あとがきという名の言い訳 『桂花咲く頃』

'98せつなさんお誕生日記念小説『桂花咲く頃』でした。
・・・全然誕生日ネタでないことはご愛敬(^o^;)。本当は書こうかと思ったんですけど、どうしてもお誕生日というと
シチュエーションが限られてしまっていまいちうまく行きませず、結局ほとんど前世の話になってしまいました。
ま、私にとって初せつなさん書きですので、ご容赦を(^^;)。

実は私、秋という季節はあんまり好きではありません。
夏の盛りを過ぎて段々涼しくなると、何だかすごく寂しくなってしまうんです。
夏休みが終わってしまう・・・というのもあるんですが(笑)、自分自身の活力も無くなってきてしまうような気がしてしまって・・・。
#冬まで来ちゃうと、寒さに身が引き締まってか逆に元気になるんですが(笑)
事実、私は毎年秋になると必ず一度は心の調子を崩して気持ちがブルーになる日が続きます(^^;)。
秋の花も、コスモスみたいに、何だか寂しげな印象のものが多いような気がして・・・。

そんな中で、私が秋の中で唯一好きなのは、金木犀の花です。
昔うちの庭に大きな金木犀の木がありまして、毎年秋になると一斉に花を咲かせていました。
家の建て替えの時に切ってしまったのですけど、毎年咲くのを今か今かと楽しみにしていた覚えがあります。
やっぱりあの香りが好きでして・・・(*^^*)。道を歩いていてもふっとあの香りが漂ってくると思わず辺りを見回して、
金木犀の木を見つけると何だかすごく嬉しくなってしまいます。
ですので、ラストのせつなさんはほとんど私そのまんまです。
#あの香りを「トイレの香りだ」などと抜かす品性の無い輩は許さん!(笑)

で、うっかりしているとすぐ散ってしまうのが、また何とも言えずいいんですよね。
本当に「秋の初めのこの季節のためだけに、その花を咲かす金木犀」状態です。
たまに庭の金木犀も、何日か見ないうちに気が付いたら既に花が落ちていた、ということもありまして、
小さい頃なんかは枯れ落ちた花を拾って匂いをかいでみたりなんかして、全然匂いが残っていないのをすごく
残念に思うと同時に不思議に思ったりなんかして。
#余談。金木犀は、本当は花が匂うのではなく、葉腋(ようえき。葉と茎の間の、芽が出るところ)から芳香を発するのだそうです
#これであなたも一つ賢くなりましたね(笑)
話中のスモール・レディには、そんな昔の私も少し入っているのかも知れません。
#しかしスモール・レディ、この時まで花が枯れるのを見たことがなかったのかっ!という突っ込みはしないで下さい(爆)
##深窓のお姫様(ですよね、一応・・・)だから、と言うことで・・・(をい)

ちなみに「桂花」というのは、中国語での金木犀の呼び名なんだそうです。
#そういえば、この話を書いた後で「桂花陳酒」なんてお酒を見つけました
新聞でその話を読みましたときに、ぱっと頭の中に『桂花咲く頃』という題名が浮かんできてしまいまして(笑)。
その題名から話を作ってしまいました。
#話の内容も考えていないのに、かっこいい題名だけ思いつくこと、私よくあります(爆)。邪道だわ・・・

今回の話で一番苦労したこと。やっぱり金木犀の香りの形容でしょう(笑)。
なるべく同じ表現は二度使わないように心がけましたが、一度ならず作品を通して何回も登場するので、最後の方では
ネタ切れ状態になりました(^^;)。こう言うの、ほんと難しい・・・。

「時空の扉のあるこの茫漠たる荒野に花は咲かない」私ふと疑問に思ったんですけど、時空の扉があるのって、
冥王星の地表上なんでしょうか、それともカロンキャッスルなんでしょうか?
これを書いていた時点では(例え現実的には無理だとしても)冥王星かな、と思っていたんですけど、
よく考えたら折角クイーンからお城をもらっているんですから、やっぱりそこで守護をしていたのかも知れませんね。
・・・しかしカロンキャッスルだとすると、「この茫漠たる荒野」が嘘になってしまう(笑)。宙に浮いてるお城なんだから荒野も何もないでしょうに。
ま、その場合は、「荒野」は宇宙空間ということにして置いて下さい(爆<いい加減)。
#その少し後の、金木犀の枝が挿してある花瓶の事を考えると、カロンキャッスルとしておいた方がいいかも知れませんね
#だって、冥王星の何もない野原に花瓶だけ置いてあったんじゃ・・・(笑)

「あの時もらったあの花も、こんな風に香りを放っていた」一体誰にもらったんでしょうねぇ(笑)。
・・・ま、皆さんお察しの通りです(笑)。
#二人の関係がどこまで進んでいたかは・・・内緒☆(爆)
#いずれ別の話で書くかも知れませんし、書かないかも知れません

後半。「数日後――といっても通常空間の時間に当てはめて言うならば」・・・ここは時の流れが違うの?という疑問が
出てくるでしょうが、とりあえず企業秘密(笑)。
そこら辺の話も今後の話の中で出来る・・・のか。

で、プーがスモール・レディを慰めている場面。・・・内容がありがちですが(爆)、基本ということで。
きっと本物のプー様なら、もう少し説得力のある慰めをすることでしょう・・・私子供扱うの下手だからなぁ・・・(--;)。
#ちなみにこの場面のプー様が、ほぼ完全にレイ様プーであることは秘密(爆)
##レイ様はほんとうに子供好きらしく、にっこりと子供に向ける笑顔はもう絶品です(*^^*)

ラストのせつな。ここで密かに狙ったのは、せつなが覚醒前とも後とも両方に取れるようにしたこと。
実はこの話もレイの連作小説の一部(!)なのですが、この話を書いていた当時、せつなをどうするか悩んでいた結果でもあります(^^;)。
ま、結果的に各自お好きな方で読めると思います。
#ちなみに現時点では、せつながプルートとして覚醒する話も今後書こうと思っているので、この話は覚醒前ということになります
#「新たな出会いと再会の予感を含んで」が、そこの所をそこはかとなく表しているつもり(笑)

キャンパスにある金木犀の木。これは私の通っているキャンパスにモデルの木があります。
せつなが本当にKO大学の学生だとすると、彼女がいるであろう日吉(横浜市港北区。1・2年生が通う)ではなく、三田にあるのですが。
低木の金木犀にしては、見上げるくらいの大きさで、花もよく付けてます。

せつなが時間を忘れて花に見入ってしまった、というのは、時間を司るプルートであるはずのせつなが思わず時間を忘れてしまった、という
おかしさを表そうとしたのですが、ちょっとわかりにくいかも(^^;)。
#余談2。日吉キャンパスは広いので、下手すると移動にめちゃくちゃ時間が掛かる(^^;)

こんな所です。
前作『Dawn -prologue-』とほとんど日を空けずに書いたのですが(よく出来たな・・・)、こちらは多少は希望がある内容に
なったのではないでしょうか(^^;)。
ほたるの『Dawn -prologue-』と対になるこの話、これがせつなにとっての"運命の序章"なのではないかと思います。
ここからどう話が展開していくか、まだあんまり考えていない(をい)のですが、私なりのせつな像、これからも皆さんにお楽しみ頂ければと思います。
それでは、また次の物語で。

'99.02.24 by かとりーぬ

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