(電圧計の応用 その3 UV meter(紫外線光量計 

UP dated 2011.7.21

●電圧計の応用 その3 UV meter(紫外線光量計)

・紫外線センサー G5842 の発電電圧 0〜1Vを 5倍OPアンプにより、0〜5.0Vとし、PIC16F819電圧計で 0.00-9.99mW/cm2(DIP SW設定)に表示するものです。

・仕様書によれば、「G5842は、受光面積=0.58mm2 (0.8mmx0.8mm)、受光感度=60mA/W」ですので 受光エネルギーが 1mW/cm2のときに、発電電流I(mA)は、
I= 1(mW/cm2) x0.58(mm2) x1/100(cm2/mm2) x 1/1000(W/mW) x60(mA/W)=0.348 x10^(-3) (mA)
この電流を 負荷抵抗、287kΩで消費させると 両端電圧 E=0.348(μA) x287(kΩ)=100(mV) となります。

・OPアンプ LM358は、5.5倍ですが、PIC16F819電圧計の入力部の抵抗分割で 10/11倍してますので 総合増幅率は5倍です。100mVは、5倍され0.5Vとなり、PIC16F819電圧計は、0から5.0Vを 0.00-9.99 と表示するので 表示値は、1.00(mW/cm2)となります


・写真左は、撮影用白熱電球投光(60Wx2灯)のもとで 0.08mW/cm2を表示しています。

・写真右は、紫外線センサー G5842部です。
裸だと受光部以外の周囲からも紫外線が入り込み、3割ほど高い値を示すので、この写真をとったあとは、受光部(0.8mm□)前面のみφ3mmの穴を明けた キャップをかぶしました。


・左の写真は、アルミの切れ端を コの字型に加工したシャーシに組みこんだ内部です。

・下の写真は、
左側;センサー部をキャップで覆った状態。

中央;完成品。シャーシ端面にセンサをクリップ固定。屋外ひさしの下で散乱光により0.17mW/cm2。

右側;ケミカル蛍光灯 FL10BL 10W x4本 を点灯させ、その紫外線量は3.22mW/cm2。


・下の回路図でセンサーと並列に入れている0.1μFは、発電電流蓄電用です。これがないと 表示値がめまぐるしく変動します。
PIC16F819電圧計は、AD変換時間が、略20μsecで、ある一瞬の時間断面の電圧を代表値として計測しているのに対し、G5842は、負荷抵抗が280kΩですと、一定発電電力に上昇するのに約2msec必要で、このギャプにより表示値がふらついてしまうためです。

・センサーは、太陽電池なので、デジタルテスターで測定しても、UV線量計測は可能です(回路図の下側参照)

●本題から外れて PCBクイックポジ感光基板用 露光機の製作の紹介

・紫外線量計を製作した目的は、PCBクイックポジ基板を失敗なく、感光する露光機の製作のためです。

・旧品種のカメレオン感光基板では、ずっと太陽光露光で、特に失敗することはなかったのですが、クイックポジ基板になってから、露光時間が従来の2〜3割に短くなり、露光オーバーで失敗することがあり、ケミカルランプ蛍光灯式露光機を作ることになりました。


・写真左は、古いスキャナーをくりぬいて、下側をベニヤ板でかさ上げして、ケミカルランプFL10BLx4本を取付けた。

・写真右は、スキャナー上カバーをかぶした。蓋が 重ねたPCB基板とOHP用紙を押さえるクランプになる。


・左の写真は、ケミカルランプ蛍光灯のインバータです。1個340円の 60型消費13Wの電球型蛍光灯 を4個ばらしてインバーターのみ取り出した。


左側;ケミカル蛍光灯を点灯させた。少し暗いが、これでいいのだろうか?とも思ったが、良いみたい。

右側;ガラス面、ケミカル蛍光灯 FL10BL 10W x4本 から33mmの距離で 線量3.22mW/cm2。

・下の回路図中に、蛍光灯とガラス(PCB基板)の距離関係を示してある。サンハヤト露光機、BOX-W10(D)の感光プロファイル時間で うまく露光できているのでほぼ同じ紫外線強度であろうと思っている。これで150mmx200mmの基板まで均一露光ができる。パターン原版シートは、レーザプリンター印刷の OHP用紙を3枚重ねである。
・レーザプリンター印刷の場合は、OHP用紙を3枚重ねであるが、インクジェットプリンターの場合は、OHP用紙を2枚重ねで 白地(透明部)と黒ベタ地のコントラスト比が、50以上になるので 2枚でよい。

・正確ではないが、この露光機は、太陽の7月南中高度直射紫外線量の 9割とみている。
実測値で ガラス透過太陽光=2.60mW/cm2、露光機=3.50mW/cm2。感光剤感度波長域=300〜450nmにおける分光スペクトル全強度は、太陽光=ケミカル蛍光灯x1.5倍として
太陽光での感光感度=2.60x1.5=3.90 、その9割が 3.5となり、FL10BLx4本露光機と ほぼ同じか。あまりあてにならないが、あたらずとも遠からず?か。


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