(K10)7MHz CW Radio(CW 受信機) 

UP dated 2016.09.16

●7MHz CW Radio(CW 受信機)

セラミック発振子を使用した世羅多フィルターは、CQ誌2006年2月号にSR-7改造記、同6月号で技術詳細が掲載されていますが、JA9TTT加藤さんが開発・命名し、さまざまなWebにも使用例が発表されていてCW運用に実戦的な狭帯域フィルターです。 今回このフィルターとインピーダンスマッチングができる455kHzコイルを入手する機会があり、7MHzCW Radioを製作しました。 素子の変更により、他バンド3.5MHz、10MHz帯への応用も可能です。。 
同誌2009年7月号付録基板7MHzQRP送信機,あゆ40を製作した方も沢山おられるかと思いますが、本機をこの受信機として活用し、Only OneのCW世界を楽しむのはいかがでしょうか?。

ケースは、リードPS-2(130Wx60Hx110D)に組み込みました。
下写真;左;外観// 右;内部プロトタイプ基板 //
下段左;自作PCBでのプロトタイプの改善点を織り込んで業者に発注したPCB基板に組み込んだもの

7MHz CW Radio 「基板+主要部品」キットを頒布準備しました。ご希望の方は、以下ページをご覧ください。
◇PICの頒布 (K10)7MHz CW Radio基板付キット

別途、”(OPTION-8)7MHz SSB受信対応 外部VFOキット”により、7,000-7,150kHz帯のSSBバンドも受信できます。

 
 



1) 仕様
バンド;7000kHz〜7055kHz
モード;CW(フィルター帯域1kHz)
スーパーヘテロダイン式(IF=440kHz)
AGC付き、TX時受信ミュート端子付

全体構成
下図には、全体ブロックダイアグラムを示します。
ミクサーQ2、プロダクト検波Q4には、QRP機で定評のあるギルバートセルIC NE602ANを使い、RF増幅x1段、IF増幅x1段の高1中1受信機です。
局発信号源は、可変容量ダイオード式VXOですが、7.5MHz付近の低い周波数の水晶発振子を幅50kHzで可変することは難しいので、15MHzのVXO信号をQ9;74AC74により2分周し、7,440〜7,495kHzを得ています。

AGC回路は、プロダクト検波AF出力をQ6;2SC1815で増幅後、整流した負電圧をRF段Q1、IF段Q2のFETのゲートにかけています。
このAGC回路にQ11(LTC1144チャージポンプ)より負電圧(-1V以上)を与えることにより、送信時のRXミュートを行っています。送受切替え時にRX電源をON/OFFすると発生するQ5;LM386のポップ音から開放され、快適なフルブレークイン操作が可能です。またミクサーQ2,Q4は常に動作状態を保っているので、ミュート負電圧を0.7-0.8VにVR調整し、RF、IF段のゲインを適当に調整することにより、自局の送信CW信号のモニターが可能です。なお、送信機と組み合わせず受信のみであれば、LTC1144の負電源回路は不要です。
IFフィルターは、前述のとおり、世羅多フィルター、帯域1kHzです



●回路各部の特徴

世羅多フィルター
発振周波数0.3kHz以内の選別をした455kHzセラロックを4段ラダー型に配置し、中心周波数439.4kHz、帯域(-6dB)1kHzを得ています。

横軸スパンが10kHzのFRMS観測での通過特性(左図)は、両肩が急峻ではなく、LC同調回路のような富士山型をしていますが、混信も気にならず、やわらかいCW音として聞こえます。またこの狭帯域のままでSSBも復調できます。
BFO周波数は、中心より800Hz下がった438.6kHz。




VXO
VXOコイルT4,T5を切替えて、下バンド(LB_Lo;7.440-7.475kHz)、上バンド(HB_Lo;7.470-7.495kHz)をカバーします。Q8;15MHzバッファー出力を、Q9;74AC74(Dual D-FF)に入力し、2分周され、局発信号となります。
Q2;NE602の局発入力レベルは、300mVP-P程度が規定値ですので、LEDをツエナー代用とし、74AC74の電圧を、動作する下限1.8Vまで下げて、矩形波レベルを小さくし、局発信号源を、必要最小限の電力に抑えています。



同調コイル
7MHzの同調コイルは、手持ちの10Kコイル、35t(8-25uH)を使いました。

これは、7MHz用としては巻き数過多で、極端にHigh-L、Low-Cですが、手間を省くため、それをそのまま使用しました。
FCZコイルが入手できれば、その方が良いでしょう。ANTに接続するT1のみ14t/3tに巻き変えています(左図)
◇10Kコイルの巻き方を参照ください。

