[悪性リンパ腫2]

[悪性リンパ腫が再発したが末梢血幹細胞移植・プレドニン・モノクロナール抗体治療は?]
[頭皮の腫瘍がきっかけで皮膚科を受診し血液内科で濾胞型悪性リンパ腫と診断された]

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[悪性リンパ腫が再発したが末梢血幹細胞移植・プレドニン・モノクロナール抗体治療は?]

(相談)愛知県2000.8.2
ちゃびん先生、こんにちわ、はじめてお便りします。私は愛知県瀬戸市在住の41歳の男です。平成7年7月頃、右頚部に3cm程の腫れを発見し、名古屋市の○○病院に受診し診断まで3ヶ月かかりましたが、結果は悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫、濾胞性B細胞型、Low-Grade)の診断を受けました。その後、左脇下および右脚付け根、右腎臓横のリンパ腫も判り、ステージは3でした。直ちに外来でCHOP療法を翌年5月まで行ない、完全寛解により経過観察に移りました。しかしながら、2年後の平成9年7月に右脚付け根と右腎臓横のリンパ腫が再発しました。

この頃、転居したこともあり、名古屋大学付属病院に転院し、アドリアマイシンやエンドキサンなどの多剤併用療法を外来で受けましたが、一進一退が続き、今年4月に末梢血幹細胞移植を伴う化学療法を受けるため入院しました。そこで、事前に試したプレドニン錠剤が思いのほか、縮小効果を示したため、化学療法を急遽取り止め1ヶ月で退院しました。現在は1週間目1日6錠2週間目1日4錠、3週間目以降1日2錠というサイクルで1ヶ月に100錠のプレドニン錠剤を服用しています。

主治医からは長期間服用による副作用の話とこの処方が根治治療でないことを聞かされています。いつかは前述の末梢血幹細胞移植を伴う化学療法が必要になると思いますが、私としては現在厚生省の承認待ちのモノクロナール抗体(MOAB)による早期治療を是非試してみたいと希望しています。(残念ながら治験条件からは外れてしまいました。)

以上が私の今までの病状経過ですが、初回治療から約5年が経過し、諸々の化学療法による骨髄抑制のため白血球減少が徐々に現われ、正常値に戻る期間が長くなってきています。また、外来治療のレベルですが有効な抗がん剤の種類も徐々に絞られてきています。いろいろと取り留めの無い話をしましたが、ここで先生に3点ほど御質問します。

(1)末梢血幹細胞の採取は強い化学療法を施してから行うという話を主治医から受けましたが、たとえ40歳台であっても幹細胞が取れない場合があるというのはどういう原因からでしょうか。

(2)私のようなリンパ腫の場合は緩慢な進行をする反面、新しい薬剤の効果が長く続かないという特徴があると理解しています。そのため、主治医もワッチ&ウエイトにより、ある程度重要な時期(腎臓横のリンパ腫の増殖)に来るまで、治療を手控える方針をとっています。私としてもモノクロナール抗体が承認されるまでの間、その方法がベストと思われますが、前述のプレドニン錠剤は何ヶ月ぐらい腫瘍抑制効果があるのでしょうか。 現在、化学療法をストップし、この処方のみで3ヶ月が経過しています。 先生の所で症例等があれば、お教えください。

(3)モノクロナール抗体による治療法は化学療法を併用したものになると主治医から聞かされていますが、完全に確立されていないようです。単独使用も含め、他の併用療法もあるのでしょうか。また、使用による副作用はどのようなものでしょうか。お教えください。

