【赤いクレヨン】
Ver.1.0(02/10/05)



 深夜、A氏の元に学生時代の先輩から電話が掛かってきました。

 先輩は開口一番。

「部屋を探してる、見つけてくれ」

 と挨拶も無しに言ってきます。
 不動産屋をやっているとはいえ、深夜でいい気分はしませんでしたが、先輩と言うことで起き出しました
 ですが部屋の条件を詳しく聞くと、駅に近く、家賃も安くと無茶ことを言います。
 無いとは思いながらも、その条件に合う物件調べてみましが、やはりありません。

「その条件じゃ無理ですよ」
「もっとちゃんと探せよ」

 少しむっとして

「どこの不動産屋探してもそんなの絶対ありません! あったら教えて欲しいぐらいです」

 と寝起きの不機嫌さも相まって言ってしまいました。

 すると先輩は

「お前の所みたいな小さな不動産屋にはもう頼まない!」

 と電話を切られました。

 流石大人げなかったかなと思いながらも、日常に忙殺され記憶も薄れていきました。


 それから数週間後。
 また先輩から電話があり、開口一番。

「おい、あったぞ、それも一戸建てだ」

 一瞬なんだか分かりませんでしたが、数週間前の話を思い出し。

「そんな物件あるはずありません、それも一戸建てなんて」
「お前、ちゃんと探さなかったろ、それとも小さな不動産屋だから物件が少ないんじゃないか?」

 確かに大きな不動産屋じゃないので物件は多くはないのですが、流石にむっとします。

「じゃぁ、見せてくださいよ」
「ああ、いいよ、何時くる?」

 ムキになったのもありましたが、本当にそんな格安の物件があるなら見てみたいと思いもあり日時を決め行くことになりました。

 行ってみると確かに駅から数分、周りは静かで、一戸建て、都心から少し離れているとはいえ、いい物件でした。

「どうだ? ちゃんとあるだろ?」

 先輩がニヤニヤしながら言ってきます。
 こんなにいい物件がこんなに安いとは何か引っかかりましたが、目の前に見せられたら認めるしかありません。

「確かに………中も見せて貰っていいですか?」

 ですが、こんないい物件でこんな安いなんて、何かあるのでは? と興味が沸いてきました。

「ん? いいぞ部屋も広いし二階建てだぞ、二階建て!」

 と通してくれた玄関先には赤いクレヨンがポツンと

「先輩クレヨンが落ちてますよ」
「ああ、よく落ちてるんだゴミ箱に入れといてくれ」

 そのゴミ箱には何故か赤いクレヨンが数本入っていました。

 先輩は案内してくれてる間、何か粗がないか見回したが、一階、風呂周り、二階と見せて貰ったが少し痛んでる所があるぐらいで特に粗と言える場所は無かった。

 ただ二階の廊下で少し引っかかる感じが、一階の間取りと二階の間取りを比べると、廊下奥にもう一部屋無いと可笑しい。

「先輩、この廊下変ですよ、この突き当たりに部屋がないと」
「はぁ? 何いってんだ? ケチつけるな」
「じゃぁ、外から見てくださいよ」

 外に連れだし見てみると廊下の突き当たり辺りにちょうど一部屋ぐらいのスペースがあった。

「ほら、彼処に物置ぐらいのスペースが、それに一階の間取りからしてあるはずです」

 一階の間取りと二階の間取りを簡単に書いてみせる。

「………ああ、確かに」
「借りた不動産屋から聞いてないんですか?」
「全然聞いてない」

 連絡を取ってみると「うちが管理してるときから手は加えてない」と言われ彼処がどうなってるか調べるにはもう壁を壊してみるしかない。

「あの壁崩しませんか?」
「……ああ…………いや、お前が金持つならいいぞ」 

 この疑問が解けるなら安いモノだと、知り合いの工事人を呼び。
 二階の端の壁を崩して貰ったところ、壁の奥に部屋があり。

 南京錠が付いてる扉を壊し、懐中電灯片手に中に入る。
 窓のない部屋の中。


 幼なさを感じさせる文字で




















 ここからだして だして だして だして だして だして だして だして だして だして だして だして だして だして だして だしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだして






 そこには
クレヨンが落ちていた……