巻き変えずに、LTコイルをそのまま使うには、左図下段のように、コンデンサでインピーダンス分割します。


RF Top Amp
7MHzの初段アンプは、左図のとおり、2SK192Aを採用しています。2SK192は内部帰還容量が大きいのでゲートにハイインピーダンス同調回路を接続するとほぼ100%発振します。そのため、発振防止として本機では27kΩ抵抗を挿入しています。
2SK241に交換すれば、27kは、省略して直接接続でき、ゲインを+15dBほど稼げます。
正確に測る測定器をもっていませんが、本機の感度の目安は、2SK192A(27kΩ有)で0.5uV。2SK241(27kΩ無)で0.2uV程度です。
7MHz帯は、空中雑音が大きく、QSOできるCW信号レベルは、0.5uV以上で到来していると思われるので、2SK241にする必要性はあまりありませんが、参考まで交換比較してみました。

追記
2SK192Aのゲート抵抗27kΩは、1kΩでは発振して使用不可。6.8k(27kチップを4個並列)では、問題なく使用でき、それで、総合ゲインを +8dBほど上げることができる。なので ゲート抵抗27kΩ⇒6.8k(27kチップを4個並列)が良い。パターンのレジストをカッターナイフ先端で剥がし、27kチップを2個重ね、2列並列に半田付けする。


送信時のRXミュート
ミュート用負電源チャージポンプICは、試作機では手持ちの旧型ICL7660を使いました(左図)。
最初OSC Pin7をオープンで使用したときは、OSC周波数が可聴域の4kHz付近にあり耳障りでしたので、0.015uFを接続し、OSCを20Hzに押し下げています。

上位後継ICのLTC1144は、Pin1ブーストをHにすることにより、フリーランOSCの10倍の80〜100kHzになり、可聴域を外れますので、これから購入する方は、LTC1144にします。秋月で入手可能。




CWサウンド受信周波数カウンター

左図6の周波数カウンターは、局発出力(Q10端子FC)に接続します。
タクトSWを押すたびに、ゲート時間0.2secでカウントし、IFオフセット値439.4kHzを計算した受信周波数を、100kHz、10k、1k、100Hz台の4桁のモールスコードで打ち出します。
例えば7012.4kHz受信時には、012.4をCWコードで打ち出します。 圧電SPは、電子ブザーではなく、直流抵抗無限大の圧電サウンダーです。



 PIC12F629-SOPには、小生Webサイトで公開しているmV29FC.hexにIFオフセット値439.4kHzをプログラムします。電源投入直後にGP0端子を瞬時Hとし、そのとき1S1588(1S2348)が接続されていれば、それ経由でGP3がHとなることを検知し、CWサウンドモードに入り、2回CWコード空打ちするプログラムとなっています。
Lo入力が0の場合は、527.8(Hex"FFFFFFFF"-IF)を打ち出します。
図示のとおり、PICは、右下がPin1です。 上下逆接続するとPICは、ほぼ破損しますので誤配線に注意し、8Pin SOP/DIP変換ソケットを核に生基板20x30mm上に空中配線で組み上げます(左写真)

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LCD表示 受信周波数カウンター



 PIC12F629のプログラムは、同じままで、結線を上図のとおりにすると、受信周波数をLCD表示できます。

LCD基板(左写真)、LCD8x2(BLなし)に受信周波数を表示。 ◇(K8) LCD 8x2 表示器を参照ください。


 LCD表示のプログラムを、mV676LCD1(R1)とすると、Sメーター表示(1行目)、受信周波数表示(2行目)が、できます。


●使用結果

昼間は、混変調もなく快適に国内局を聞くことができました。
全体の増幅度を控えめにしているためか、Antを接続しないと、雑音も少なく静かなリグです。
7MHz DPをつなぎ、夜間になるとバンド全体がざわつく感じは、固定機と同様ですが、感度も遜色なく、受信できます。
HLの局が、UA,BH各局と軽快にRSTレポート交換しているのが聞こえてきました。 また別の日の夜間には、メキシコ局がゆっくりとCQを出しているのが聞こえてきました。

●回路

全体回路図を下段に示します。

送信機 Ayu-40との接続全体系統

7MHz CW送信機 Ayu-40と接続する場合は、下図のように接続します。
本機CW Radioの供給電圧は、5V〜(絶対最大)8Vですので、Ayuへの供給電圧とは、個別となるように、電源制御回路を追加します。
これは、NE602ANの最大定格により制限されており、それを超える場合は、NE602のVcc(Pin8)に 系統図右下に示したように、抵抗経由で電源供給します。602の流入電流は約3mAですが、その電圧降下により602を保護します。
乾電池駆動(例えば、1.5Vx5本=7.5V または、Ni水素電池1.2Vx6本=7.2V)では、直接接続できます。



他バンド 3.5MHz, 10MHzへの応用

他バンド 3.5MHz, 10MHzへ応用する場合は、下図を参照下さい。
なおこれは、机上の検討結果で、実際に試作をしていません。

● プログラムソース

サウンド周波数カウンター・プログラムソースは、小生HP別ページの"PIC12F629周波数カウンターの工作例"と同じですが、この下のものは、IFオフセットしています。マウス右クリックで「対象をファイルに保存」を選んで、ダウンロード。
PIC12F629用プログラム

◇ダウンロード mV29FC.hex


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