【らんき らんきもの らんきたがれ】
乱気 乱れ怒り暴れる者。
【れあさま】
雷。語源は「らいさま」あたりだね。畏怖するものには「様」をつける。【
のんのさま】はお坊さん、というふうに。
【ろくた ろぐだ】
碌に。
【ろぐだもの】
碌なもの。
「
ろぐだものでねえ」といえば、「碌なもんじゃねえ」。
【ろくでなし】
不良 悪いやつ。
【わがぜ】
下男。青年 若者。 たぶん語源は「若勢」。
【わがね】
駄目だ いけない。
こういう使い方は本来、南部弁だろう。県内では鹿角周辺で使われる。南部弁はまったく分からないが、「駄目だ」といえばきつくなるが、この言葉のように「
わがね」といえば、やわらかい。昔、津軽で暮らしたとき、「
わがねんだおん」という南部弁を聞いて「南部は穏やかな国だったのかしら」想像した。
「いらっしゃい」を鹿角では「
おでって」という。これも南部弁らしい。以前、ラジオの仕事で盛岡に良く出かけたが、街の中心部にある県か市の建物の名を「
おでってプラザ」と呼んでいたなあ。
秋田弁では「分からない」こと。
【わぎ】
他所 遠方。
【
わぎおなご】というと「情婦」「妾」。
「遠方」といってもそんなに遠いところではないことが、この例によって分かるね。
【わしら】
この場合、もちろん「わし等」「われ等」ではない。
いたずら 真似事の遊び。
いたずらをいう「悪さ」の変化かしら。
【わっためぐ わっためがす】
容赦なく打つ 大騒ぎする 力いっぱい働く。
その状況によって意味が違ってくるから要注意。でも面白い言葉だね。
【わっぱが】
サラリーマン時代はよく転勤した。といっても秋田県内各地と青森の津軽地方だが、弘前に行った時、同業者開いてくれた歓迎会で、ある一人から、
「
ニシヤの薬屋ねハド立でるクスリあるはで、仕事のし過ぎのときに買って飲めばええ」
早速翌日、会社でその話をしたら、女子社員は顔を赤らめ、男性たちは大声で笑った。「
ハト立つ」は津軽弁のある種の隠語で「男性自身のポテンツをあげること」を言うらしい。知らずに薬屋に行けば笑いものになったことだろう。
秋田県の内陸南部に転勤になたとき、商談の途中で相手が度々「
わっぱがだ」という。私は「
わっぱが」は「ノルマ」と覚えていたので、話が通じない。会社に帰って同僚に問うと、それは、「お手上げだなあ」「参ったなあ」というときに使う。私の商談のしつっこさに辟易しての言葉だったのだ。
こういう使い方は、山形県や岩手県の一部でもするらしい。その流れかしら。
【わらわら わらわらど】
さっさと 一生懸命。
【わや】
忙しい様。てんやわんや 雑然とした様。
【わりわりど】
勢いよく どんどん
人混みの中に割り込むような様子。
【んか んた】
やだ いやだ。
【んだたて】
オメはそういうども
こっちだって言い分はある
へば
オメばり偉いってが
オメの言うごどァわがらねわげではねぇ
んだたてそうはいうども
オラの立場もあるべ
【
そだたて】それはそうだけれども。
【
したたて】だけれども
へばこの話 ねがったごどにすべし
【んめァこ んめァもの】
お菓子を代表とする美味しいもの。
【
んめァ】美味しい
【んだんてが】
だから。秋田では県北地方特有の言葉みたい。
【んにゃ ウンニァ】
んにゃァそうでねぇ
オメの言うごどおがし(理に合わない)
んにゃァーそれァ違う
んにゃァ んでねぇ そんたごど言ってれば
オメどのどやぐも今日限りだ
へば この話 止めるべし
いいえ。
2015/12/13
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あゆかわのぼる の 秋田弁豊穣記