平成16年改正によって、派遣労働者の受入期間は、派遣就労場所ごとの同一業務について、「労働者派遣法第40条の2第2項」で、次のように定められている。
@ 26の専門的業務、育児・介護休業者などの代替業務、日数限定業務のどれかに該当する場合・・・受入期間の制限なし
*26の専門業務:1 コンピュータのシステム・プログラムの設計等(第1号)、2 機械等の設計・製図(第2号)、3 放送番組等の映像・音声機器の操作(第3号)、4 放送番組等の演出(第4号)、5 事務用機器の操作(第5号)、6 通訳、翻訳、速記(第6号)、7 秘書(第7号)、8 ファイリング(第8号)、9 市場調査(第9号)、10 財務処理(第10号)、11 対外取引、国内取引の文書作成(第11号)、12 高度の機械の性能、操作方法の紹介・説明(第12号)、13 添乗、送迎サービス(第13号)、
14 建築物の清掃(第14号)、15 建築設備の運転、点検、整備(第15号)、16 ビル受付・案内等(第16号)、17 研究開発(第17号)、18 事業の実施体制等の企画・立案(第18号)、19 書籍等の制作編集(第19号)、20 商品・広告等のデザイン(第20号)、21 インテリアコーディネーター(第21号)、22 アナウンサー(第22号)、23 OAインストラクション(第23号)、24 テレマーケティング(第24号)、25 セールスエンジニアの営業(第25号)、26 放送番組等における大道具、小道具等の制作・設置等(第26号)
*日数限定業務:月にその業務が行われる日数が通常の労働者の所定労働日数の半分以下であり、かつ、10日以下の業務
A 有期のプロジェクト業務に該当する場合・・・3年
B @、Aのどれにも該当しない場合であって、一定の条件を満たす場合は1年を超え3年以内のあらかじめ定めた期間(定めをしない場合の上限は1年となる)、それ以外は1年
但し、現在、特定製造業務については、法附則第5項により、派遣受入期間は最長で1年間とされている。
*特定製造業務とは、育児・介護休業などを取得した派遣先従業員の業務を代替するための派遣を除く「製造業務」での派遣のこと
*製造業務とは、物を溶融、鋳造、加工、組立または塗装する業務、製造用機械の操作の業務、これらと密接不可分の付随業務として複数の加工・組立業務を結ぶ場合の運搬、選別、洗浄などの業務をいう。一方、製品の設計や製図の業務、物を直接加工しまたは組立てる業務などの工程に原料、半製品などを搬入する業務、加工、組立などの完了した製品を運搬、保管、包装する業務、製造用機械の点検の業務、製品の修理の業務は「製造業務」に該当しない。(この場合は@−Bが適用される)
*特定製造業務に係る派遣受入期間は、19年2月末日までは最長1年間、その後はBの期間(最長3年間)となる。
■参 考■
◆労働者派遣ができない業務
@建設の業務、A港湾運送の業務、B警備の業務、C病院、診療所、助産所、介護老人保健施設における業務及び往診、訪問介護に関する業務(=紹介予定派遣による場合は派遣可能)、D性質上派遣になじまない次に掲げる業務
〔1.人事労務管理関係の業務のうち派遣先の団体交渉、労基法の労使協定の締結などのための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務(派遣業の許可基準に抵触)、
2.弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士の業務、 3.建築士事務所の管理建築士の業務〕
*平成11年改正においては、なお制限が置かれていた「産前産後休業、育児休業、介護休業の代替要員として派遣する場合を除き、すべての物の製造の業務」について、平成16年改正によって労働者派遣を行うことができることとされた。(但し、法施行後3年間は派遣期間の上限は1年に制限される)。
なお、身体障害者療養施設・養護老人ホーム等の診療所で行われる医療関連業務については、労働者派遣が可能となっている。(H15.3.28施行)。
◆派遣元事業者
「特定労働者派遣事業」(常時雇用する労働者のみを派遣するもの)と「一般労働者派遣事業」(派遣希望者を登録しておき、派遣期間だけの労働契約を締結した上で派遣するもの)に区分されている。
・特定労働者派遣事業(常用型)は、厚生労働大臣への届出のみで事業を開始できる。
・一般労働者派遣事業(登録型)は、事業開始にあたって厚生労働大臣の許可が必要とされている。
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