以上、拙い文面ではございますが、ご返信いただければ幸いです。猛暑のなか、お身体には充分ご自愛下さい。

(答え)2000.8.3
お答えします。ご自分の病気について大変良く理解しておられることに敬服致しました。

(1)何度も抗癌剤治療をしたために、もはや抗癌剤では白血球が増加しない人には行えない場合があります。

(2)主治医の言う通りで「ワッチ&ウエイト」が主流のようです。プレドニンによる治療の効果も個人差が大きく、予想は困難のようです。

(3)モノクロナール抗体による治療は、大変期待されていて、抗癌剤との併用で、さらに効果が良くなるのではないかと言われています。副作用を心配するよりは、効果を期待するほうが良いという程度のもののようですが、詳しい知識はありません。信頼できる主治医のようですので、良く相談してみてください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)2000.8.7
ちゃびん先生、こんにちわ!私の拙いメールに早々とご返事くださり、有難うございました。先生が常に仰る、「自分の病気に真っ向から立ち向かい、必ず治すという信念をもって、日々努力する。」というお言葉を胸に刻んで、8歳の息子と5歳の娘のため、これからも力強く生きてゆきたいと思います。現在は1週間服用する、1日6錠のプレドニン錠剤により、5cmのリンパ腫が2cmに縮小する状態が続いています。(これを3ヶ月間続けています)いつかは末梢血幹細胞移植やモノクローナル抗体を使った化学療法が必要になると思いますが、その節はまたメール送信いたしますのでよろしくお願いします。猛暑の折、お身体に気をつけて頑張ってください。・・・・(^_^)/~~~

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[頭皮の腫瘍がきっかけで皮膚科を受診し血液内科で濾胞型悪性リンパ腫と診断された]

(相談)2000.7.26
拝啓 はじめて質問させていただきます。悪性リンパ腫の疑いのあるリンパ球腫と診断されている、78歳男性(父)のことで伺います。はじめに、これまでの経過を申し上げます。

1998.3 頭皮こめかみ上に3センチほどの腫瘍様発見。近所の皮膚科医院に通院するも、大きさや性質の変化など経過を観察しようとのことで治療せず。

1998.8 発熱(37度〜38度)。咳。痰。腰痛。手足に湿疹が2週間。近所の医院のオーダーによるレントゲン、MRI検査で肺門リンパの系統的な腫れと診断。大学病院の血液内科および皮膚科に受診、検査開始。

1998.9 一旦血液内科から、サルコイドーシスの診断あるも、皮膚科の生検もすすめられる。(アイソトープ検査はシロ)

1998.10 頭皮腫瘍生検を実施。

1998.12 頭皮腫瘍生検結果から、サルコイドーシスではない。腫瘍自体は悪性とはいえない。ただし遺伝子のリアレンジにおいて、T細胞にバンドがあり、将来25%の確率で悪性腫瘍のおそれありとの診断。皮膚科の患者として、経過をみることになる。

1999.1 極度の便秘、神経性大腸炎、食欲減退、抑鬱、痔疾などを繰り返し併発。体重10キロ減(本人は実父の死因である大腸癌を危惧。)

1999.3〜4消化器内科入院。検査の結果内臓の腫瘍等一切なしとのこと。(退院後5〜7キロの体重を回復)検査終了により退院。(この後、頭皮の腫瘍は新たにでき、同時に前のものは色濃く萎んであざ程度に戻るを繰り返す。)

1999.秋 全身に発疹。抗アレルギ薬で沈静化。

2000.春 頭皮腫瘍の消えが少なくなり、肥大化。再度生検実施。

2000.4 生検の結果、1998の腫瘍と同質と判明(単クローン増殖)。遺伝子リアレンジもT細胞のバンドが同様とのこと。

2000.5 アイソトープおよび・頚部・肺・骨盤内のCT検査実施(咳・痰あり風邪薬服用中。)翌日から薬物中毒疹で発熱。解毒のため入院。1週間で快癒。

2000.7 アイソトープ・痰検査はシロ。CTで上記リンパ各部での腫れ発見。リンパ生検と骨髄穿刺検査を勧められる。

以上のようなゴタゴタを経験しました。2週間前に検査をすすめられ、本人も侵襲的な検査に及び腰で2週間の猶予を貰い、昨日以下の点を相談しました。

1)本人の質問:あと数ヶ月の後にふたたびCTなどの検査をして、表在リンパでないところの腫れがさらに進んでいたら、リンパ生検と骨髄穿刺検査をする、ということはありえないか?

