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外套
ШИНЕЛЬ
The Overcoat

[「ソビエト映画の全貌'91」パンフレットより転載]

[かいせつ]
 「外套」(1842)は、哀れな下級役人の生涯を幻想と諧謔にあふれる描写で綴った、文豪ゴーゴリ後期の代表的短篇小説。嘲笑、皮肉、そして苦い笑いをこめた作者一流の諷刺スタイルの中に、踏みにじられた人間性への暖かな同情と冷酷な官僚主義への怒りが強く滲みでている。
 監督は、「鶴は飛んでゆく」(57)「小犬を連れた貴婦人」(60)他で、現代ソビエト映画の代表的俳優として有名なアレクセイ・バターロフ。監督処女作だが、原作のもつ人道主義的な精神を尊重して映画化し、ゴーゴリ文学の本質を充分に伝えている。
 また、この映画の成功は、何と言っても主演のロラン・ブイコフの好演によっているが、ブイコフも、「がんばれ亀さん」(70、モスクワ映画祭金賞受賞)「転校生レナ」他の監督作があり、出演作にも「アンドレイ・ルブリョフ」(67)「道中の点検」(71)「コミッサール」(67)などの代表作がある。

[あらすじ]
 アカーキー・アカーキェヴィチ・バシマチキンはペテルブルグのと或る役所で代書係として働く小役人。収入の乏しい彼は、独りで粗末な部屋を借り、わびしく暮らしている。 生まれながらの貧しく暗い生活が、バシマチキンを無気力にしていたが、そんな彼の唯一の夢は外套を新調することだった。彼は食事や洗濯代などあらゆるものを節約し、代書のアルバイトをやってせっせと金を溜め、遂に新しい外套を買うことができた。
 翌日、バシマチキンは早速、新調の立派な外套を着て胸を張って出勤した。普段は彼を馬鹿にし、からかっていた同僚達も、外套新調を祝ってパーティを開いてくれる。だがその帰り、人気の無い淋しい裏道で彼は強盗に襲われ、あろうことか外套を奪われてしまう。……一生に一度の幸福を、あっという間に奪われたバシマチキンは、そのまま病床に伏して、あっけなく死んでしまった。ところが、妙な噂がたち始めた。バシマチキンの幽霊が、夜な夜な淋しい裏通りに出て、人を襲うというのである……。

[スタジオ/製作年] レンフィルム・1960年製作

[スタッフ]
原作:ニコライ・ゴーゴリ
脚本:L・ソロヴィヨフ
監督:アレクセイ・バターロフ
撮影:ゲンリフ・マランジャン
美術:ベルタ・マネーヴィチ

[キャスト]
バシマチキン:ロラン・ブイコフ
ペトローヴィチ:ユーリー・トルベーエフ
ぺトローヴィチの妻:A・エジキナ
主婦:E・ボンソワ
高官:E・テイフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ /
[上映時間] 1時間15分

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パンフレットソヴェート映画史−七つの時代

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