18世紀の中葉、デンマークの片田舎をひた走る箱馬車があった。乗り込んでいるのは、都会のチオニンボルグに向かう少女と連れの婦人。そして、アンデルセン。彼は、少女の前世の物語を語りはじめる。
 それはずっと昔。まだ箱馬車も発明されておらず、人々は船を使って行き来していた頃の話。海のずっと奥底には人魚の王国があって、人魚たちは静かだが幸福な暮らしをおくっていた。
 ある嵐の日、末娘の人魚姫は、難破した船から王子を救い出して浜に送り届けて、海の奥深くへと帰って行った。しかし、王子のことが忘れられない人魚姫は、掟を破って人間の暮らす町へ向かう。そこで出会った詩人のスリピチウスは、人魚姫の切ない願いを聞き、魔女を紹介する。美しい声と引き替えに足をもらうことになった人魚姫だが...