小さなハイテク/SOP,QFP-IC交換


UP dated 2004.2.13

●超小型 SOP,QFP-ICの交換

秋月のDDSを使った基板を調整中に、ミノムシクリップではさんでいた 0.1μFのコンデンサを基板上に落っことしてしまった。
運悪く、外部との接続用の裸コネクタのB+12V-pin とDDS data-pin の間に吸い込まれるように 0.1μFのリードは、落下した。 DDSは、その場でご昇天になった。
PICは、data送りだし端子(RA3)が内部短絡。常にLとなった。
DDSには、wellpine社製の 80pin 0.5mmピッチ QFP-IC TC170C030 が使用されている。
このICを入手できたので、手ハンダで交換した。
注意しながら、約2時間を要して、交換。電源をいれたら、生き返った。

交換に必要な道具は、

・荷札の細い針がね
・ハンダこて-普通のgoot 30W
・糸はんだ Φ1.0mm
・ハンダ吸い取り編み
・虫メガネ

黒いチップは、外したTC170C030。
 

●SOP,QFP-ICの取り外し

@ICの周辺にあり、簡単に外せる抵抗、コンデンサを外す。できれば、周囲10mmくらいは、じゃまものがないようにしたい。
 抵抗10kΩ、ICの4角にあるパスコン0.001μF、1.5μF・・これは邪魔になるので必ず外す。
A荷札の細い針がね(これは、ハンダと親和性のない丈夫な細いものがよい)をIC1列20ピンの下側に通しで貫通させる。
B次に、針がねの右端を、基板の穴、部品にしっかり固定する。
CハンダこてをICピンの左端から順番に加熱しながら、針がね左端を基板面を滑らせるように手前に引っ張っていく。
 すると、おもしろいようにピンが端から順番に剥がれていく。
D同様に、2列目のピン、3列目のピン、4列目のピンを剥がすと、ICは、ポロッととれる。

E次に、ハンダ吸い取り編みで基板ランド上の余分なハンダをしっかりと除去する。
ハンダが残って、盛り上がっていると新しいICを正規の位置に位置決めできない。

 

●新しいICの取り付け

@ICの4辺の 20ピンx4列 全てがランド上に正確に乗るよう位置決めをする。
 これは、絶対に妥協せず、時間をかけて、正確に位置決めする。誤差は、0.05mm以内。これは、虫メガネでみれば、判る。
A次に、ICに触らないように注意深く、1箇所のピンをハンダ付けする。このとき、こてやハンダが、ICピンに触れると、動いてしまうので、そうなったら、そのハンダを編みできれいに吸い取り、@からやり直す。

B1箇所のピンをハンダ付けできたら、虫メガネで位置決めを再度確認。
C反対側の180°ずれた個所のピンを1箇所ハンダ付け。

D @〜Cの作業に約1時間。ここまでくれば、8割方作業は終わった感じになる。

E仮付けをしていないピン列を端から、順番にリズミカルに連続作業で、20ピン全てハンダ付けしていく。ハンダは、ICより遠い側からピンの先端にハンダの表面張力で吸い込まれていくような感じで行う。
--ちょっと慣れた技術が必要。--  このとき、隣のピンどうしブリッジしてもお構いなしに進める。
F次にハンダ吸い取り編みで 余分なハンダをすべて吸い取る。これでブリッジしていたハンダは、すべてきれいにとれる。
G虫メガネでじっくりと観察。怪しい個所は、テスタでショート、断線のないことを確認。
 テスターリードの先は、クリップでマッチ針をはさみ、それを接触子とする。
H同様に、2列目のピン、3列目のピン、4列目のピンをハンダ付けする。
I結果としては、80ピン全て正常で、修正したのは、皆無であった。

●IC交換したDDSの作動確認

動作の保証されているPICより、data、stb、clock、に信号を与え、動作を確認する。
例えば、◇ダウンロード SG.asm & SG.hex,,,SGvm.asm & SGvm.hex 自己解凍.EXEのSG.hexを使えば、デフォルトで14.1MHzの発振を受信機で確認できる。配線のピン配置は、別の記事 「標準信号発生器SG 1kHz-250MHz」を参照

なお、このときPICに電源を加える前に、DDS電源はONしていなければならない。(同時はOK)

この交換チップは、約4000円。購入するときに、店の人から「DDSキットで6400円。チップだけでも半分以上。ハンダ付けできますか?」とアドバイスを受けた。
そのとおりである。チップを買ってスリルを楽しむか、確実なDDSキットを買うかは、読者の判断です。

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