6年前に、私は「うつ病」の試練を受け闘病に苦しみましたが、それらの経験の中から人と人との間にある「絆」をテーマに作詞活動を始め、この度、自ら作詞作曲した「聞こえますか、お母さん」が音楽プロデューサー福住哲弥氏に絶賛され、二作目のCDを発表することになりました。CDのタスキ(帯文)には、93歳で今なお現役でご活躍の聖路加国際病院理事長 日野原重明先生より、推薦のお言葉を賜りましたことに大きな喜びを感じております。
一作目の「きずな」は、たった一人のため(娘のため)に作り、歌ったものでしたが、「うつ」の経験を持つ一主婦が2年間の闘病の末に元気になり、音楽を愛する人達の輪の中で活動できるようになったということが、
同じ病に悩む女性へのエールとして受け止められたようです。
それから約1年、CD「きずな」を聴いて感想を寄せて下さった方達の声に励まされ、私は次の目標を見つけ、新たな制作に入りました。かつての私と同じ病気で苦しんでいる方や、その家族の方達のことを思い、少しでも安らぎになってくれればと、自分が病気で眠れなかった時のこと、不安に押しつぶされそうになった時のことを思い出して、作った歌が「励ましの時」です。そして、どんなに傷ついた心でも「母」のメモリーに包まれる時に、人は癒されるだろうという思いから、「聞こえますか、お母さん」を作りました。幼かった頃の優しい「母」は、やがて年老いて、子が母の介護をするようになる時もやってくるでしょう。そんな時に、この「励ましの時」を「子守唄」として母に歌うことができるような自分でありたいと願っています。耳が遠くなっているであろう母に、「聞こえますか、お母さん」と呼びかけ、今度は母のために自分が昔、歌ってもらった子守唄を歌うことができたら、という想いも今回制作の二曲には、込められているのです。
2005年7月1日