佐藤療法(BRP療法)
ーがんの免疫監視療法ー

佐藤療法(BRP療法)について
 佐藤療法(BRP療法)とがん闘病法についての考え方
 佐藤療法(BRP療法)の概略
 [参考書]「見えてきたガンの征服」なぜ、患者たちは救われたのか!
[肝臓癌:肺に転移していて余命3カ月といわれた、佐藤療法は?]
[胃癌:リンパ節転移があるので再発防止のために佐藤療法を受けたい]
[肝臓に転移のある膵臓癌に佐藤療法は?]

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[肝臓癌:肺に転移していて余命3カ月といわれた、佐藤療法は?]

(相談)1998.10.26
はじめまして。私の父の事ですが、4月に大阪中央病院にて、10センチ弱の肝臓癌が見つかり、5月に抗がん剤による治療をいたしましたが、もうその時点で、肺に移転していたそうです。肺ガンの進行が早く、7月には、あと3ヶ月の命と言われました。8月末より、淀川キリスト病院に通院しております(母がホスピスケアのある病院を望んだため)。7月より、水溶性キトサンを服用しており、そのせいか、10月に入って淀川キリスト病院で、説明を受けたところでは、年内はなんとかなるのでは、とのことでした。父は、設計事務所を経営しており、6月に退院してから現在も職場にきて働いています(私も同じ職場です)。現在抗がん治療はしておらず、胸水がたまらない様にステロイド剤と、痛み止めを頂いて、いるそうです。つきましては、大変ぶしつけなお願いなのですが、佐藤療法の具体的な受け方、等アドバイスを頂きたくメールを送らせていただきました。もしよろしければ、下記Faxにて資料を送って頂けませんでしょうか。よろしくお願い致します。最後に。このホームページを見た時にはとても励まされ、涙がでました。本当に感謝致します。

(答え)1998.10.26
お答えします。残念ながら父上の肝臓癌は、末期癌状態と思われます。5月の抗癌剤治療は、TAE(肝動脈塞栓術)だったと思いますが、効果がなかったようですね。肺に移転しているということ、肺の方の進行が早いということ、すでにステロイド剤と痛み止めを使っているということなどから、あと3ヶ月の命と言われます。淀川キリスト教病院に通院(ホスピスケアのある病院)を選ばれたことは、大変良いことです。民間療法については、何を選ばれても良いと思います。これがよいとか、これはだめとかということはできません。父上にとっては、退院後も職場で働いていることが、生きがい療法になっていて、良い効果が出ているように思います。

佐藤療法を受ける方法は、二つあります。直接、横浜のサトウクリニックへ行く方法と、近くの協力病院で受ける方法です。

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[胃癌:リンパ節転移があるので再発防止のために佐藤療法を受けたい]

(相談)広島県1998.9.9
数野 先生。はじめまして、広島県に住む者ですが、相談させていただきます。私(46歳男性)、今年1月、大学病院で胃癌の手術を受け、胃の2/3と43個のリンパ節を摘出しました。摘出した組織の検査は、深達度が粘膜下層線癌(s.m.)、分化度は低分化、転移はリンパ節に一つという結果でした。私の胃癌は、一応早期胃癌の分類に入り、5年生存率が90%という説明を受けました。現在、転移・再発防止のために、UFTという抗癌剤とピシバニールという免疫賦活剤(2週間に1回、注射液を飲む)を受けています。これは、副作用もほとんどないが、期待するほどの効果もないとの説明でした。これを約2年間続ける計画です。手術直後の説明では、リンパ節にも転移がないということでしたので、リンパ節の転移もそれほど時間が経ってない(癌が進展していない)ように思っておりますが、リンパ節への転移の有無が予後に大きく影響すると書いた本もあり、早期癌とはいえ何か引っかかるものを感じております。また、先生も他の回答に、年齢が若いほど、悪性度(低分化型)が悪いほど再発転移しやすいと書かれておられますが、私の場合はこれらに該当します。

現在、週に数回程度下痢をする以外は至って健康ですが、このようなことから、早期胃癌の中でも最悪の状態であり、5年生存率は90%以下ではないかと、不安に思っております。医学的にはいかがなものでしょうか? また、リンパ節の摘出数もやや多いように思いますが。癌が目に見える状態になると代替療法・健康食品の効果も奇跡に近いとされていますが、「目に見えない癌細胞」の段階ではかなり効くのではないかと素人ながら思っていますし、期待もしています。手術から半年以上経っていますので、今のうちにいろいろな療法を受けたいと思っています。現在、抗癌剤・免疫賦活剤とともに漢方なども服用していますが、是非佐藤療法を受けたいと思っております。再発・転移防止の場合、再発・転移しない限り、その効果を確認する方法がありませんが、どのくらいの期間佐藤療法を続けるのが適切でしょうか?お忙しいことと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

(答え)1998.9.9
お答えします。まず早期癌で見つかって、手術を受けることができた幸運を感謝しましょう。分化度が低分化型で、リンパ節に転移があったといっても、病期はI期ですので5年生存率はやはり90%ということになります。しかし、90%の命ということはないわけで、当事者にとっては100%か0%ということになります。あなたは最善の状態でスタートラインに立てたと思います。たしかに癌という病気は、いくら早期でも100%大丈夫ということはありません。不安や恐怖は自然な心の働きです。不安は不安としてあるがままに、無理に克服しようとせず、前向きに生きることを心掛けてください。不安は生きるために必要なものです。不安があるから、人は注意深く安全に生きようとすることができるのです。癌の治療では、こうすればこうなるという公式のようなものはありません。再発・転移しない限り、その効果を確認する方法もありません。佐藤療法についても同じことが言えます。佐藤先生は、とりあえず3回してみて、できれば間隔をおいて続けるということを言われていますが、自分で決めれば良いと思います。ではまたいつでもメイルください。

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[肝臓に転移のある膵臓癌に佐藤療法は?]

