スタッフ キャスト スタジオ 解説 ストーリー 諸元 スチール ポスター/チラシ

戦争と貞操
ЛЕТЯТ ЖУРАВЛИ

[かいせつ]
原題「鶴は翔んでゆく」
1958年第11回カンヌ映画祭グランプリ受賞。

 愛し合う恋人たちを無情に引き裂く突然の出征命令。恋人に別れを告げる間もなく戦地へ赴いた男は、二度と帰ることはなかった… 恋人を想う女性の一途な恋心と悲しみ、戦争がもたらす悲劇を真っ向から描いた名作中の名作。
 ヴィクトル・ローゾフの戯曲「永遠に生きるもの」の映画化で、ミハイル・カラトーゾフ監督の代表作である。第二次大戦下の青春を描く、心やさしく叙情的なラヴ・ストーリーだが、この映画は、戦後の映画史に"雪どけ"の到来を告げた記念碑的作品ともなった。
それまでの、社会主義の理想を体現したような、型にはまった主人公に代って、傷つきやすく、自らの気持に卒直に生きている人間像が登場し、スターリン独裁時代には許されなかった戦争の悲惨さを現実的かつ叙情的に描いたのである。
 また、ソビエト映画初のカンヌ映画祭グランプリ作品として記憶されることにもなった。
 ヴェロニカが戦車の列を突っ切るシーン、ラストの鶴の群れが上空を舞うシーンなど、移動撮影を駆使した大胆なカラトーゾフ監督の独特のカメラワークも話題になったが、ヒロインを演じたタチヤーナ・サモイロワはこの映画で一躍、国際スターになった。

■監督紹介■ミハイル・カラトーゾフ
 1903年、グルジヤ生れ。73年、モスクワで没。17年から自活し、映画館の映写技師のあと、トビリシ撮影所に入って現場でさまざまな仕事にたずさわった。『彼らの帝国』(28)で監督としてデビュー、辺地の記録映画『スワネチアの塩』(30)で注目を集めた。一時、アメりカの領事館に映画代表として勤務したあと、戦後は映画省で働いたこともあるが、50年代に第一線に復帰、話題作『戦争と貞操』のほか、『送られなかった手紙』(60)『怒りのキューバ』(65、ソビエト・キューバ合作)『赤いテント』(70、ソ・伊合作)などの代表作がある。

[あらすじ]
 ヴェロニカとボリスは青春の真只中にいた。だが戦争が始まり、ボリスは志願兵として出征した。まもなく爆撃で両親を失ったヴェロニカはボリスの家族のもとに身を寄せる。だが長くボリスの消息もわからぬままに、空襲の夜、ヴェロニカはボリスの従弟マルクに犯され、請われて結婚してしまう。
 実はボリスは戦場で弾を受けて非業の死を遂げていた。ヴェロニカはボリスの不幸な死も知らずに、ボリスの父や妹のイリーナとともに野戦病院で働いていた。
 彼女はそこで多くの人々の苦しみを目撃し、身近な人々の誠実な心が戦争の厳しい試練を耐え抜くためにどれほど大切であるかを知った。ヴェロニカは自らの非を悟って、マルクと別れると、再びボリスヘの愛に立ちかえった。やがて戦争は終った。復員列車を待ち続けたヴェロニカの眼前にボリスはついに姿を現わさない。ヴェロニカはずっと胸に抱いていた花束を身知らぬ兵士たちに差し出した……

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1957年製作

[スタッフ]
脚本:ヴィクトル・ローゾフ
監督:ミハイル・カラトーゾフ
撮影:セルゲイ・ウルセフスキー
音楽:モイセイ・ワインベルグ
美術:エフゲニー・スヴィジェーチェレフ

[キャスト]
ヴェロニカ:タチヤーナ・サモイロワ
ボリス:アレクセイ・バターロフ
マルク:A・シヴォーリン

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ
[上映時間] 1時間36分
[VIDEO・DVDなど] 鶴は翔んでゆく(戦争と貞操) VIDEO=IVCV-3532S DVD=IVCF-63 アイ・ヴィー・シー (発売日:1999/01/25)

索引ページに戻る
Homeページに戻る
ソヴェート映画史ロシア映画社アーカイブス