1年単位の変形労働時間制における振替休日


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1年単位の変形労働時間制は、1ヵ月を超え1年以内の一定期間(変形期間)を平均して、1週間当たりの労働時間が法定労働時間(週40時間)以内に収まるように設定することによって、繁忙期には長い所定労働時間とし、閑散期には短い所定労働時間として、年間を通じた弾力的な労働管理を行うものである。

1年単位の変形労働時間制を実施するためには、過半数で組織する労働組合があ場合にはその労働組合、労働組合のない場合には労働者の過半数を代表する者と労使協定をし、労働基準監督署長に届け出なければならない。

   

1年単位の変形労働時間制は、変形期間(1年以内)中の労働日、その労働日ごとの労働時間をあらかじめ特定しておくことで、1日、1週の法定労働時間に縛られることなく、弾力的な所定労働時間を組むことが法的に認められていることから、休日の振替について行政解釈は「1年単位の変形労働時間制は、使用者が業務の都合にとって任意に労働時間を変更することが無いことを前提とした制度であるので、通常の業務の繁閑等を理由として休日振替が通常行われるような場合は、1年単位の変形労働時間制を採用できない」としているが、「労働日の特定時には予期しない事態が生じ、やむを得ず休日の振替を行われなければならなくなることも考えられるが、そのような休日の振替までも認めない趣旨ではない」としている。

   

従って、1年単位の変形制を採用している場合でも、@就業規則に振替休日を行う旨の根拠規定があり、その規定に基づいて、あらかじめ振り返るべき日を特定して休日を振り替えること、A振替休日を行った後も、法の定める連続労働日数の制限の範囲内に収まること、を条件に振替休日を行うことができる。

   

1年単位の変形労働時間制では、対象期間内の連続労働日数において、@原則として6日以内、A特定期間(特に繁忙な期間としてあらまじめ労使協定で定めていた期間)は1週間に1日の休日が確保できる範囲内を限度としている。従って、特定期間以外の期間内に振替休日を行う場合に、振替休日によって休日と労働日が入れ替えられたことにより、連続労働日数が7日になってしまうような振替休日はできない。