電圧計の応用 その1 実験用電源LT3080に組み込んだ電流計 

UP dated 2011.7.21

●電圧計の応用 その1 実験用電源LT3080に組み込んだ電流計として使う

・PIC16F819電圧計を 実験用電源の組み込み電流計として使った工作例を紹介します。

・電圧レギュレータLT3080は、汎用のLM317とは違い、外部に負電圧を準備しなくても 0Vからの出力電圧可変が可能で、これを使い実験用電源をコンパクト(48mmx128mmx30mm厚)に製作しました。ケースは、手元にあった切れ端のアルミ板を折り曲げて作りました。
・供給電源としては、何でも使えますが、古いPCのSW電源、こわれたプリンターのSW電源を有効利用するのが良いでしょう。


・出力電圧表示(0-9.99V, 0-25.0V)用 と 電流表示(0-999mA用)に 2個のPIC819電圧計を使用しました。

・電流計(0-999mA)としては、0.5Ωの電圧降下をLM358で増幅し、+Ref=5Vの電圧計で0-999mAを表示します。

・左側は、出力3.01Vを15Ωの抵抗に流し、表示電流は、195mA。
・右側は、その内部で、少々小さすぎたようで、無理があります。


LT3080の最小電圧について

・LT3080は、0Vから可変できるとカタログに書いてあったので 飛びついたのですが、実際に製作してみると どうしても0.35Vよりも下がりません。
・再度データシートをじっくりと読むと 下左図のような残留電圧の特性図があり、本文に最小負荷電流0.5mAとの記載がありました。
・最初ブリーダ抵抗として 1KΩを接続してたので、特性図より、残留電圧 0.35V(ブリード電流=0.35mA)。合っています。

・0.01V以下にするためには、ブリーダ抵抗として20Ω以下が必要です。ところが20Ωですと10V出力のとき、500mAも流れてしまいます。

・これでは効率が悪いので、電圧が変わってもブリード量が変化しない定電流負荷としました。定電流ダイオードの手持ちがないので FET 2SK30A-Yを使った定電流(2mA)回路を採用しました。
・これにより 最低電圧(残留電圧)は、160mVまで下がりましたが、0Vにはなりません。これは、右図の2SK30のIdss特性(SとGを直接接続したときVGS=0V の電流)より読み取れます。

・実験用電源の機能として、0Vまで下げたいので、2SK30ブリード回路に0Vのときまで0.5mAが流れるように、2SK30のソースを電源入り口の負側のSBDの後ろに接続しました。SBDの降下電圧0.3Vがドライブ力となり、これで 0.00Vまで下がりました。
・ダイオードは一般整流用(Δ0.7V)でもOKですが、順方向降下電圧を少しでもさげる(省エネ)ためSBDを使いました。



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