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今回はベジェツールについてです。
チョット難しいけど、慣れてしまえば何でも描けるベジェ曲線!


いよいよ、自由に曲線を描くベジェツールの登場です。
ベジェツールには慣れが必要です。最初のうちは、思ったように線が描けないかも知れませんが、取り合えず描いてみて、整形ツールで修正していきましょう! 整形ツールについては次回詳しく説明するつもりです。
前回同様に曲線フライアウトを開き、ベジェツールをクリックして下さい。

線画のツール群(左から順番に…)
フリーハンド・ベジェツール・ナチュラルペン・寸法線ツール・コネクタツール


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描き始める前に、ベジェ曲線の各部の名称を覚えておきましょう

描き始めの点=始点ノード(node:交点といった意味)
その他の点=ノード
ノードとノードを繋いでいる線分=セグメント(segment:線分とか弧という意味)
各ノードから伸びている点線の端の小さな四角=コントロールポイント
注:これらの呼び方はコーレルドローでの名称です。他のドローソフトでは違う呼び方をしています。

前回のフリーハンドでは、ほとんどドラッグなしのクリックのみで直線を引きましたが、 ベジェツールの使い方のポイントはドラッグにあるといっても良いでしょう。
クリックした位置がノードになり、描かれる線は必ずノード上を通ります。
そしてドラッグして離した位置が、結果としてコントロールポイントになります。 このコントロールポイントの長さ及び角度によって曲線の高さと傾きが決定されることになります (コントロールポイント上を線が通る訳ではありません)。


ベジェアニメ.gif 8Kb 山.gif 1Kb

1.山型のセグメントを描いてみる

では、上の山型のセグメントを実際に描いてみましょう。
まず左側でクリックしたまま、右斜め上方向にドラッグしボタンを離します。
次に右側でクリックをし、そのまま右斜め下方向にドラッグします。適当なカーブになったところでマウスボタンを離します。
ベジェツールで描いた線を終了するには、スペースキーを2度押します(ただし文字入力が直接入力になっている時に有効です)。

ベジェ曲線の軌跡とノード・コントロールポイントの関係を解かりやすくするためにグレーの線をおぎなってみました。 1方向の弧の場合2つのコントロールポイントは、両方とも円弧の外側に位置しています。 また、実際に描く線よりだいぶ外側にコントロールポイントがあります。


ベジェアニメ.gif 8Kb 波.gif 1Kb

2.波型のセグメントを描いてみる

今度は波型のセグメントを描いてみましょう。
先程と同じく、まず左側でクリックをし、そのまま右斜め上方向に向かいドラッグしボタンを離します。
次に右側でクリックしますが、今度は右斜め上方向にドラッグしボタンを離します。 波型にセグメントが描けたと思います。

このようにドラッグする方向によってコントロールポイントの位置が変わり、曲線の流れも 変わってきます。


ベジェアニメ.gif 10Kb 円.gif 1Kb

3.閉じたオブジェクトを描いてみる

今度は閉じたオブジェクトを描いてみましょう。
閉じたオブジェクトを描くには、最後のノードを始点ノードの位置でクリックすれば、 自動的に閉じます。
まず、上部でクリック右横に向かいドラッグし離す。右下でクリック左斜め下に向かいドラッグし離す。左下でクリック左斜め上に向かいドラッグし離す。最後のクリックを始点ノードの位置でクリックし右側にドラッグします。

最後のドラッグはしなくても閉じたオブジェクトにはなります。


3ノード波.gif 2Kb

4.コントロールポイントが3つの波型を描いてみる

3の図のようにコントロールポイントが2つでも、波型は描けます。ただし膨らみが大きい場合はコントロールポイントがあまりに長くなってしまい、後々困る事があります。そこで、コントロールポイントを3箇所にします。
要領は全く同じです。図の場合まず、左側でクリック右斜め上に向かいドラッグし離す。次に中心部でクリック左斜め下に向かいドラッグし離す。 最後に右側でクリック右斜め上に向かいドラッグしボタンを離します。


3ノード山.gif 3Kb

5.ダブルクリックで尖らせる

今までの描き方だと、セグメントどうしが必ずなだらかに繋がってしまいます。 左の図のように、山と山を結んでいるノードを鋭角にしたい場合はそこのノード(図では赤の四角になってます)をWクリックする事で可能です。
まず左側でクリック右上に向かってドラッグ。次に中心部でクリック右下斜めに向かってドラッグ。ここまでは今までと同じです(左側に2つのノードを持つ山が出来ていることでしょう)。マウスを少し戻し最後にクリックして出来たノードの上で、Wクリックをし、そのままボタンを離さずに右上に向かってドラッグすると新たなコントロールポイントが現れます。 後は同じ、右側でクリックし右斜め下に向かいドラッグします。


左右対称に朝顔の葉っぱを描いてみましょう!

