2003年 9月〜12月 OPトーク


10/13 熊本キリン

「この番組にも何度か出てますけど、熊本キリンの桐畑徹ってのは異常にテンションの高い男なんですよ。彼は秤の会社のサラリーマンをしてて…例えば宮城のスーパーから『秤が最近おかしいからメンテナンスに来やがれ』って言われると、死にそうになりながら車を飛ばして行って『これウチのメーカーのじゃないですわ』みたいな。そういう仕事が嫌になって遅れて芸人になった上に、少し時間が経ってるからもう30歳越えてて、もう後が無いんですよ。」

「かたや相方の田中健三って男はもうね…お笑いの実力云々の前に、面白い事を言おうっていう気力が無い男なんですよ。桐畑にしてみれば『俺はこんなに焦ってるのに、何でお前は現状に満足してるんだ』と。元の会社に帰ろうにも、殴っちゃってるしと。お得意様を。そこで俺が仲立ちしてやろうと思って田中健三に問いただしたら、『僕は満足してるんです、生きてるだけで』と。.『何がお前をそうさせるんだ?』、って聞いたら出て来たのが恐ろしい事件でしたよ。」

「あいつね、5年前にバイト先の店長主催のキャンプに行くその日までは、お笑い意欲が凄く強かったらしいんですよ。仲間が岩の上から川に飛びこんでいるのを見て、『俺はただのバイトじゃなくて、お笑いをやってるバイトだ』って面白く飛び込んでみたら…ちょっとだけ、ちょっと怪我しちゃったらしいのね、頭蓋骨が割れちゃったんだって。頭蓋骨自体は大丈夫な割れ方だったんだけど、血がドクドク出てて、画面が白黒になったんだって。」

「とりあえず救急隊員呼んだものの、健三が『痛くありませんよ、大丈夫大丈夫』って明るく言うから、皆安心したんですけど…起こそうとしたら左手以外が動かないらしいのよ。そしたら救急隊員の顔色が急に変わって、『もしかして、指先足先とか、痺れたりしてる?』って聞かれて。それが凄いビンゴだったらしいのね。『じゃあ、今動かせる所を全部動かしてみて』『御安い御用です』って言ったら、もう既にさっきまで動いてた左手も動かないらしいのよ。

「担架に乗せたまま救急車で長時間運ぶのは無理だから、救急車でまず近くの学校に行って。校庭に来たでっかいヘリコプターが、そのまま救急車ごと格納して飛んだらしいんだ。付近で一番大きな病院で色々調べたら、頭蓋骨も一大事なんだけど…首の骨が折れてますと。そこには神経が一杯通ってるから、これは上手くいけば…寝たきりです、みたいな。さらにその日病院は休みでね。本来休みの日に、そんな大手術が出来るような先生はスタンバイしてないんですよ。」

「アイツがツイてたのは、たまたまその日が9月1日防災の日で。たまたまヘリコプターで人が運ばれて来た場合のシミュレーションを午前中にやってて、午後本番だったのよ。そのおかげで田中健三は今生きてるし、草野球をやってますからね。だから健三は“生きてる”だけで安心らしい。どんなにウケなくても『別に死ぬよりいいし』っていう。凄いね。にも関わらずこの話を田中健三から聞くと、大して面白くない話に聞こえるんだよね。活かせない男なんだよね。」

 


10/6 お笑いジェンヌ

「ホリプロの女の子の若手がお笑いをやってる、“ホリプロお笑いジェンヌ”…何がジェンヌだ、って感じのライブがあってね。前の週にお笑い担当のマネージャーから『是非見に来て欲しい』って言われてたんですけど、水曜日は仕事で時間が無いからと。アンタッチャブルやくりーむしちゅーの事務所のライブには行くんですけど、僕はホリプロに所属はしてるものの内部には関わってないんで、割とホリプロのライブは敷居が高くて、全然行ってないんですよ。」

「そしたら水曜日、いつもやってる番組が早目に終わって時間が余ったから、あの…ちょいとしたサプライズでね。ライブに行こうかなと。俺も最近孤独だし、請われて行く所に行きたい訳ですよ。『伊集院さん来てくれたんですか』が欲しい訳ですよ。さらに念には念を入れてね、昔ブランチで取材したようなお台場のケーキ屋さんに電話で注文して。結構な値段すんのよ、『お笑いの女の子が一杯いるから20個』『1万8000円にございます』ぐらいの。」

