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アレクサンドル・ネフスキー
АЛЕКСАНДР НЕВСКИЙ

[かいせつ]
 1932年、エイゼンシュテインは「メキシコ万歳」を未完のままアメリカより帰国。以後、彼は国立映画大学監督科教授を務めながら、35年「べージン草原」の撮影に入った。しかし当時のソビエト映画界は社会主義リアリズム路線が採択され、彼のモンタージュ論や20年代の作品も批判にさらされて、37年には「べージン草原」の製作中止を余儀なくされた。
 「全線」から9年たった38年、エイゼンシュテインは、外敵を撃破して祖国を守った、13世紀の民族的英雄アレクサンドル・ネフスキーを描いて映画界にカムバックする。当時はファシズムの脅威が高まるなか、愛国心を鼓舞する映画が求められた時代でもあった。 この映画はエイゼンシュテインの初めてのトーキー映画で、作曲家セルゲイ・プロコーフィェフの協力を得て、自らの「視聴覚のモンタージュ」を実践したが、なかでもチュード湖上の"氷上の戦い"のシーンはその典型的な例として有名である。そして、この作品では、叙事詩的構成が古代ロシヤの英雄叙事詩や民話の伝統と潭然となっている。さらに、全面的に俳優が出演しているのもこれまでの作品とちがっている。
 主人公のネフスキー役を演じたニコライ・チェルカーソフは後に同監督の「イワン雷帝」にも主演することになる。
 この映画の公開の翌年、ドイツと不可侵条約が締結されたため、ナチ・ドイツの侵略性と破滅を予見したこの映画は、一時上映中止となり、41年にドイツの侵略が始まると、再公開された。

[あらすじ]
 13世紀、ロシアは東からタタールに侵略され、西からゲルマンの侵入を受けていた。プスコフがゲルマンのチュートン騎士団に占領されて、危機が迫った商業都市ノヴゴロドの民衆は、降伏を主張する大商人たちを斥けて、かつてネヴァ河でスウェーデン軍を撃退したアレクサンドル・ネフスキー公爵を迎えて、騎士団に立ち向かうことを決めた。
 公爵は農民を起ち上らせ、義勇軍を編成した。かつてネフスキーと共に戦った戦士のブスライとオレクシチも農民軍と共に戦場へ向う。
 ネフスキー軍は最初は、騎士団の奇襲に敗退するがネフスキーは地形を熟知したチュード湖で彼らを迎え撃つ。決戦の時がきた。凍結した湖上の中央突破をもくろむ騎士団はブスライ隊を二分して突進してきた。オレクシチの左翼部隊が攻撃をしかけ、右翼からはネフスキー隊が突入し、さらに農民軍が騎士団を背後から襲った。白い氷上に剣と槍と楯が火花を散らす。騎士団はついに、氷の薄い湖面に追われて、吸いこまれるように沈んでいった。
 そして勝利に湧くノヴゴロドにネフスキー軍が凱旋し、ブズライとオレクシチの二人の勇士の結婚式が行われた。

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1938年製作

[スタッフ]
脚本:セルゲイ・エイゼンシュテイン
    ピョートル・パヴレンコ
監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
撮影:エドゥアルド・ティッセ
美術:イサク・シピネリ
    ニコライ・ソロヴィヨフ
音楽:セルゲイ・プロコーフィエフ

[キャスト]
アレクサンドル・ネフスキー:ニコライ・チェルカーソフ
ワシーリー・ブスライ:ニコライ・オフロプコフ
ガヴリロ・オレクシチ:アレクサンドル・アブリコーソフ
武器商イグナト:ドミトリー・オルロフ
プスコフの総督:ワシーリー・ノヴィコフ)
オリガ:ヴェラ・イワシェワ
ワシリサ:アンナ・ダニーロワ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ
[上映時間] 1時間48分
[VIDEO・DVDなど] VIDE=IVCV-3518S  DVD=IVCF-156 アイ・ヴィー・シー

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