マイ大阪うどんレポート
 
『知っているようで知らなかった「大阪うどん」』 大阪うどん にもどる>>
     
 身体が冷えた寒い時に、熱いうどんをふ〜ふ〜しながら食べると身体が喜ぶって感じ。お鍋の締めにもやっぱりうどん。暑い夏にも冷たくしたうどんをツルッツルッ。
ちゃんとしたご飯としての一品、そして間食や夜食にももってこいの一品、時間を問わずの存在。
あまりにも身近にありすぎて、深く考えなかったうどん。蕎麦が関東、うどんは関西と言うけれど、有名な讃岐うどんは香川。では、「大阪うどん」って?と考えてみたところ、はてさて「大阪うどん」とは何か、はたまた現実に存在するものか、大阪人としてその疑問をどうしても解きたくなった。というわけで、うどん屋を訪ね歩きしてみる。
 どこを歩いてもうどん屋を見つけるのに苦労はしない。下町の庶民派風からこだわりを持った老舗風、高級感ありのお店までいろいろとあって、それぞれの店がそれぞれの特色を持ち、個性豊かに味を出している。で、「大阪うどん」とは? その決まりみたいなものはあるの?麺?出汁?と考えながらいろんな店でうどんを食べてみる。出汁に関しては、どこもそんなに大きな差は無く、心地良い薄味が基本といったところ。麺はつるつるすぱっというより、もちもちっとした感じ、それがどうも鍵のようだが…。
 う〜んと唸りながらたどり着いたのが伝統を守り続ける松葉屋さん。さすが老舗店。
お店の方がこの疑問を快く解明してくれました。「その昔、大阪は豊富な食材に恵まれていて、魚もたくさん獲れました。その頃、うどんの具としてボイルした白身の魚と海老が入っているものを「大阪うどん」と呼んでいた。しかし今はもう、それほど魚は獲れなくなってしまったので、そう呼ばれなくなりました。」との事。確かに、メニューの中に「大阪うどん」とあるのは松葉屋さんだけだ。
 結局、今では「大阪うどん」とは、それぞれの大阪のうどん屋が独自の味をだして、それを「大阪うどん」としてウリにしている。
 いろんなうどん屋を訪ねてみていえる事は、出汁はカツオと昆布でとった極々薄味で心地良い旨味とコクがある。それは、うどんの具の素材の味をうまく活かし、絶妙なハーモニーを出すため。
 そして麺は細め。うどんが太いと茹でるのに時間がかかるからという理由からとのこと、まさにせっかちな大阪人気質!
 もちっとした食感の麺も特徴のひとつだ。それは、麺を一度さっと茹でて、一時間寝かせてから使うのがおいしいとされていた。これもやはりお客の注文を聞いてからさっとだせるようにとの大阪人の知恵ではないでしょうか。
 それにしても、麺はコシ!とはいうけれど、大阪のうどんのモチャとした食感は決して心地悪くなく、麺を超越して、まるで餅かリゾットかという感じで、和と洋の良さを合わせ持ったような、大阪人の柔軟力を感じさせ、マンマの味で、心と身体を温め満たしてくれる。老舗のお店では必ず緑茶でもてなしてくれて、癒しの食べ物と呼びたくなる昨今の「大阪うどん」だった。
     
     
 

     
     
 

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