「ケーキ屋経由でライブに行く前に、礼儀としてホリプロの若手マネージャーに電話しまして。『今から行きたいんですけど』『あ、無理ですね』…ええっ…?僕も請われて行きたいし御友達をいっぱい作りたいから…『いやあの、立ち見とかでも』『いや、無理ですね』と。こういう時に紳士的に返す一言で全部変わるんだ、ってグッって堪えて『馬鹿野郎テメエ!行きたくて行くんじゃねえよ!お前が来いって言うから!生涯行くか!』、野外でケーキを13個食ったよ。

 


9/29 銀座でブランチ

「この間のオフの草野球が雨で中止になって。ふて寝を決め込んでたら、怪しい女が俺の部屋に入って来て、『世間では子供のいない夫婦は、2人の時間をエンジョイしてる筈』ぐらいの事を言いやがるんですよ。じゃあどうしたいんだ?って聞いたらさ、第一希望は俺に死んで欲しいみたいなんだけど、第二希望で銀座で朝御飯を食べたり…とか言うんだよ。けど俺もアイツとは長いからさ、『じゃ判った、天才バカボンのDVD−BOX2買うから4万円くれ』と。」

「カミさんはhanakoオススメ、銀座の麦とろ定食屋に行きたいと。俺に言わせればキャベツ20円マヨネーズ10円で、競馬勝っちゃったから麦とろ280円いくか!ってのが麦とろ定食屋なんだけど。そこに行ってみたらさ、銀座で働いているOLの皆さんがいらっしゃるんだけどさ、デザート付き麦とろ飯定食、おかわり不自由。お前麦とろは飯泥棒なのに、おかわり不自由はねえだろと。しかもデザートはpino1個分みたいなアイスで。何処入ったかわかんねえよ!」

「でその後ね、夕飯は『アンタが知ってる飯屋に連れてって』みたいな話なんですよ。『おお任せろ』の『おお…』まで出てきた所で、『ただし立ち飲みは駄目』と。俺の知ってる行き付けの店なんて、立ち飲みか拾い食いくらいしかないよ。自販機のコップ酒は店じゃないとか言うんですよ、おでんの缶まであるのに。で4万円くれ4万円くれ、って貰った4万円で池袋のビックカメラ行ってバカボン買いましたよ。久々普通のことしたな、意外に普通のこと面白かったわ。」

 


9/22 伊集院殺人未遂事件

「ロサンゼルスから帰って参りました。あのね、池田って男はアメリカで2年も暮らしましたと。英語もペラペーラですと。国際免許も持ってますから、向こうでも全部私が運転しますと。それだけ言われりゃ大船に乗った気持ちになりますよ。そのアメーリカのペラペーラが、最初のカーブで反対車線にいらっしゃるんですよね。そんな池田の運転でロスをドライブしてたんですけど、いきなりベロをペロっと出しながら頭をポカポカ叩いて『道が違うぞ?』、計画に決まってますよ。

「そこに偶然“3マイル先マルホランドドライブ”って標識があったんですよ。僕はデビッド・リンチの“マルホランドドライブ”って映画がすっごい好きで…賛否両論は判ってますよ、でも好きなの。池田曰く『その標識の前で記念撮影したい』と。『車が停めにくい』とか『標識が新しすぎる』とか、今思えば変なんですけど…しばらく行った所に豪邸があって、そこの手前の標識で撮影しようと。池田が『素っ裸はどうですか?』って言うからさ、俺も自由の国だからってパン1になって。」

「でも道路標識だから、高くて並んで撮影するのが大変なのよ。そこで池田が『豪邸の門の横にある大きなポリバケツに乗れば…』みたいな話をしてね。俺がそのポリバケツを持ったその瞬間、門の陰から2m近いガードマンが出てきて。でこっちパン1じゃんか、もう動けないのよ。その間に池田、一目散に車乗ってんだぜ?最終的にそのガードマンは勝手に入るなよオンリーだったんでけど、ホント怖かったんだよ。そこまで殺人計画を練られてよく帰って来ましたよ。」

 


9/15 Night in Los Angeles

「どうも、ロサンゼルスから生放送の伊集院光です。出発したのは48時間前なんですけど、遠い昔のよう。ホントの話、最初はこの番組で活躍してるアンタッチャブル山崎を、連れて行ってやろうって気持ちでしたよ。けど草野球は寝坊するわゲームの約束はすっぽかすわで、途中からムカつきテンション入ってきて。柴田が『せっかくだから一緒に』って言うから連れて来たのに。じゃお前今から行けよ春日部ロビンソン、あの巨大デパート春日部ロビンソンに。

