【しねぇ】

 勿論、「死ねぇ」ではない。
 これも、『しなじれぇ』と同じ床で眠る言葉だろうけど、見る夢は少し違う。 「しなやか」の変化したもので、「弾力性がある」「強靭だ」「持久力がある」「勝負に、負けそうで負けない」などの使い方をすればいいのだが、そちらは、どちらかというと、『しなずれぇ』の範疇。
 こういう使い方がいい。
この糠 (このが) 漬けがっこ(沢庵)、んめども (美味いが) しねぇ

【しねから】

 漢字で書けば、「脛幹」らしい。
「親の脛をかじる」の脛だね。

【しゃしね】

 これ、津軽弁だと思っていたの。そしたら、秋田県内でも使われていたのね。
 考えてみれば、隣同士、当然ありうることよね。
「うるさいっ」「騒々しい状態」。
 これに似た言葉がたくさんあって、よく、おふくろに言われたのが、『こじょわしねぇ』『へわしね』。
 こう並べると、語源は、「忙しない」だ。
「(羽虫などで)鬱陶しい」時もこういう。
 自分が何かに一心不乱に取り組んでいて、どうにもならなくなると、
やっちゃくちゃねぇ
 と言う。
しゃしねぇ』『こじょわしね』などは外に向かって、『やっちゃくちゃねぇ』は内に向かって言う言葉。 
 

【しゃぐご】

 物差し。

【しゅうり】

 日和。

【じゅうもんめへ】

 子供のころ、たまにアバから、お小遣いに十銭貰うと嬉しかった。今の十円くらいの大きさで、色は百円五百円と同じ色。
 それを握り締めて、橋の袂の店に走った。何を買ったか、記憶に定かでないが、パッチ (めんこ) かあめ玉あたりだったろう。
 そういう店は、子供たちにとって大人の世界を垣間見る、ある種、情報源だったし、情操教育や社会学習の場だった。
 店の主人からいろいろ教えられたり、主人と客との会話なども、家の中では聞けないことが一杯あった。
 躾もそこで多く教えられたような気がする。
 集落とか、田舎の町の、そういう店がドンドン消えてゆく。都市部のシャッター街に対して、こちらはカーテン通りとでも名づけようか。
 都市部のショッピングモール、近くのコンビ二、田舎町にもショッピングセンターが出来、おまけに乱立する道の駅併設の物販店。そこに客を取られて、町なかの商店がカーテンを閉じる。
 そりァ、たまにスーパーの通路でバッタリ会った近所の主婦同士が立ち話をしていて買い物の邪魔でしゃあない時もあるが、コミュニケーションというかヒューマンリレーションというか、そういう人間関係が全く乏しくなって行く時代。
 これでいいのかなあ。
 十文店。町中にあった雑貨屋。

【しょ】

 塩。

【しょで】

 はじめ。最初。
オラ、しょでがらオメがしぎ(好き)だった
 語源は、「初手」。

【しょねわり】

「性根が悪い」。意地悪。薄情。

【じれ】

 ずるい。

【じれっこ】

オメ、じれっこだ
(おまえはずるい奴だ)

【じんじょ】

 きっと。必ず。
「治定」説。「尋常」説。

【じょうしぎ】

 きっと。必ず。たぶん。
 この語源は、「常識」だと絶対の自信があったのだが、漢語に「常式」というのががあって、これが「じょうしき」。「常の方式」とか「決まった方式」、「きまり」などの意味を持つという。
 難しいよなあ。「常識」が分かりやすいよ、なあ。と、古語に食ってかかっても勝ち目ないなあ。
この落書き、じょうしぎ、オメの仕業だど思った」。

【そんど】

 それにしても、秋田県は、崩壊過程にあるのかしら。
 大人は自殺するし、若者は、結婚しないし、しても、子供が生まれない。
 だから、ドンドン子供が少なくなって、1 年に 300 人くらい少なくなるというから、中規模の小学校が1校ずつ消えてゆく計算。
 この問題に対する手当てが、何かなされているかというと、なんかしているんだろうけど、その効果がほとんどみえない。
 一方で、県庁所在地の中心市街地が寂れてゆくのを食い止める対策も、カラマワリ。
 市役所を建てろ、県立美術館だ、ショッピングモールだとこれもカラサワギ。
 第3セクターの存続か否かも、右往左往。
 警察署と交番、駐在所をドンドン減らし、地方事務所から、やっと地方振局に”昇格"させたと思ったら、その数を 3 分の1にするという。
 まるで、『そんど』。
 そのうち、秋田県が無くなるぞ。
 国廃れて! 山河あり。でいいか。ハハハハハ。
『大騒ぎ』。語源は、「騒動」。
2008/11/1
続く

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