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三人兄弟
ТРИ ВРАТА
Three Brothers
配給:スタジオD

[かいせつ]
2000年キノ・ショック映画祭(旧ソ連〉審査員特別賞、主演男優賞
2000年東京国際映画祭ベスト・アジア賞
2000年トリノ国際映画祭審査員特別賞
2000年ナント3大陸国際映画祭審査員特別賞

 近年、世界的にその才能を評価され、その登場が待たれていた"カザフ・ヌーヴェル・ヴァーグ"の旗手セリック・アプリモフ監督の日本初上映作品である。
 この映画の舞台となるカザフスタンの軍事演習場は、米ソ冷戦時代はその最前線として核実験も盛んに行われた場所である。当時、秘密の厚いヴェールに覆われ、そこに住む人々ですらその存在を知らず、核被爆など数々の悲劇を生みながら闇の中に葬られてきた。 物語は、その軍事演習場で無邪気に遊ぶ少年たちと、演習の標的に集められた蒸汽機関車を管理する孤独な老人との触れ合い。思春期を迎えた少年たちは性的興味からつい危険な悪戯に夢中になって起こしてしまう悲劇を描く。
 出演者はプロの俳優ではなく、この場所に住んでいる普通の人たちだという。また、撮影では、役者としての演技ではなく、普段通りの会話や喋りを引き出せるよう苦心したという。
 映画の冒頭、旧ソ連軍最新型戦闘機が雄大な中央アジアの大草原の上空を飛び交う。それは、郷愁を誘う少年たちの風貌と交錯し、ブラック・ユーモアとリアリズムが混濁する皮肉なドラマのプロローグでもある。
 セリック・アプリモフ監督は、1960年生まれ。カザフスタンの東にあるアクスアットで生まれ1975年から1979年まで技術学校に単びその後兵役についた。モスクワ映画学校で、セルゲイ・ソロヴイヨフに師事し1989年に卒業している。彼は普段は山に住み、撮影のために町に行くという生活をおくっているという。この作品について「ソ連時代の世代とカザフスタン独立後の新しい世代とのギャップやコンフリクトを描こうと思った。」と語っている。

[あらすじ]
 空軍飛行学校を卒業しモスクワ航空隊に配属されたチンギスはカザフスタンの基地に転任してくる。そこは彼の生まれた村で、自分がかつてチブートと呼ばれていたころの日々を回想する。
 軍事演習場近くのアクスアット村。少年時代、チブートは母親とテラ、カザンバス、の2人の兄と一緒に暮らしていた。少年たちの遊び場は、空軍の演習が行われる基地などで、そこでは核実験も行われていた。演習で使われる機関車が大量に放置されている廃線車庫の管理人は、クレインと呼ばれる老人で、兄弟たちはこの老人の話を聞いては悪友たちと悪戯を繰り返していた。ある時は、チブートが対抗するグループのアジトに侵入して捕えられ、天井から吊るされてしまったりもする。
 ある日、クレイン老人から、線路に行き着く先に湖があり、将軍を接待するコテージがあり、そこには売春婦がいると聞かされる。
 性のめざめを迎えた少年たちは、老人の言葉を真にうけて、なんとかそこへ行ってみようと計画する。その資金を得るため集団でスイカ盗み、あげくの果ては強盗までしてしまう。彼らの行動はさらにエスカレートし、蒸汽機関車を盗み出して湖に向かう。クレインは必死で少年たちを止めようと追うのだが…。

[スタジオ/製作年] カザフスタン+日本合作
              イースト・シネマ 2000年製作

[スタッフ]
監督・脚本・製作:セリック・アプリモフ
製作:佐野伸寿
撮影:フョードル・アランシェフ
美術:サビット・クルマンベコフ
編集:ディーナ・ベレスグローヴァ
録音:アリ・ミルザシェヴァ
進行:グルミラ・アプリモバ

[キャスト]
クレイン老人:カシム・ジャキバーエフ
チブート:シャキール・ヴァリウモフ
テラ:ブラート・マジャグロフ
カザンバス:バフチャール・クアトバーエフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / ヴィスタ(1:1.66) / カラー
[上映時間] 1時間20分
[日本公開年・配給] 2000年第13回東京国際映画祭シネマプリズム

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