葉.gif 2Kb 葉.gif 1Kb 葉.gif 2Kb 葉.gif 1Kb

葉っぱの上部から描き始めます。
垂直方向にガイドラインを引いておくと描きやすいと思います。 ガイドラインにスナップさせ最初のクリックをし右斜め上方向にドラッグし離します。 右側でクリックし右下斜めに向かいドラッグさせ離し、葉っぱ上部のカーブを描きます。

葉っぱの先を尖らせたいので、最後のノード上でWクリックをし、そのままボタンから指を離さずに左方向に向かい少しだけドラッグしてからボタンを離します。
ドラッグした位置から少し離れた位置でクリックし左斜め上に向かいドラッグをし離します。
細かい部分なので虫眼鏡の+で拡大して描くと良いでしょう。

続けて下の葉っぱを描きます。ここも尖らせたい部分なので、最後のノード上でダブルクリック をしそのままボタンを離さずに右斜め下に向かいドラッグしてからボタンを離します。
最後のクリックをガイドライン上でして斜め左に向かってドラッグし離します。

これで右半分の葉っぱがかけました。きちんと描けてなくても全然かまいません。
整形ツールアイコンをクリックすると今描いた右半分の葉っぱのノードが白い四角で表示されます。整形ツールのままガイドライン上の2つのノードを囲むように対角線上にドラッグします。2つのノードが選択され黒くなります。


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葉っぱをクローンする

2つのノードが選択されている状態でプロパティバー(プロパティバーが出ていない場合は整形ツールアイコンをWクリックするとノードの編集ウィンドウが開きます)の曲線を閉じるアイコンを押して下さい。ノード間が直線で繋がれ、閉じたオブジェクトになりました。パレットの色を左クリックし塗りつぶします。

右半分の葉っぱをクローンし左側に配置します。まずツール>オプション>一般の設定ウィンドウにある複製の配置を水平方向・垂直方向とも0.0mmに設定しておきます。これで今後、複製やクローンを したオブジェクトが元のオブジェクトと同位置に作成されます。

先に描いた右半分の葉っぱを選択ツールで選択しクローンアイコン(クローンアイコンが出ていない場合は編集>クローン)をクリックします。クローンが同じ位置に作られました。ステータスバーに曲線のクローンと出ているはずです。クローンオブジェクトが選択されている状態で変形ロールアップウィンドウを開きます。スケール/ミラーをクリックします。この場合右側の葉を左側に反転させたい ので水平ミラーボタンを押します。変形ロールアップウィンドウに小さな下向き三角アイコンがありますので、それを押すと中心が○その周りを8個の□(選択されているオブジェクトの周りに配置されている8個の黒い■を示しています)で囲まれた図が出てきます。これが、どこの位置にミラーを作るかの指定になります。左側の真中にチェックを入れ、適用ボタンを押します。 左の図のように配置されればOKです。
クローンについてはデザインのページにも書いてありますが、元のオブジェクトを整形すると同調して変化してくれる便利な機能です。左右のバランスを見たりするときに重宝します。今回の場合、右の葉を修正すると左側も同時に修正されます。
次回は整形ツールで修正していく方法を紹介します。


ベジェツールのまとめ…

簡単に言ってしまうと、クリックしドラッグして離す、の繰り返しです。
そして、クリック=ノードは線分の上を通りますが、ドラッグ=コントロールポイントは必ずしも線分上にある訳ではありません。ほとんどの場合線から相当離れた場所に位置します。慣れないうちは どうしても描きたい線上にドラッグしてしまいがちです。
ともかく慣れることです。はじめから何も描いてないところに想像でいきなりベジェツールを使うのは難しいので、もしスキャナーがあればそこに下書きを取り込みCOREL Draw上に貼り付けてトレースしていくのが良いかもしれません。スキャナーがなくても、ホームページ上にはたくさんの画像があります。好きなキャラクターや写真などを取り込み、トレースするのも面白いかと思います。 以下に、簡単ですが画像を取り込む方法を書いておきますので、お試しください。
気に入った画像を右クリックし「画像を名前をつけて保存」します。覚えやすいところに保存しておき、COREL Drawを起動させます。 ファイル>インポートをクリックし保存した画像ファイルを選びインポートボタンをクリックします。 COREL Draw上に画像が貼り付けられます。もし小さいようでしたら、4角の■のどれかをクリックし対各線上にドラッグすれば大きくなります。出来ればインポートした画像とトレースしていくレイヤは別にした方が良いと思います。インポートした画像から外れたところで1度選択ツールでクリックします。レイヤアイコンをクリックしレイヤロールアップウィンドウを開き、右向きの小さな矢印をクリックすると、新規作成とあります。それをクリックすることにより新たなレイヤ2が出来ます。先の取り込んだ画像はレイヤ1になっているはずです。レイヤ1の鉛筆マークを押して間違って書き込みしないようにしてしまいましょう。新たに出来たレイヤ2にトレースしてベジェツールに慣れていきましょう!


余談:ベジェ曲線について…

ご存知の方も多いでしょうが、絵を描くソフトには大別して[ペイント系(又は写真加工)][ドロー系] の2種類のソフトウェアがあります。両方をパッケージングしたものも多くなっていますが、基本的には2系統に分かれます。
[ペイント系ソフトウェア]の方は、Photoshop・Paint Shop・Corel PHOTO-PAINT等々。
[ドロー系ソフトウェア]は、Illustrator・FREEHANDそしてCOREL DRAWなどです。

両ソフトウェアの違いを自分なりの勝手な解釈で簡単に説明しますと…
[ペイント系]=点の集合
イメージをビットマップデータという方式で記憶します。
これらのデータはピクセル(ディスプレイの最小単位)という点々で画像を表します。
例えば、方眼紙の桝目を1個づつ色鉛筆などで塗りつぶしていくような表現方法です。 ここの桝目が青、斜め上の桝目も青…というようなデータになります。
[ドロー系]=線分の集合
ベクトルデータという方式で記憶されます。
ベクトルデータは線分の長さや方位を数学的に定義します。
例にたとえるなら、方眼紙に定規をあて、スーッと線を引く感覚です。ここの位置からここまでを青い直線で繋ぐ!といったデータです。
そして、自由な曲線をベクトルデータで表現するのに必要とされるのがベジェ曲線 (ドロー系ソフトによっては、ベジェ以外にスプライン曲線などを使えるものもありますが、COREL DRAWはベジェ曲線だけ)です。


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