電子チューニングの実験と実用回路



Updated 2001.11.25 rev '02.2.2

●ワイドレンジ・カバレッジBPFの実用回路

・TRXに使用している14MHz帯〜24MHz帯をカバーする電子チューニングBPFです。

・入力にSSB信号(-10dbm)を加え、出力端子(TX-RFout)のあとに2SC2053-2SC1971の2段アンプをつけると、出力2-3WのQRPトランシーバが出来上がります。
・前段に接続するSSB ジェネレータの一例として、"SN16913 SSB generator"(ダイオード式DBMを送受共通に使っている)が使用できます。


・D1〜D5は、SWダイオード(1S1588etc.)です。元の回路は、1.8MHz〜50MHzを3組のBPFに役割分担させているためにそれらを切り替えるためのものです。
・モノBPFの場合は、これらのダイオードとそれに関連するC,Rを省略でき、簡素な回路になります。

・Q3の出力段のコイルT9は、中点タップにD(ドレイン)を接続します。ホットエンドに接続すると、コイルに低インピーダンス回路がつながることになり、トラッキングが取れなくなります。

・T6ーT7の結合コンデンサは、最初は固定Cを使っていたのですが、ローバンドでのゲインが低すぎたので多少なりとも補正するために、バリキャブ結合としました。

・同調バリキャブCvを1T33(sony)、結合バリキャブCcを1S2638とした例です。

・カバレッジのターンダウン比は、2.03取れます。


・同調バリキャブCvを1T33(sony)、結合Cc=1pF(固定)とした例です。

・カバレッジのターンダウン比は2.16取れ、28.0〜56.0MHzをカバーするBPFが出来上がります。


・同調バリキャブCvを1SV149(東芝)、結合バリキャブCcを1T33とした例です。

・カバレッジのターンダウン比は、5.8取れます。




以下は、実用回路の定数を決めるまでの実験データです。回路図に指定されているバリキャブ以外の型番を使用するときは、下図の(V vs Cv)特性 を参考に相当品を採用ください。

● バリキャブ(可変容量ダイオード)電子チューニング

・HFオールバンドトランシーバーを作る時に、各バンドのチューニングBPFをどうするかが難問です。
・各バンド毎にBPFを用意すると1.8, 3.5, 3.7, 7, 10, 14, 18, 21, 24.5, 28MHz帯で10組必要で、送受信別々にして、切り替え回路は?? と考えると製作意欲をなくします。
・東芝のバリキャブ1SV149 のようにCv=16pF(12V)〜 Cv=800pF(0V) で可変容量比が50倍もとれるものがありますので、バリキャブを使い、1組のBPFで広範囲をカバーする構成とすれば、回路がシンプルになります。
その前準備として、実験を行いました。

●実験

・2SK241を使ったポピュラーな回路で実験しました。








・シグナルジェネレータ(SG)は、下の右の写真ですが、SGというよりも昔のテストオシレーターです。

・33年前、トリオのテストオシレーター用コイル(古いですね!)を買ってきて、自作したものです。最初は真空管、途中でTR,最後はFETに変えて現在にいたってます。


●実験結果


(画像1)横軸は、バリキャブ電圧(V)、縦軸は、共振周波数およびバリキャブキャパシタンス(pF)です。


・グラフ@は、1SV149 + 7.2μH(10K) で同調範囲は、2.1MHz〜12MHz
・グラフAは、1SV149 + 2.92μH(10K) で同調範囲は、3.1MHz〜18.9MHz
・グラフBは、1T33(Sony) + 2.92μH で同調範囲は、11.9MHz〜24.5MHz(10K)
・グラフBは、1S2683(一時期秋月にあった) + 2.92μH(10K) で同調範囲は、18.7MHz〜27.2MHz

●BPF構想

・1.8MHz〜54MHzを4組のBPFでカバーします。


・HFオールバンド+50MHz トランシーバーの構想をねっています。

・完成は、お正月休み頃の予定。ご期待ください。



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