ナイスなふたり
UOには素っ裸の人がよくうろついている。これはもしかしたらストリップ願望なのか、いや、ヌーディスト願望か? みんなしてふんどし一丁である。 そしてわけのわからない話。たとえばこんな場面である。 ![]() ふたりの裸の王様はこんな話をしていた。 「おれら部族の王様。ヤリはおれらの命だから、肌身離さず持っている。王座に座るときももちろんさ!」 「いや、お前はただのみぐるみはがされたホームレスだ」 「違う、これは悟りを開くための正装なんだ。おれは王様であり、教祖なんだ」 「だけど金なくてほどこしを受けてるんだろう。それは間違いなくホームレスだ」 「違う、王様だ」 「ホームレスだ」 「お前こそホームレスだ」 どっちでもいいけど、おまえたちナイスだ。 ギルドミーティング 週末になると jacomus
から「ギルドミーティングに出ませんか」とICQが送られてくる。しかし日本時間の12:00にやるのでなかなか出られなかった。
ドバアと集まるかなー、なんてったって20人以上のギルドだからなー、と思ったら、少ししか集まらない。なんだ、あれは間違った情報だったのか?
どうやら、今日はメンバーの即儀式のようだ。
しかしkoteiが動かない。どうやら回線が落ちているようだ。
![]() 回線の戻った koteiは「what happen???」などと驚いている。ナイスだ。 今日はどうやら、anikiが金色のマントを貰ってknightsになるらしい。
![]() 即位式が終って解散。koteiなどとスパーリング(お互いに戦ってステータスを上げる)をすることに。 すでにステータスがMAXに近いkoteiはファイアフィールドを広げてそれに突っ込む。これで魔法耐性をつけるのだ。 ガンガン減って行くkoteiのHP。オイオイ、そろそろまずいぞ、死んじゃうぞ! 「np(no plobrem),ninnin」。余裕をかますkoteiであったが…。 死亡。ほれみたことかkotei! いつも無茶しすぎなんやアンタ!! ![]() みんなその情けない姿にあきれるのであった…。 Happy holyday 今日はクリスマス当日。
![]() この木は持っていけないもんかなあと挑戦するが、やはりだめ。持っていけたらすでにないよな、そりゃ。 ん!? あの団体はなんだ? サンタの格好をした連中が大挙して攻めてくる! もしや暴走族の正月参りならぬクリスマス参りか! しかもサンタの格好でPKか!?
![]() と思ったら、どこかのギルドのプレゼント配りらしい。なあんだ。 プレゼントを貰うと、中にはケーキにシャンパン、そして少々のお金と巻き物、クリスマスカード。 ![]() 銀行の前にいる人達に次々とプレゼントを配り出す。すごい。なんていいギルド活動をしてるんだあんたら! 殺伐としたUO世界の中にも、こんなにwarmなことをする人達がいるなんて。 みんなはその和やかな雰囲気を与えてくれた彼らに、感謝の言葉を絶やさなかった。
![]() To Creator :
To Creator :
いきなりこんなICQが送られてくる。しかしCreatorとは? ゲームクリエイター(と自分を呼ぶにはおこがましいのだが)としての僕のことか?
いったい誰のことを言っているのか。もしかして僕が変な英語で失礼なことを言ってしまったのか? 気になるのでkoteiに聞いてみると、これは「Creator」という名前のメンバーに対する警告文らしい。どうやら、影でいろいろjacomusの悪口を言っていたということらしかった。 普通に考えれば、jacomusもひとりのプレイヤー。UOに参加しているプレイヤーは、プレイヤーキャラのレベルは違えど、立場上はなんの上下関係もない。Creatorはそこをついて不平を言っていたらしい。 しかしUOはいわばごっこ遊びなのである。みんな、それを分かってマスターにdonate(寄付)をしたり、集まりではマスターを中心に動いていたりしたのだ。
しかしギルドではいろいろあるもんだが、こんなメールがおくられてくると生々しさ爆発だ…。そのうちこの「Creator」は追放されてしまうのだろうな。
数日後、事態は予想以上に悪化した。 かなりの人数の人がGCMから自主脱退したとのメールが、koteiから送られてきたのだ。そしてkoteiまでもが脱退したらしい。Creatorの除名を発端にして、揉め事に嫌気がさした人達が抜けたようだった。 「ninnin、君はどうするつもりなんだ? そしてanikiは?」 どうするったってな…。こういう遊びで集まった人同士は集まるのも早いが、分裂するのも早いのか。 とりあえず、koteiに会ってみることにした。 Ever Quest ベスパー銀行の中でkoteiとarcaneに会う。
![]() n「どうしてGCMを抜けたんだ?」 k「creatorは友達なんだ。だから彼とはたもとを分かちたくない。jacomusには悪いけど、僕はcreatorの作ったギルドに入る」 n「jacomusにはもう抜けると言ったのかい」 a「ああ、ICQを送ったよ。jacomusは僕らのことを怒ってはいない。君たちの無事な冒険をクレッセントムーンに祈ると、そう言っていた」 n「そうか…」 k「ninninはどうするんだ? もうたくさんの人達が抜けてしまった。よかったら、僕らのギルドに入らないか」 n「…少し考えさせてくれないか」 k「わかった」 a「ところでanikiの意見はどうなんだ、kotei」 k「わからない。彼とはもうしばらく会っていないんだ。どうやら仕事が忙しいらしくてね。ninnin、これからどうする? 狩りにでも行くかい?」 n「いや、僕は用事があるから落ちるよ」 k「そうか。じゃあまたね。いい返事を待ってる」 友達だから、か…。付き合いの深さで選択が決まる、か。わからんでもない。
Creatorのギルドに入るのは別にいい。しかし僕はUOからかなり離れていた。一ヶ月に1回やればいいくらいになっている。目的なくぶらついて終る、そういうことが多くなったからだ。
koteiはなんでも「Ever quest」という別のネットゲームに移るから、UOはやめるという。理由は、GCMの事件とは一切関係なく、端にベータテストから参加していて面白かったかららしい。 「Ever Quest」は3DタイプのネットRPGだ。日本ではまだ売られていない。
UOはコミューンが構築されるゲームとして、一世を風靡した。しかし僕はここでゲームの上で「世界を作る」とはどういうことなのか、そういう疑問を抱かざるを得なくなった。 UOで経験した世界は、確かに豊かなものだった。温かみもあり、争いもあり、混合玉石の複雑な物語がどんどん生まれ、それはかつてない面白さだった。コミュニケーションは現実世界にも拡大するほどだった。 だが、ここで出会う人間関係は思ったよりも稀薄なままなのだ。うわべのまま。直接面と向かって会う人々のレベルまでいかないのだ。相手を知ることすらままならない。 ネットゲーム上の出会いは、優秀な対戦相手を探したり、多様な展開のある場を求めて、一時的に集まるに過ぎない。ここでの人間関係も、やはり余興の延長にすぎないのかもしれない。 このレベルを超える世界を作るとしたら、どういう世界を作ればいいのか?
これを解決するには、ヒトを知ること、これが必要なんだろう。 To be continued...
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