2002/01/24 (thu)

 今回の旅行は父方の兄弟全員(5人)と添乗員役の村瀬さん、それと自分と弟での
マリッジ・セレモニー旅行。
 父方の兄弟の一番上の姉の息子、チャールズが相方のヘザーと結婚するということだ。

 14:30にロス行きの飛行機に乗る。
 9時間ぶっとおし。着くのは日本時間の0:00過ぎ。
 現地時間で朝の7:00過ぎだ。
 日本とロスでは、7時間の時差がある。

 始終、滝の裏側にいるような気流ノイズが鳴っていて、かなり衰弱。
 ケンウッドの無音ヘッドフォン必須。
 買っておけばよかった…。
 父方兄弟もかなり疲れたようだった。

 空港に到着すると、アジア系の人が数人、手錠をかけられて警察に連れていかれる
光景を見た。おそらく不法入国だろう。


    *  *  *


 空港を出ると、父方兄弟の一番上の姉のサディ(貞江おばさん)が迎えにきた。
 なぜ自分の親戚に外人がいるかというと、このおばさんがアメリカ人の
クラレンス=ホインズさんと結婚したからだ。
 おばさんの子供は上からチャールズ、リッキー、キャシー、マイクの4人がいる。
 今回はチャールズの結婚式だ。



 空港にはそのチャールズと相手のヘザー、三男のマイク、おばさんの相方の
クラレンスパパも迎えにきていた。
 次男のリッキーはアポイントがあって教会にいるという。
 リッキーは神父で、大きな教会と幼稚園を持っている。
 チャールズ、リッキー、キャシーは小さなころに日本に住んだことがあり、
日本語はペラペラだ。

 とりあえずは車で教会に行き、リッキーに会うことになった。
 自分はマイクの車に乗るが、どうも言葉の壁でうまく話せない(笑)。


 教会の別館で会食。
 ポテトチップやタコスなどが出てくる。

 ヘザーは日本語を喋れないが明るく、しきりに自分と弟に話し掛けてくる。
 ヘザーの後ろにはチャールズがいて、僕らが喋っている日本語をうまく
訳して伝えてくれている。
 ヘザーとの会話は、単語のふしぶしを捉えてなんとか会話になる。

 そのとき印象に残ったのが、ヘザーがチャールズに

 「Are you happy? Are you happy, happy, happy?」と聞いていたこと。

 とても仲良さそうで、僕は映画などでよく感じる、「アメリカ・ファミリーの幸福」を
そこでも感じた。
 あの幸福は、日常にあったんだなと思った。

 リッキーはあいかわらずとても元気。
 「ノリツグ! 20年ぶりくらいだネ!」。
 確かに20年くらい前に会ったような気がするけど、
 「そのときのことはもう覚えてないなあ」と言ったら
 「ええ〜!? なんだよ、ダメだな!」と言われた(笑)。


 リッキーにつれられて、教会の本館にいく。
 幼稚園の生徒がリッキーに集まってきて、「日本からきた人たちだよ」と
紹介してくれる。黒人やスパニッシュの子供がリッキーのところに走って集まってくる。



 私らにも「Hello !! Hello !!」と話し掛けてくる。

 黒人の子供が握手を求めてきて、握手した。
 その子供は私の顔を見て、ニコッ、と笑った。
 くったくがなく、笑顔を絶やさない。
 どうしてだろう? どうして?
 どうして君は、初対面の人にそんな笑顔ができるの?

 なんだか胸のあたりにグッとくるものがあった。


 教会の中はとても広く、天井も高くて、400万もするという
手彫りのキリストの像が正面に飾ってあり、荘厳な雰囲気だった。



 リッキーは教会ができるまでのいきさつや、毎週土日は礼拝で教会が
満杯になってたいへんなこと、幼稚園をひきとったいきさつなどをそこでみんなに
話した。

 「黒人やスパニッシュの子供が多いよ。彼らは僕を愛してくれている。
 神のもとでは肌の色や人種は関係ないんだ。僕も彼らを愛している…」

 そういう言葉に、僕は胸が締め付けられるのを禁じえなかった。
 ああ…なんてことだろう…。
 愛している、という言葉を、なんのてらいもなくとても自然に使っている。
 人間的な高み、それを感じた。

 LaLaLaLa.....means I love you.....
 Love, Love, Loving....
 LaLaLaLa....
 Love and Happiness.

 低いところでは囁かれ、高いところでは声高に叫ばれるその言葉。
 その響きが、胸をうつ。



 リッキーは今度、向かいにある高校もひきとることになったらしい。

 「ちゃんと管理できるか不安だけど、神様に頼んで、うまくいくことを祈ってるんだ」。

 教師を雇ってこないといけないから、その手配をしているという。


    *  *  *


 その後バイキングレストランに行った。



 そこでもヘザーは「日本語を練習するわ」「ねえ、日本で有名な犬はなに?」
 「この砂糖はケミカルよ、こっちがナチュラル…」などとどんどん話し掛けてくる。
 ブロンドの髪と、グリーンにブラウンが薄く乗っている瞳が、とてもきれいに感じた。

 帰りの車の中でおばさんが、
 「こっちに住むとせかせかしなくてすむわ。越してきたらどう?」などという。

 それも悪くないな、なんて思った。
 なんていうか、とても温かい。
 知らない人でも、「Hello」「Hi !」と話しかけてくる。

 ロスに入って4時間、すでに、旅費のもとは十分すぎるほどとっている気がした。


    *  *  *


 ホテルに入ってひと休みをする。
 今日は時差ボケを直すために、ちょっとがんばって起きてなくてはいけない。

 ちょっと暇をつぶさなきゃ…。
 テレビをつけると、チャンネルが160以上もある。
 なんてことだ(笑)。

 下はCNN。
 アメリカ最強のニュース番組。
 画面をよく見て欲しい。



 レポーターのニュース、
 時刻、
 NHL情報、
 天気予報、
 経済情報、
 それから一番下にはヘッドラインニュースが流れてくる。

 一画面になんて情報量だ(笑)。