食べ物だった。朝から何も食べてなかった ので、見るからによだれが出そうなケーキと、ほっぺたが落ちそうなベーコン エッグを前に、「さあ、いっぱい食べるぞ!」とルンルン気分で口にした。 ところが一口目「ワオー、甘い!」、二口目「胸がムカッ!」、三口目 「オエー!」、四口目、私はもはや四口目を口にする勇気はありませんでした。 でも、気を取り直して「ケーキがダメならベーコンエッグがあるさ!」と、 ベーコンエッグを口に入れた。一口目「ワオー、からい!」、二口目「舌が ビリッ!」、三口目「ゲー!」、四口目、もはや私には四口目を口にする気力、 体力、ガッツはなくなって いました。一体他の人はどうなんだろうかと周囲を 見渡してみると、なっ、なんとあの恐ろしい味のする食べ物を、ゆうゆうと 平然と食べているではないか!。なんか私はそこにイギリス人の気質をみた ような気がしました。
そうなのである。イギリス料理は、はっきり言ってまずいのである。どのように まずいかというと、甘いものは限りなく甘く、辛いものは限りなく辛く、 酸っぱいものは限りなく酸っぱく、料理を味わうゆとりを持たせてくれない 不思議な味なのである。情けないことに、あの海外で生活してみたいという 子供の頃からの想いはどっかに吹っ飛び、私は一日にして日本が恋しくなって しまいました。物は試しと、私はある日イギリス人に「食は文化!」と いってみた。案の定、変な顔をされてしまった。イギリス人は食べ物に こだわるのは下賤だと思っているらしく、「食べ物よりももっと大切な事が あるでしょ。食べ物は生命を健康に維持できればそれでいいのよ。」と言った。 なるほど、人はパンのみに生きるにあらずかと、妙に感心してしまった。
ところで、フランス料理のほうはというと、これがとってもデリシャス!。 イギリス料理とは大違いなのだ!。フランスに行ったとき、フランス料理の フルコースを食べてみた。まるでお皿の上に描かれた美しい立体絵さながらで、 イギリス料理とは違って食べるときにいろんな想いがよぎるのである。ある時は 美しいものを壊すときの快感だったり、ためらいだったり、またある時は、 同じものを作ってみたいという復活への憧れだったりするのです。
もしかすると、大英帝国の繁栄は、料理に無頓着なイギリス人のなせる業だった のかも。グルメにはとてもあのような長い航海の旅はとても耐えられません。 もちろん、世の中には必ず例外というものはあるものですね。イギリスでも とっても美味しい食べ物があります。それはフィッシュ&ポテトチップスです。 あれだけは、最高に美味しかった!(^-^vですよ。