’22 中山グランドジャンプ観戦記

2022年4月16日

このレースの予想

 今年の中山グランドジャンプは有観客開催だったが、いまだに制限入場を行っていて、事前予約をしないと入場できなかった。しかし、私は指定席の抽選を申し込むのを忘れていて、気づいた頃には抽選が終わっていた。今年は観に行けないかもと思ったが、キャンセルが出たところを残席発売でどうにか席を確保できた。スマートシートAエリアというゴール板よりも1コーナー寄りのエリアだ。

 いつもは襷コースにある大障害を見やすい位置で観るのだが、今回は指定された席の場所で観た。制限入場とはいえ、座席にいないといけないということはなく、大障害コースを見やすい自由に入れるエリアに移動することもできたのだが、たまにはこういうところで観るのもいいかと思い、ゴール板近くの席に陣取ったまま観戦した。襷コースの前半は巨大なターフビジョンの陰に隠れて見えないが、真正面には通常の障害がある。

 私の買い目は予想のページに書いた通り、J・GIを8勝しているオジュウチョウサンとJ・GI出走機会2連続2着中のケンホファヴァルトの馬連一点勝負。レベルの高い大障害コースではコース適性が重要と思い、大障害コースでの実績馬2頭で勝負した。

 1コーナー寄りの席でも、そこで観ていて良いことがあった。年に2回しか使われないJ・GI用のファンファーレの生演奏を至近距離で聞けたのである。ファンファーレが生演奏だということは演奏直前まで知らなかったので、狙ってウィナーズサークルの近くで観たのではない。たまたまである。その生ファンファーレが響き渡り、いよいよレーススタートだ。

 向正面でスタートした馬群がコースを半周回ってきて、私の目の前で生け垣障害を越えて行く。コーナーを曲がり、向正面に差し掛かると、馬群はターフビジョンの陰に隠れて見えなくなった。襷コースの前半はターフビジョンで観戦するしかなかったが、ターフビジョンの横から再び馬が現れて、大竹柵を越えて行った。全馬無事に飛越。場内からは拍手が上がった。  レースが逆周りとなり、コースを4分の3周してくると今度は大生垣なのだが、ちょうどターフビジョンの影なので生では見えなかった。ターフビジョンで大生垣の飛越シーンを観ていると、その横から着地した馬たちが現れ、こちらに向かってくる。全馬無事に飛越し、場内には拍手が沸き起こる。

 そして、正面では私の目の前で各馬障害を飛び越えて行く。そしてコースを回って行き、2度目の3コーナーあたりでオジュウチョウサンが上がって行くと場内に大歓声が沸き起こった。多くの観客がオジュウチョウサンに注目していたのだろう。逃げていたビレッジイーグルは3〜4コーナーで脱落し、代わりにブラゾンダムールが先頭に立った。

 最後の直線の芝コース上に置かれた置き障害はブラゾンダムールが先頭、オジュウチョウサンが2番手で飛越。その後しばらくブラゾンダムールが必死で食い下がっていたが、最後はオジュウチョウサンが外から交わして、先頭でゴールを駆け抜けた。まさに貫禄勝ちである。

 オジュウチョウサンは見事な勝利だった。全盛期のような大差勝ちではないが、最後にブラゾンダムールをきっちりと差し切った。これでJ・GI9勝目である。同一GI6勝とか11歳でGI制覇とかいろいろと凄い。さらに、鞍上の石神騎手もこれが障害通算1000回目の騎乗だそうで、その節目の騎乗をオジュウチョウサンでの中山グランドジャンプ制覇で決めた。

 2着には最後まで粘ったブラゾンダムールが残った。というわけで、昨年の中山大障害と同じ組合せのワンツーである。私がオジュウチョウサンの相手で買っていたケンホファヴァルトは、先行したものの直線では下がって行き、4着に敗れた。2着続きの馬だが、今回は手堅く着を拾うのではなく、勝ちに行って負けたという感じだった。

 そして、今年は一頭も落馬することなく、全馬無事に完走した。残念なのは、最後の馬がゴールする瞬間に注目してる人がほとんどいなかったことだ。ゴール近くで見ている私の周囲でもそうだった。みんなオジュウチョウサンが勝つのを見届けると、大騒ぎをして他の馬など見ておらず、花道側に走って行く人も多かった。

 もちろん、私は最後の馬がゴールした時に、オジュウチョウサンがゴールした時よりも大きな拍手をした。中山グランドジャンプと中山大障害は、勝った馬や入着した馬だけではなく、どれだけ離されたビリでも完走した馬は讃えられるべきレースだからである。そして、今年は全馬無事に完走した。讃えられるべきはオジュウチョウサンだけではなく、完走した出走馬すべてだろう。


2022年 4月16日(土) 3回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 稍重
【11R】 第24回中山グランドジャンプ
障害4歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4250m 9頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
77オジュウチョウサン牡11石神深一 63 4.52.302-03-03-02  12.1510 -2(美)和田正一6600
11 ブラゾンダムール牡7西谷誠 63 4.52.51 1/404-04-03-01  34.2486 -8(栗)松永幹夫2600
22 マイネルレオーネ牡10平沢健治 63 4.52.6 1/207-06-05-05  526.0408 -4(栗)清水久詞1700
66ケンホファヴァルト牡9森一馬 63 4.53.23 1/202-02-02-03  23.0476 -8(栗)森秀行990
88 ビレッジイーグル牡5大江原圭 63 4.53.83 1/201-01-01-03  48.9508 0(美)竹内正洋660
44 サトノパシュート牡5高田潤 63 4.54.43 1/206-06-06-06  754.2476 -6(栗)高橋康之 
55 マイネルプロンプトセ10白浜雄造 63 4.57.1大差05-05-06-07  873.1476 -6(栗)坂口智康 
89 キタノテイオウ牡7上野翔 63 4.58.1607-08-08-08  9147.7466 -4(美)和田雄二 
33 マイサンシャイン牡6難波剛健 63 4.58.2クビ09-09-09-09  628.7478 +2(栗)五十嵐忠 

LAP  (データ無し)
通過 マイル:105.1  上り 51.2-38.4  平均 1F:13.76 / 3F:41.27
単勝  7 \210
複勝  7 \110 / 1 \130 / 2 \270
枠連  1-7 \510 (2)
馬連  01-07 \510 (2)
ワイド 01-07 \230 (3)/ 02-07 \580 (7)/ 01-02 \870 (12)
馬単  07-01 \770 (3)
3連複 01-02-07 \2,000 (6/84)
3連単 07-01-02 \6,120 (20/504)

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