マンダラートのすすめ
Recommendation of Mandal-art
●マンダラートってなんだ?
思考のためのツール、それがマンダラートです。
名前がマンダラってことでなんだか宗教絡み? みたいに思う人がけっこう多いみたいですが、正直いってあまり関係ないです。このマトリクスを考案した人はマンダラの形から思いついたのでそういう名前がついてますが、要はアイデア出しに使うツールです。
人は言語の持っている意味や関連性から連想や類推をしてインスピレーションを感じ、アイデアを生んでいきます。
これを「井」型のマトリクスを用いて効率よく発想を促そうというのが、マンダラートの主な機能です。
●どうやって使うの?
ではやってみましょう。
まず、メモ用紙に「井」型を書きます。この中心に「考えたい事柄」を書きます。例えば、「ホームページってなんだ?」ということにでもしましょうか。
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ホームページってなんだ? |
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次にそのまわりに、どこでもいいので、その中心から連想されたり関連づけられること、「こうだ」と思うことをどんどん書いていきます。ここで、あまり考えてから書くのではなく、なるべく思いついたものを軽い気持ちで書くようにするとよいです。
なかなか項目を埋められない時、埋まった項目同士の関連性を考えると、「あ、こういう考えもある」と思わぬ発想が浮かんだりします。
マスターベーション だれの文句も受け付け
といってるとこうなる |
世界から閲覧 でもほんとはローカル 日本のホームページって |
無法地帯 WAREZにエロ画像に
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リアルタイム更新 毎日巡回
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ホームページってなんだ? | 情 報 話題があったら検索
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コミュニケーション リンクとか掲示板とか
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自己主張 ひとりひとり、いいたいこ
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SHOW みんなを楽しませましょう
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僕の頭の中にある「ホームページ」というものはだいたいこんなものです。もし自分でやってみて、「まだあるぞ」というのなら、もう1つ「井」型を開いて書きましょう。あまり多くなってしまったら、これらを編集してよりぬき、1つのマンダラに納めましょう。
拡散したら、収束させていくわけです。そうすると、考え抜いたものになっていきます。
こうして「自分の中にあるホームページのイメージ」がまとまります。
さて、次にまわりに書いた項目のうち1つをさらに広げてみましょう。こういうふうに、どんどんフラクタル構造のように考えを深めたり、広げたりできるのが、マンダラのいいところです。考えたいことのまわりには、いくつもまたさらに考えなければならないことがある、ということはよくあることですからね。
ここでは、「自己主張」という項目を広げてみましょう。
内容密度 濃いぜ 一回見ただけじゃ |
ソフトウェア おれのソフトを見てくれよ こんなアプリに |
話題性 ここにくれば話題満載 ゲームの攻略 |
音 楽 おれの音楽聴いてくれよ こんなMIDIに |
ホームページで自己主張 | 画 像 おれの画像を見てくれよ こんなCG |
更新速度 毎日更新 |
コラム 日記もコラムの一種だぜ うならせるぜ |
特異性 こんなん他にはないぜ こんなこと考えたり |
さてできました。じゃあこれはトータルでどういう意味があるのか? 全体を眺めつつ、考えました。縦軸や横軸3つの関連性は? とか、これとこれはこうだから、などと考えます。全部を見て「うーん、こういうことかな」、なんて考えたり。
僕のホームページは、コラム(コンテンツ)の内容密度、そして特異性が伸ばせそうです。「やはりN2GDLをもっと充実させなきゃな」とか。またそれ以外の項目が不足しているから、今度からそこらへんも盛り込めばいいかな、音楽つけたり、デジカメで撮った写真載せて、などと考えたり。
全体で見れば、「とにかくなんでもいいから載せてみる、それが主張になる」ということでしょうか。載せるものは自分で選び、自分で作ったものですから、それには他とのなんらかの差異、独自性が出るはずです。
また、できたそれぞれの項目のバランスや深み具合が、よいホームページの指標にもなりそうです。
こういう風に、いままでぼやっとしていた事柄をはっきりさせました。
また、基本はアイデア出しツールですから、中心を今抱えている問題、例えば僕なら「面白いゲームとはどういうものか?」ですし、彼女が欲しくてたまんねーという人なら「彼女をGETするにはどうすればいいか?」としたりすれば、自ずと問題解決の糸口が導かれるはずです。
もっとディープにいくなら、「人生とは?」なんて哲学的な命題を中心にすることもできます。
ともかく、紙とエンピツでできるんですから、気楽にやってみましょう。
つまらないことを中心にしても、けっこう面白いはずです。
マンダラの上に乗せられるのは、そこらへんに転がっている本のように、「こう考えよう」という誰かの考えではなく、まったく自分の考えです。ここも、マンダラが面白い理由ですね。
マンダラートを簡単に紹介してきましたが、実はもっと実践的な使い方や、うまい使い方があったりします。興味のある方は作者のホームページで関連書籍を探してみてはいかがでしょうか。
また、ニフティのフォーラムにマンダラート関連の会議室やライブラリがありますので、そこを覗いても参考になるでしょう。