プラナ倶楽部 陶芸教室ツアーリポート

陶芸教室では毎年5月に希望者参加の「陶芸ツアー」で陶芸ゆかりの地を訪ねます。
2006年は愛知県の常滑を訪れました。

 陶芸探索ツアー「 常滑 陶芸の郷を訪ねる 」レポート
 出発日
'06年
5月24日(水)・28日(日)
コース: 名神高速 → 名古屋高速 → 知多半島道路 → 常滑IC →
常滑民族資料館 → 昼食(常滑屋・侘助) → やきもの散歩道 →
陶房ギャラリー・さかえ(都築青峰先生) →
INAX窯のある広場資料館・世界のタイル博物館 → 帰途
10回目のツアーの目的地は、六古窯のひとつ常滑…
今まで訪ねた様々な陶都とはひと味違う、独特の色をもつ街…そんな常滑のリポートです。
京都を出発してから、約3時間で常滑に到着。快晴。
常滑民族資料館

写真1 土管の展示
プラナ倶楽部陶芸教室のツアー恒例の、まずは常滑焼900年の歴史の勉強から、と言うことで『常滑民族資料館』を訪ねる。
ここは入り口のホールが倒焔式角窯という常滑独特の大窯の形になっていて、土管や大きなかめや壺を焼いてきた窯はこんなに大きなものだったのだということを、いきなり納得させられる。展示してある巨大なかめや壺は、化学変化を起こさないという理由で、戦時中のロケットの燃料を入れておいたものであるとか、朱泥の火鉢にびっしり書かれているのは論語であり、それが当時の常滑の書道家の仕事として成り立っていたことだとか、陶器と生活の関わり合いの歴史について、資料館の方から説明を受ける。
中でも一番インパクトのあるのが土管の展示である。今まで訪ねたどの陶都とも違う常滑の“顔”がそこにあった。
昼食は、『常滑屋』の常滑ちらしセットと『侘助』のうどんセットのふた手に分かれて取ることになる。 ちらしずしもうどんも、とても美味しくて大好評。さらに、どちらのお店も現代の作家さんの器を使っておられるということで、メニューは同じでも、器の形や色が全部違うのが楽しい。
食事をしながらたくさんの器を眺めることが出来て、ここは焼きものの街なのだということを改めて実感する。

常滑ちらしセット

食後は、歩いて陶磁器会館へと向かう。ここを起点にして『やきもの散歩道』が始まる。
今回はボランティアガイドの平野さんの案内で、1、5kmのAコースをたどる。通常90分のコースを1時間弱で回るので、割愛する場所もありますが…ということでスタート。
まずはじめに、ヴィードロ状の常滑一美しい倒焔式角窯のある金太郎窯へおじゃまする。ここはガイドさんと一緒でないと入れない所とか。窯の内部はなんだかキラキラして、とても美しい。淡いグリーンのヴィードロ状の壁面をもつこの窯は、今ではギャラリーとして使われているそうだ。ここだけでなく、散歩道の途中には多くの陶房やギャラリーが点在している。

写真2 たくさんの灯りとりがあるギャラリーCOCOLO
美味しそうな団子を横目で見ながら“だんご茶屋”を素通りし(割愛の一例)、先へ進む。
常滑の街の名の由来が「滑りやすいところ」というのがおもしろい…というか、わかりやすい。
坂の多いこの街では、土管を焼く時に使う敷輪という物を、滑り止めとして道に埋め込んである。
写真3  敷輪の埋め込まれた道のアップ
その両側には、家の土台として使われている土管や焼酎瓶がずらり…

写真4
  いちき橋からは、今ではもう使われなくなったいくつかの煉瓦の煙突の連なりを見ることが出来る。    
常滑を“モノクロームの街”と表現している案内もある。言い得て妙だと思う。
私たちが訪れた日は快晴で、それはそれなりによかったのだけれど、この街には雨の日が似合うのかもしれない。


写真5  土管坂

写真6  いちき橋からの風景
そして、その更に上には黒い板塀が…それらが意図的に組み合わされたものなのか、この街が生んだ偶然なのかは知らないが、みごとな調和を保っていて、心なしか少し昭和の匂いのする街だ。

都築青峰先生
少しバスに乗って、朱泥の急須作家、都築青峰先生の『陶房ギャラリーさかえ』を訪ねる。
写真7 青峰先生より急須の作り方の説明を受ける
急須ひとすじ45年という青峰先生の作品は本当に美しい。
自ら「常滑の急須は日本一!」とおっしゃるとおり、細部に至るまで、使い手の使い易さに心を配られているところなど、ただただ感心するばかり…。
そしてほんの少しだけ急須作りのコツを教えて頂いたりして…。
伝統とは、古いものをそのまま伝承するのではなく、常に新しいものの中からよいものを取り入れる姿勢が大切とおっしゃる先生は、とても気さくな方でした。

写真8 ギャラリーさかえの入り口

INAX窯のある広場資料館・世界のタイル博物館
再びバスに乗って、『INAX窯のある広場資料館・世界のタイル博物館』に向かう。
資料館の中にも金太郎窯と同じ造りの陶焔式角窯があり、それをそのまま活かしてカフェやミニコンサート会場に使用するそうだ。本当に窯の内部とは思えない不思議な空間である。
その窯を取り囲むようにして、テラコッタと染付古便器の展示が並ぶ。
写真9  資料館の外の陶焔式角窯の煙突 
タイル博物館は、タイル研究家・山本正之氏の収集による世界各国のタイルを展示してある、日本で唯一の博物館だ。
ヨーッロパ・中近東のイスラム世界のものから中国・日本に至るまで、その数の多さに圧倒される。並べて展示することで、国によって全く違うモチーフや色使いであることがより際だって、非常に興味をそそられる。特にイギリスのタイルの美しさに心惹かれた。
写真10  タイル博物館の外観

今回のツアーでは、『やきもの散歩道』や『タイル博物館』などで、もう少し時間があればと思うところもあったのだけれど、帰りのバスの中で「もう一度個人的に来てみたいです」という意見が多かったところを見ると、心残りがあるというのもいいもんだと思ったりする。
「なんとなくこの街が好き」という気持ちになるのは、ボランティアガイドの人に代表されるように、常滑を愛する街の人々の心とか、みんなでこの街を盛り立てようとする気持ちとかが、街角のそこかしこにあふれ出ていることを、知らず知らずのうちに心に刻んでいたからなのかもしれない。

おわり



  プラナ tel. 0774−32−3008

陶芸教室にもどる  ステンドグラス教室  木彫教室    英会話教室  プラナへのアクセス