■2002/01/28

 昨日、サディおばさんの家は人数オーバーだったので、自分と弟は
少し離れたところにあるカジノのホテルに泊まった。
 朝になり、リッキーが迎えに来てくれる。

 それにしても、リッキーは私らが来てからずっと動きづめ。
 仕事の合間に私らを歓迎し、チャールズとヘザーの結婚式を仕切り、
ベガスまでの4時間ドライバーをつとめ、そして今日はホテルまで迎えに
きてくれた。

 なんと意欲的で、献身的なんだろう。
 そして常に、私らを楽しませようとすることを忘れない…。
 今日までの旅で、自分の中でリッキーは既にリスペクト(尊敬)の対象だった。

 リッキーに「Great work !」「I respect you !」と言うと、
「アハハ! Thank you ノリツグ!」と、明るく、くったくなく返してくる。

 リッキーは完璧に「与えることの喜び」を見出しているようだった。
 その姿に自分は心を動かされずにはおれなかった。
 感動だった。
 「自分が求める自分」がそこには在った。




    *  *  *


 外に出てみると、まったくと言っていいほど同じ家がたくさん並んでおり、
やはり映画「シザーハンズ」を思い出した。



 日本がギュウギュウに家を建てるのに比べて、こちらは土地に余裕が
ある。だから等間隔に家を並べることになり、こういう景色になるんだろうな、と思った。


 さて今日はカジノだ。

 自分と弟は本屋とCD屋をまわることにしたので、父方の兄弟とは別行動に
なった。自分らには、キャシーが案内人としてついてくれることになった。

 キャシーも日本の小学校に通っていたことがあり、日本語が堪能だ。
 キャシーの日本語は抑揚がとても日本人ぽく、「おやおや」「あらまあ」などと
感嘆の言葉を使うので、日本人? と間違えるほどだ。

 ときおり「あやー、すかだね!(しょうがないね)」などと、秋田の方便が混ざって、
とても親しみを感じる。


 家電とCD屋が合わさったような地元の大型店につく。
 CDが売ってるすぐ横に冷蔵庫が売っていて、、日本にはこういう品物の並べ方は
めったにしないよな、と思った。

 そういえば、こっちに来てから2階建て以上の量販店に入っていない。
 こちらには、平屋ですごく敷地面積のある建物が多い。
 やはり土地が余ってるんだよなあ。

 平屋の建物の方が作るのも簡単だし、エレベーターやエスカレーターをつけなくて
いいので安く作れるし、安全で、便利だもんな。

 CDを物色してると、突然ブロンドの髪の女性店員から「Hi, what's up?」と話しかけられた。
 ブリトニー・スピアーズみたいなたれ目の娘がニッコリ笑っている。

 ちょっと焦って「え? なにかな?」とキョトンとしてたら、行ってしまった。

 ああ、そうだった、用事があるとかじゃなくて、挨拶なんだよね。
 「I'm fine, and you?」とでも返しておけばよかったんだ。

 リッキーも、店のレジの人に「Hi, How isn't it ?」(リッキーが言うに「押忍」らしい)と
よく声をかけていた。

 気軽に軽い会話をするのはこっちの空気なんだな。


 その後、タワーレコードに行く。
 タワーとは名ばかりでやはりここも平屋。



 ここで「Orbital」の新譜はないかキャシーに聞いてもらったが、
まだ発売されてないという。
 日本の某 o 氏にはすっかり騙され気分ナリ。

 ということで別のものを物色。
 先日出たアルバム「altogether」の「U.S. Limited Edition」が
あったのでそれを買った。
 日本への輸入CDに「日本限定!」なんてものがあるけど、
やはりこちらにもこういうスペシャルものがあるんだな。

 CD屋のレジには、チョコレートの中にたっぷりキャラメルが入った
「スニッカーズ」みたいな菓子がこれでもか! と並べてあった。


    *  *  *


 用事が済んだので、カジノに向かい父方一行と合流することになった。

 カジノの駐車場から見た景色。
 なぜか街中にジェットコースターがすごい配置で置いてある。
 しかも奥にあるのは自由の女神、「godess of freedom」 じゃないか?



 カジノ街を歩いていると、ほかのカジノも負けじとジェットコースターを
配置しているのがわかった。
 日本でいう新宿のあちこちにジェットコースターが置いてあると思って欲しい。

 しかもループやスタンディングのジェットコースターが当たり前に置いてある。

 歩いていると絶叫が聞こえてくる。
 まったくふざけた街だぜ、ここは!



 アメリカ人は大きなオブジェクトが好きなようで、上の写真の
金のライオンのようなオブジェが至るところに置いてあった。

 歩いてるだけでも全然飽きない。
 飽きるどころか驚きの連続というか…。
 ありきたりな表現だけど「スケールが違う」と痛感。


    *  *  *


 父方一行と合流。

 ここからまた、リッキーがカジノを案内してくれるという。
 「ショーも見るよ! ビックリするショーだから楽しみにネ!」


 まずは、ひとしきりスロットやポーカーで遊ぶ。
 勝つと、ジャラジャラ出てくるのだが、これがメダルでなくて
本物の硬貨。
 もちろん公営カジノなんだから当然なんだけど、日本の感覚で
いるとビビるね(笑)。
 パチスロで当たって、百円玉がバリバリ出てきて箱いっぱいになるのを
想像して欲しい。百円玉山盛り!!
 お金を入れて、勝つとお金が増えて戻ってくる。
 非常にダイレクト。
 なんのオブラートも気恥ずかしさもないですね、ここは。


 ゲームは、初めはけっこう勝てるのだけど、調子に乗ってやっていると
徐々に吸いこまれていく。そしてなくなる。
 まず勝たせておいて気持ちよくさせてから、プレイヤーの「もっと!」の
気持ちを引き出して、後戻りできなくさせる。

 うまく金を吸いこむようにできてますわ(笑)。

 しかも賭ける単位が25セントや1ドルなので、気楽にプレイできるように
なってる。
 うまい。うますぎる。


 次にルクソール、日本で言うピラミッドの建物があるカジノに行く。
 昨日見た、あのレーザーを出してる建物だ。

 ルクソールの中にはドでかいスフィンクスが鎮座。



 しかも、なんとこのピラミッド、外壁が全部ホテルの客室になってる!

 外壁にさかさ階段状にホテルの部屋がくっつけられている構造で、
かなり強引な建物だということがわかった(笑)。

 こういう構造にできるのは、ラスベガスが地震のまったく起こらない地方
だかららしい。
 外には、地震が来たら必ず倒れると言われているタワー状の建物が、
いくつもあるとのこと(笑)。


 その後、リッキーが言ってたショー、マジックショーを見に行く。



 デビッド・カッパーフィールドばりに、飛行機やヘリやバイクを消したりして、
なんともリッチなショーでした。かなりドキドキしながら見てました…。
 ドキドキというのは、マジックが成功して「すげえええ!!」というのも
あるんですが、もし失敗したらとても痛い状況になるよなあ、というのも
ありました(笑)。
 でもそこはプロ、それで食ってるだけあります。

 観客を参加させてのハプニング(英語を知らない人が参加して戸惑った)にも
ソツなく対応。笑いを引き出してクリア。
 やるもんです。



 すべてのツアーが終わり、帰り道、でかいコーラのオブジェクトなどを
見物しながら帰路。


 明日は、帰国の日。
 ひとりで国内線に乗り、それから成田空港への国際線に乗らなければならない。