医師の回答:1年半前と現在のリンパの腫れを比較するも正確を欠き、これから何箇月という設定をおこなったとしても。そこには必然性がない。化学治療をする必要があるとしたら(骨髄に問題があった場合など)初期における大きな効果を期待したい。

2)次男(私)の質問:血液内科の診断を参考にして、検査を受けるかどうかを判断できないか。

医師の回答:検査の段階での協議は当病院では行わない。

3)次男(私)の質問:各科別ではなく、リンパ腫瘍の診断・治療と言うことで、皮膚科も血液内科もジョイントするという治療体制やそのような病院を、セカンドチョイスできないか。

医師の回答:このケースで、2年近くの主治医である皮膚科以外の意見を聞くことには賛成できかねるが、必要であれば情報はオープンなのでその備えはある。ただしどこでそのような治療をしているか、といったことは分からない。患者側で探してくれるしかない。

このようなやり取りがあって、結局、同じ大学病院の血液内科の診察も受ける、という希望を受け入れてもらい、同時に、最終的に検査を受けるかどうかの諾否は本人にかかっているという共通理解のもと、検査のための入院手続きをしました(8月初日入院予定。)

そこで、伺います。このような状況で、リンパ生検をうけるべきでしょうか。頚部か鼠頚部で、パンチではなく切開でと言われています、その高齢者へのリスクを知りたいのと、「あと5年のクオリテイオブライフを優先させたい」という本人の希望、現在の病状(表在リンパの腫れはない。頭皮の腫瘍は増えてきている。体重の減や発熱などは全くない)から、どうお考えになりますか。さらに、上記セカンドチョイスについても情報をお教えくだされば、幸いです。結局、医師の考えは、信頼関係を確認してから早い時期にに検査に臨み、問題あれば放射線治療や化学療法などを早期に行いたいたい。氷山の一画かどうかを早く知るべきだとの主旨です。一方、父本人は、もし悪性の腫瘍だとしても、各療法の副作用などを詳しく知ってから、場合によっては、その拒否もありうると考えているようです。因みに父は国語学者で現在、研究エッセイの雑誌連載と研究対談などの仕事を緩やかに行っています。どうぞよろしくご教示くださいます様、よろしくお願いします。敬具

(答え)2000.7.27
お答えします。大変ご心配のことと思います。血液やリンパの病気が本当にわかる医師は少ないのが現状です。たとえ組織検査をしたとしても、それを診断できる医師がいなければ、診断がつかず、わからないということになります。やはり、血液やリンパの悪性疾患を専門にあつかっている医師や施設で、セカンド・オピニオンを求めるべきだと思います。ずっと同じ目で診ているからわからないという可能性もあります。見方をかえればわかることも、よくあります。それから、リンパ節の生検は、そけい部よりも頚部の方が良いとされています。身体に負担はかかりませんが、それに引き続く、病理組織検査、診断、治療というベルトコンベアに乗せられてします可能性があります。あわてる必要はないと思いますので、よくよく検討してからでよいと思います。ご本人のご希望を最大限に尊重してさしあげるのが良いかと思います。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)2000.7.27
数野先生、拝復 早速お返事をありがとうございました。やはり私どもの危惧しているのと近い見解をお持ちであることを知り、今後は闇雲な不安を抱き続けるのでなく、確実に疑問を解決してゆきたいと、心持ちを強くしました。と同時に、ではどうすればよいのか。現在選択した方法、即ち、検査のための入院は行い、その間に同じ大学病院内の血液内科の診察をうけ、その見解を待って自己判断する、という今の計画が旨くできるだろうか、という新たな問題が生じます。先生のおっしゃる通りベルトコンベアに乗せられてしまうのではないか、という危惧が多大にあります。そこで考えられる対策として、一つは、皮膚科の主治医のさらなる可能性・フレキシビリティーに期待し、入院前あるいは入院直後にもう一回面会・相談をし、最終的に必ずしも積極的な治療だけを望んでいる訳ではない旨等を納得してもらうという方法、今一つは、今回の入院自体を延期あるいは中止して、同じ大学病院内の血液内科の外来として、皮膚科から転科あるいは、同時平行診療を試みる方法。このどちらかの選択を迫られると言うことではないでしょうか。因みに病院は東京信濃町の慶応義塾大学付属病院です。