「ただこれだけは言っとく、連れてくるんじゃなかった。山崎の責任を抜きにしても言っとく、来るんじゃなかった。あのちょっと皆さん聞いてくれます?タレント伊集院とアンタッチャブル、プロデューサー池田ですよ。この生放送は僕の貧乏性でやらせて頂いてますけど、プライベートで遊びに来てる訳ですよ。そこで池田御得意の『N.Y.に2年住んでたから、コーディネートは任せろ』が出まして。過去にもN.Y.の真っ赤な壁に牙がついてるホテルで酷い目に会いましたからね。」

「今回は4人部屋なんですけど、ベッドが2つなんですよね。『ネットと電話で4人部屋を取った筈だ』『ウチに4人部屋は無い』と、行くなり大口論なんですよ。さらに『ウチのエクストラベッドはそのフロアの廊下を通る大きさじゃないから、そんな予約を受ける筈が無い』ってことで…床で寝てんですよ。山崎に関しては毛布なしで。何の夢を見てるのか判らないんですけど、夜フッと見るとタマキンをボリボリボリボリ掻いてて。それがロスか、それがNight in Los Angelesかと。」

 


9/8 小林がラブってる

「僕はホリプロに…厳密には所属してないんですよ、契約書無くしちゃいましたから。しかもハンコごと。最近も2週に1回ぐらいチーフマネージャーから、『契約書どうなってるの?』って言われてますから。そんなホリプロ所属の僕には担当マネージャー、小林がいるわけですよ。この男は名門筑波大付属から慶応大学、そして上場会社ホリプロ入社にも関わらず、とてもそれを感じさせない名誉中卒な男なんですけども。どうやらこの男がラブってるらしいんですよ。」

その相手が事もあろうに芸能人、これ爆弾発言ですからね。あんにゃろう所属タレントの現場にまた来てませんから、言っちゃうしかないですよ。じゃ判りました、この話は長くなりますから。CM明けフリートークまでに、小林から『この話をしないでくれ』、って電話があれば止めるかもしれません。いつもタイトルコールからOPテーマでボルテージ高めてるのに、喋りすぎてテーマが終わっちゃうと…すいません、どうかしてました…って感じになるじゃないですか。」

しかもホリプロのタレントですよこれ、御法度ですよ御法度。とりあえずここまで、後は『言っちゃっていいですよ』ってFAXがくれば。僕には筆跡が判らないんで、賛成反対の比率で決めます。ただ小林の人生がかかってるんで、『小林って名前で書けばいいんだろ』っていうイタズラは止めてください。凄く小林っぽかったFAXに関してはカードを送りますけど。あと郵送時に困るんで本名もちゃんと書いて下さいね。とりあえずOPらしい季節の話題?とかそういうやつ。」

 


9/1 ホリプロ夏祭り

「ホリプロ所縁の企業関係者とその家族へ1年間の感謝をこめて、ホリプロのほぼ全タレントが集まるホリプロ夏祭りっていうイベントがあるらしいんだよね。ホリプロに入った10年程前に出た時、会場でとぼけたジジイが金魚すくいやっててね。ちょっと面白かったら新入団選手として舞台で挨拶する時に、ジジイジジイ話したんだけどさ…そのジジイが堀会長だと思わないじゃん。っていう事があったから、そりゃ行きませんよ。むしろ行かない方がホリプロでの株は保てると。」

「最後にホリプロ全タレントが舞台に並んで、各自のサインボールを会場に投げるんだけど、最前列の深田恭子ちゃんとかに比べると、後列にいるお笑い軍団なんて吹けば飛ぶような存在ですよ。したら女だてらに100km/h投げるクワバタオハラのクワバタ、その真正面に深田恭子の無防備な頭がありまして。周りはいわゆるフリで『絶対ぶつけちゃ駄目だぞ』ってやってたらしいんですよ。いわゆるダチョウ方式ですよね、押すなって言われたら押しますよ、芸人なら。

「ただ相手が相手なんで、さすがにお笑い根性とかそういう問題じゃないと。でクワバタは周りの芸人に『うるさい!』って言ってボールを投げたんですけど、ど真ん中に。後頭部ど真ん中に。『ギャッ!』って言ったらしいんですよ、深田恭子が。それでもその後クワバタが必死に謝ったらさ、恭子ちゃんも判ってくれてね。『最初っから聞いてたもん!』と。『当てるなよ』→『うるさい!』→『ブラボー!』までの流れを『聞いてたもん!』と。そりゃあもう綺麗なストレートだったらしいよ。」

 


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