プラナ倶楽部 陶芸教室ツアーリポート



陶芸教室では毎年5月に希望者参加の「陶芸ツアー」で陶芸ゆかりの地を訪ねます。
2005年は岡山県の備前を訪れました。

陶芸探索ツアー「 備前 陶芸の郷を訪ねる 」レポート
出発日:
'04年>5月22日(日)・25日(水)
 コース  : 名神→ 中国自動車道→備前IC→岡山県備前陶芸美術館→
        史跡天保窯跡→山麓窯→藤原啓記念館→閑谷学校→帰途
恒例の陶芸バスツアーも回を重ね、今年で9回目となりました。
備前へ行きたいという希望が多かったものの、日帰りは無理かな?
なんて諦めかけていた矢先、今回の備前ツアーが決定しました。 ばんざい!!
今回のリポートは22日、雨の日編
岡山県備前陶芸美術館
まずは備前焼一千年の概要を知るために、岡山県備前陶芸美術館へ。  
この日は特別に、桃蹊堂の木村桃山先生が解説をして下さるとのこと。
ひとくちに備前焼と言ってもその景色は様々で、代表的な窯変として、焼成中に松割木の灰が付着して胡麻をふりかけたようになる『胡麻』や、ワラを挟んだり巻いたりして焼くために化学反応を起こし、緋色の線が現れる『緋襷』などがあるというようなことを、 わかり易く丁寧に説明して下さる。私はそれを聞きながら『胡麻』『緋襷』『牡丹餅』『桟切り』……ブツブツ…と念仏のように唱えつつ館内を歩く。そして自分の頭の中にインプット!
続いて 人間国宝の作品の展示階へ。
備前焼の人間国宝は4人と思っていたのに(ちゃんと下調べしたのよ)、な、な、なんと!5人に増えているではないか。平成16年に人間国宝となられたのは伊勢崎淳氏。
イセザキ、イセザキ…これもインプットっと…。(なんでそんなに必死に記憶しようとするのかって?それは私が単に勉強熱心だから…です?!)


              (見よ!皆のこの真剣なまなざし!)

桃山窯
(先生と一緒に記念撮影)
史跡天保窯跡
備前陶芸美術館を後にして、予定外のコースをたどる。
桃山先生がご自身の窯に案内して下さるというので、お言葉に甘えて皆でゾロゾロついて行く。本当に桃山先生のご厚意に心より感謝!!「ありがとうございました!!」


(桃山窯の中で)
引き続き徒歩にて天保窯跡へ。
備前市指定文化財である天保窯は1832年頃築窯され、
備前焼の古窯で原姿をとどめているのはこの窯だけという。

確かに古い!今にも崩れそうだ。だから厳重に囲われている。
実に見づらい。と思ったのは私だけ…か?こんな不届き者のつぶやきをも呑み込んで時は流れていく。
それが歴史だ。


(天保窯跡はこの金網の中)

山麓窯

(窯出しを待つ作品達)
そして再びバスに乗り込み、山麓窯へ向かう。お茶室を開放して頂きここで昼食。
ラッキーなことに私たち22日班が伺う前日が窯出しの日だったらしく、少し作品を残しておいて下さる。
「これが牡丹餅…、この場所で焼くとこんな色になって…」備前陶芸美術館で学習した知識をここで定着させる…実に素晴らしい!!(拍手)。
ここでも山麓窯の方に丁寧な説明を受け、その後一行は山麓窯のショップへ。 

(山麓窯)

買い物をする自分が、以前より目が
肥えたような気がするのは錯覚か?
ここのお庭では、四季折々の花や木々が見られるらしい。
22日はあいにく雨天のため、25日班の五月晴れの新緑の写真を…。
梅の木々の中を、太陽の光を浴びながら歩く人たち…。
そういえば、ここで頂いたコーヒーに付いていた青梅がとってもおいしかったなァ。

藤原啓記念館
そしてまた、バスにて藤原啓記念館へ。
ここには藤原啓氏、雄氏二代の人間国宝、三代目の和氏の作品が展示されている。
中でも啓氏の作品は、おおらかで素朴であり、その人柄をそのまま映していると言われるように、備前の伝統的なものの中に啓氏の遊び心が垣間見えたりして、見る者の心を和ませる。初期の頃の大きな徳利と、肝臓を悪くしてから自分専用に作った小さい徳利が一緒に展示してあったりすると、ほんとにお酒が好きだったんだなァーしみじみ……って感じですか。

71歳で人間国宝となった啓氏が陶芸を始めたのが、実は40歳の時だと聞いた時の驚き!
 「今からがんばったら人間国宝になれるかな」なんて意見が飛び出す。

(展示場)

でも、そんな無謀な考えは捨てよう!私は人間国宝の教え子になる道を選ぼう。だからプラナ倶楽部の先生方、がんばってネ!
また、ここのお庭も大変美しく手入れされていて、庭園からは片上湾の美しい景色を楽しむ事ができる。
カタカミワン…カタカミワン……これもインプットしとこ
(藤原啓記念館の庭から片上湾を望む)

閑谷学校 
ツアーの締めくくりは閑谷学校へ。
今までのコースとは趣を異にして……。

(小雨の中、講堂の前で説明を聞く)
閑谷学校は備前藩主池田光政の命により建てられた日本最古の庶民教育のための学校であり、国宝である講堂の瓦は全て備前焼で、その他構造物のほとんどが重要文化財であること、大きくそびえる二本の楷の木が秋になると紅と黄、それぞれ違う色に色付くことなど、閑谷学校の方から説明を受ける。
イケダミツマサに、カイノキね……ブツブツ……インプット完了!

(晴れの日の閑谷学校)
ここに来るまでは、天気の悪さを不運と思っていたものの、小雨けむる閑谷学校の風景の、えも言われぬ美しさと静けさに包まれて、心が洗われるような…。ここだけは雨の日でよかったとしみじみ思う。
そして講堂の縁側に腰を下ろして山々を眺めたとたん、今まで備前焼の知識を詰め込んできた脳が瞬時に解放され、放心状態に陥る。
私の脳からこぼれ落ちた記憶の残骸が、閑谷学校の庭のどこかで朽ち果てていることだろう。

(備前焼の瓦)

(美しい石塀)


こうして知識と心を豊かにする旅は終わりを告げ、一行は帰途へ。
帰りのバスの中は、これも恒例となったクイズ大会で盛り上がる。クイズに正解した生徒は、賞品として先生の作品が頂けるという、ものすご〜くうれしい企画です。



もちろんクイズはこのバスツアーに関するもの。何故、私が記憶することに必死だったか、もう、お気づきの方も多いと思う。先生も考えたもんですねェ。先生の作品がもらえるとなったら必死で頑張るもんね。100点取ったら遊園地に連れていってあげると言われて、頑張った小学生時代とどこが違う?人間の本質の不変性を知る瞬間である。
いや、ツアー本来の主旨に戻ろう…。この日の私は、純粋に備前焼について学んでいたはずだ。
ツアーに参加する前、備前焼については『釉薬を使わない素朴なやきもの』というくらいの知識しかなかった私にとって、備前焼にこんなにたくさんの顔があること知った驚きは大きい。その歴史を学ぶことで、少しだけ備前焼に詳しくなり、少しだけ備前が近くなった気がする。百聞は一見にしかず、とはよく言ったもの。
今までで一番充実感のあるツアーだったように思う。
来年はどこかな?

おわり



  プラナ tel. 0774−32−3008

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