さらに、同じ大学病院の血液内科にかぎらず、専門医や専門施設を探すという可能性も有るわけですが、私どもにはその為のノウハウも手蔓もないのが現実です。上記の選択、後者の情報で、さらにご教示いただければ幸甚です。お忙しいところ、毎度冗長なメールを読んでいただき心から感謝します。

(答え)2000.7.28
お答えします。慶応義塾大学付属病院の内科(血液内科)の池田教授は、日本で十指に入る人です。専門家としては、充分だと思いますが、年齢を考えるとあまり無理な治療はできないと思います。ご本人とご家族のご希望をよく話して、なるべくQOLが保たれるような方法を選択することだと思います。もし、セカンド・オピニオンを求めるとすれば、国立がんセンターです。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)2000.7.29
数野 博 先生、拝復 重ね重ね、早速のお返事を賜わりまして心より御礼申し上げます。来週火曜日か水曜日に入院する予定で、だんだん決断の期日が迫ってくる樣に思われ、家族中が多少焦っておりましたので、誠にありがたく存じます。

慶応病院の血液内科の教授のお名前を教えてていただいた旨を父に申しましたら、入院したら先にその先生の診断を仰ぎたい、それがむりなら入院しない、という意志表示をするつもりだそうです。また、そこで皮膚科の主治医の拒絶などがあったら、その時は入院をやめて、今までの慶応とのご縁はなかったこととして、がんセンターの門をたたいてみようとのことです。

いまのところ、本人が意志をもって決断してくれるので、周囲(の私として)は判断材料をできるだけ提供しようと思っています。誠に勝手ですが、今後ともどうぞ御相談申し上げたく、どうぞよろしくお導きください。きびしい暑さゆえどうぞご大切になさいますよう。敬具

(経過)2000.8.3
数野 先生、先日、慶応義塾大学病院にかかっている、78歳のリンパ腫の父のことでお教えいただいた者です。その後、予定通りの入院をしましたが、血液内科の診療を受けたいこと、侵襲的な検査を性急に行わないでほしいこと、を要望し、結局、血液内科の岡本助教授の診察をうけ(ご紹介いただいた池田教授の名前もあげましたが、池田先生は血小板関連の専門医とのことで、リンパ腫などの専門の岡本医師が担当になりました。そういう説明も納得ゆくまで受けられるようになったことも、おおきな収穫です。)、今後は、皮膚科と血液内科が、協働して診断や診療方針の提示・患者側との協議をすすめるということに同意がえられつつあります。

お蔭様で勇気をもって、確信をもって、父が意向を表明し、それが実際の医療対応に影響を与えはじめたという実感があり、家族そろって満足と安定を得られています。皮膚科の診断では、濾胞性悪性リンパ腫とのことですので、自体は明るくはないのでしょうが、父自身の心境からすると、闇雲な不安はむしろなく、今後どう対処して行くかは自分次第という現実を認識し、ある程度の気持ちの整理が始まっているようです。皮膚科の下した病名を本人へ告知するかどうかに関しても、私ひとりが呼ばれて家族の意見を打診されるということもありましたので、QOL優先の考えや、延命拒否を日ごろから話している両親の様子なども医師側に伝える機会をえました。今後もどれほどの問題が生ずるか想像がつきませんが、一つの局面を上記のような状態で迎えることができたことを、なによりも、そこに至るまでには、先生のアドバイスが誠に有り難かったことを(両親ともにメールのやり取りをじっくりよんでいました。)深く感謝し、ご報告申し上げます。ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお導きくださいますよう、お願いします。

