DDS144MHzトランシーバー



●DDS 144MHzトランシーバー

秋月のDDS(direct digital synthesizer)をローカル発振ユニットに使った144MHzオールモードトランシーバーです。

SSBジェネレータ(11.2735MHz)は熊本シティースタンダード。
AMは741のAF Ampによる3SK44のG1変調。

FMは4558のAF LPF AmpでVXO(Xtal 33.945MHz /3=11.273.5のVXO)を周波数変調しています。FM受信はMC3357による復調です。


●ブロックダイアグラム




●DDS Lo_OSC部



左より秋月のDDS unit 、プリミックスLO 及び PIC制御基板(蛇の目)、アルミケース組込み、液晶表示状態 を示す。

・ IFは11.2735 MHz、Lower hetrodyne ローカル発振周波数は 128.7265〜138.7265MHzで、140〜150MHzを受信できるようにしてます。
・ エンコーダーのステップは、50Hz,10kHz,1kHz,1MHz。(FMモード時は、ステップ10kHz)

・ 10.695MHzXtalを5倍オーバトーン*2逓倍したものと DDSからの出力信号 10.85〜15.85MHzを1SS97*2本のダブラーで2逓倍したものを、ミックスして作り出しています。

10.695MHz Xtal*5倍オーバトーン *2逓倍 + DDS *2逓倍
=107.008.74 MHz(=10.695*5*2) + (10.85〜15.85MHz)*2 =128.7265〜138.7265MHz

・ ソフト処理で VFO_A と VFO_B の 2つのLo_OSCをもっており、たすき掛け運用ができます。

この回路図は、
◇回路図の表示をクリックして下さい。

・ 今回はプリミックスで所定周波数を合成しましたが、これから製作される方は、単純にDDS周波数を10倍するほうが簡単です。DDSユニットの最高出力周波数は、16.777215MHzですので、5逓倍*2逓倍で167.777MHzが得られます。
5逓倍した後、十分な通過減衰特性をもったBPFをとおして不要なスプリアスを除去後、2逓倍します。

左の図は、バターワース型BPFです。本機は18.7-34.7MHzの帯域、インピーダンスは400Ωで設計しました。
それぞれのコイル(10Kボビン)・コンデンサ単独で並列共振回路を作り、標準信号発振器とmV計の間に1pFを介して共振回路を直列接続し、コアをまわして25.5MHzでディップ点をとったあとは、そのまま結線して調整は終わりです。
帯域特性を改善するためには多段にします。

●DDS プログラムソース及び周辺回路


・ バッックライトつき16文字*2行の液晶LCDをマイコンチップPIC16F84で表示しています。同時にDDSの制御シリアル信号も送り出しています。

・ Q7,Q8のトランジスタは、電源電圧が安定している時のみプログラムを走らせるための、スロースタート、クイックシャットダウンの回路です。これがないと電源投入時に、マイコンがデータメモリ領域EEPROMをかってに書き換えて誤動作することがあります。

・ PICは、9ポートを出力に使ってしまいましたので、入力用は残りの4ポートしか使えません。IC3、74HC157で、入力ポートを8個に増やしています。IC3の1ピンのセレクト端子をHにするか、LにするかでそれぞれA,Bポートを切り替えています。PICのポートRA3は、LCDと74HC157の両方の制御に使って、ポート数削減を図っています。

・ テスト中に2回74HC157を破損しましたので、それぞれのYポートには、抵抗1KΩを入れています。電源投入時にPICのポートRB4−RB7が一瞬出力ポートになり、74HC157の出力ポート(1Y−4Y)と競合し、過電流が流れるためではないかと思います。経験では、PICは、逆境に強いので常にその相手が壊れます。Hi
・ PICに能動素子出力ポートを接続するときは、必ず1kΩをつけるようにしています。

・ 周波数表示=DDS周波数*N逓倍+IF中間周波(UL=0の時)--@
・ 周波数表示=DDS周波数*N逓倍−IF中間周波(UL=1の時)--A

の計算をさせています。中間周波は、USB周波(例えば11.272MHz)をベースにし、CW,FM,LSBモード時には、それぞれ0.8, 1.5, 3.0KHzを加算してます。

・ 普通に電源投入すると、まず16F84のデータメモリーEEPROMの04番地のNの値を読みにいきN=0であれば、プログラムコードのラベル"144trv"に書かれた
・ N=1, UL=0,
・ IF=118.2807MHz (107.0087+11.272MHz), (16進で70CD1FC&h),
・ MC=145.000MHz(VFO=13.358900MHz), (16進数でCBD734&h)
が、PICのレジスターに書き込まれます。

・ 2回目以降の電源投入時は、04番地が0以外の値なので、EEPROMに書き込まれているN=逓倍数、 UL=ヘテロダイン上・下の識別, , IF=中間周波数, VFOA, VFOBの周波数がレジスタメモリに読み込まれ、アクチベイトされます。
 ◇ダウンロード genLo.asm &プログラム説明書 自己解凍.EXE

秋月のPICプログラマーキットを購入してアセンブルします。プログラムソースにはキットに付属している計算サブルーチンを使用しています。
asmコードのアセンブルには、秋月のAKI-PICプログラマーCDに付属しているPa.exeが必要です。

●PICコントローラのカスタマイズ 化

・ このプログラムソースは、汎用性をもたせていますので、ソースを変えることなくあらゆるトランシーバの局発制御ができます。

・ 周波数表示(MC_kHzとする)=DDS周波数*N逓倍 +/- IF中間周波(UL=0の時)--@
の式の "N" , "UL"=「+/-」 , IF ,MC 初期値Main_Channelを初期設定できます。
・ 1KHzステップSWはoff、モードはUSBにしておき、1MHzステップの[押し釦]を押しながら電源投入すると、カスタマイズモードに入り、設定できます。

 詳細を知りたい方は、◇word文書自己解凍tr144man.EXEをダウンロードして下さい。

・ この汎用適用例には以下のようなものがあります。N=0、IF=0 に初期設定すると、単なる発振器になり、出力周波数が液晶に表示されます。(ステップは50Hzです)


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