(相談)2000.8.21
残暑の御見舞をこころより申しあげます。先日2回にわたり悪性リンパ腫の78歳の父についてご相談を申し上げ先生のご親身なお答えをいただいたものです。その後、骨髄血と骨髄の吸引検査で、やはり異常が発見されました。が、腫瘍は濾胞性で比較的展開の遅いものであること、高齢であることから、血液内科からは積極的な化学療法をしないという提案で本人家族ともそれに同意しました。また、皮膚科からは頭皮の腫瘍にたいする放射線照射をすすめられました。恐らく明日の放射線科の外来で説明され、本人が納得した暁には、年内に頭部の腫瘍に対する照射が試みられることになりそうです。

そこで質問をさせてください。放射線自体が体内に与える影響は個人差があるのでしょうか。本日付け朝日新聞で研究がスタートするそうですが、遺伝子の情報からそのような情報がわかり、それによって将来、最適切化した放射線照射が可能になる、とのことです。ということは、これから父が受けようとしている、現在の放射線照射治療では、そういうケースバイケースのニュアンスはないものなのでしょうか。また、皮膚の腫瘍に与えた放射線の影響で別の腫瘍の発生や今ある腫瘍の拡大や飛散などをまねく可能性や、そのような症例はないのしょうか。さらにまた、放射線の照射に伴う副作用のうち疲労感が説明されましたが、その個人差や年齢に伴うリスクは考えられるでしょうか。皮膚科の医師は、このようなことは放射線科に質問せよとのことでした。放射線の当て方、その量などについての知識がなく、実施を前提にした診察に向って、上記のような不安がぬぐえません。勝手なご相談・お伺いばかりで恐縮に存じますが、どうぞ御海容のほどをよろしくお願いもうしあげます。敬具

(答え)2000.8.24
お答えします。

>その後、骨髄血と骨髄の吸引検査で、やはり異常が発見されました。が、腫瘍は濾胞
>性で比較的展開の遅いものであること、高齢であることから、血液内科からは積極的
>な化学療法をしないという提案で本人家族ともそれに同意しました。また、皮膚科か
>らは頭皮の腫瘍にたいする放射線照射をすすめられました。恐らく明日の放射線科の
>外来で説明され、本人が納得した暁には、年内に頭部の腫瘍に対する照射が試みられ
>ることになりそうです。

適切な選択だと思います。濾胞性のものは比較的悪性度が低く、そのままでも長期に病気と共存できる場合が多いと思います。

>放射線自体が体内に与える影響は個人差があるのでしょうか。
>また、皮膚の腫瘍に与えた放射線の影響で別の腫瘍の発生や今ある腫瘍の拡大や飛散
>などをまねく可能性や、そのような症例はないのしょうか。
>さらにまた、放射線の照射に伴う副作用のうち疲労感が説明されましたが、その個人
>差や年齢に伴うリスクは考えられるでしょうか。

何事にも個人差はあります。放射線科の医師にも、ご本人の希望を良く話してみてください。放射線治療の目的は、目に見える腫瘍に対する対症療法としての意味だと思いますので、必要以上に身体に負担がかかったり、副作用が出たりするほど強力にはしないと思います。

参考までに、川越市の帯津三敬病院の帯津良一先生の講演の内容をご紹介しておきます。

[講演要旨]ホリスティックながん治療をはじめてから16年が経とうとしています。これまでに一体どのくらいの患者さんと出会ってきたでしょうか。さまざまな患者さんとの出会いを重ね、今思うのは「明日のことはわからない」ということです。突然よくなることもあれば、その反対もあります。予測のつかない展開が起こるのです。しかも、きわめて個性的なものです。がん治療には王道もなければマニュアルも存在しません。「がんほどミステリアスなものはないということですよ。だから(治療として)なにをやってもいいんです」これはロイヤル・ロンドン・ホメオパシック・ホスピタルのがん治療責任者ともいうべきアン・クローバー医師の言葉です。まさに至言です。科学的に検証された方法はそれとして、同じように未だ科学的に証明されていない方法も、どちらもしっかりわきまえていけばいいはずです。長い間、現場で苦労を重ねていれば「これはよく効きます!」とか「こんなものが効くはずありません!」…と断定的なものの見方はできなくなるでしょう。本当にがんほどミステリアスなものはないのですから。

ではまたいつでもメイルをください。

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