(相談)船橋市1998.6.15
千葉県船橋市に住むものです。父親が1週間前に、癌と診断され、癌についていろいろ調べていたところ、先生のぺ一ジを拝見させていただきました。ガンの内容は、膵臓ガンから肝臓への転移が認められると言うことで、このまま放置すると余命1〜3カ月と厳しい話を船橋市立医療センターの先生からされました。まだ67歳なので、進行が早いそうです。何とかならないものかと調べた中で、3日前に佐藤免疫療法の本を見つけ、故一英博士の免疫療法が良さそうだと考えました。数野先生は、佐藤療法のことをご存じのようなので、大変虫の良い話ですが今後どのようにしたらよいかアドバイスをしていただければと思いメールを送らさせていただきました。今、非常に悩むところは、現在の主治医の先生に対してどのように切り出せばよいのか、わからないのです。主治医の先生は、手術はもう無理なので抗ガン剤を局所注入して、経過を見ようとおっしゃっていますが、免疫療法をするなら免疫低下を招く抗ガン剤を使う前に、佐藤クリニックへ行った方が良いのかと考えてしまうからです。これにはどのように思われますか。

また、他に色々調べましたが、膵臓ガンに抗ガン剤はほとんど期待がもてないような印象を受けました。抗ガン剤は意味があまりないのでしょうか。さらに、父は最近までサルコイドージスに罹患しており、治療のためステロイド剤を4カ月ほど使用しています。ステロイド剤の使用は佐藤療法との間に何か問題を起こすでしょうか。

色々長々と書いてしまって申し訳ありません。最終的にはどうなるかわかりませんが、父にはできるだけのことをしてあげたいと思っています。お返事お待ちしております。

(答え)1998.6.15
お答えします。サルコイドージスに罹患していた67歳の父上が、一週間前に肝臓への転移が認められる膵臓癌と診断され、手術は無理なので抗癌剤の局所注入で治療してみようと言われたわけですね。

現在の父上の病状が分かりませんが、年末から正月頃が峠かと思います。あなたが調べられたとおり、抗癌剤による治療は効果がほとんど期待できません。抗癌剤の治療はむしろ命を縮める可能性があり、その場合のことを主治医が言ったのかも知れません。残された人生をどのように過ごすかは、ご本人に決めて頂くのが一番良いと思います。主治医のすすめる治療方法に納得すれば受けることにし、納得できなければはっきりとことわって、希望を話すべきです。きっと主治医も協力してくれると思います。効果が期待できず、QOLを低下させるだけの治療は受けないほうがよいでしょう。抗癌剤もステロイド剤も免疫力を低下させますが、サルコイドージスの治療のために必要であればステロイド剤はやめられないかも知れません。横浜のサトウクリニックに相談してみてください。佐藤療法(BRP療法)は、副作用がなく治療間隔も1か月以上と患者様への治療による体力的な負担もほとんどなく、3人に1人くらいの人に何らかの効果が期待できます。奇跡を祈ります。

追伸

現在、免疫療法としては丸山ワクチン、ハスミワクチン、佐藤療法が一般的です。
横浜サトウクリニックは予約診療制です。(電話045-641-9650)
ハスミワクチンについては、珠光会診療所(電話03-3338-0701)で聞いてください。
佐藤療法は、治療間隔が1か月以上開くために、繰り返し治療することが難しいかもしれませんので、ハスミワクチンや丸山ワクチンを併用する方法があります。ハスミワクチンは4日または5日に1回の治療(皮下注射)を繰り返しますので、治療を受けているという実感があります。丸山ワクチンも一日間隔での治療(皮下注射)で最も安価ですが、効果はほとんど期待できません。いずれにしても、主治医(かかりつけの先生)の協力がないと治療できません。いよいよとなった場合のことも考えて、主治医とよくよく相談されることが大切です。

(相談)1998.6.17
前略失礼いたします。ご返答いただきありがとうございました。昨日、検査入院中の父に会ってきました。現時点では食欲も旺盛で、ガンにかかっていることが信じられません。しかし、CTの映像にはしっかりと写っており、背中に痛みが少し出てきているそうです。

実は、まだ父にはガン告知がされていません。しかし、基本的には告知の方針を主治医も家族も取っており、一両日中に告知することになると思います。もちろん治療に希望を持てるように告知すると主治医は申しております。私ももしかしたら嘘になるのかも知れませんが、本人が直す気力を持つような告知を望んでいます。隠していると佐藤療法などの手を打つときにも、嘘の説明をしなければならなくなり、親子の信頼関係が損なわれることになりそうで、騙すのは嫌だと思いました。父に告知が済み、本人の気持ちの同様があると思いますがそれがある程度収まったら、今後の治療方法について父と話をし、父が希望するならば、佐藤療法や蓮見ワクチンを取り入れていこうと思います。

先生、また、質問があります。ご回答いただけると幸いです。

1.蓮見ワクチンに関する書籍はありますでしょうか。佐藤療法は佐藤一英先生が書いた本を手に入れています。

2.AHCCについてどう思われていますか。忌憚のないご意見をお願いします。アガリクスについてはホームページをみました。

インターネットがかなり普及している今、ガン患者を抱える人たちが藁へもすがる思いで検索をし、先生のホームページへたどり着いていることと思います。私もそうでした。E-mailという便利さにつけ込むようで、何のお礼もできず大変心苦しく思っています。先生のホームページの自己紹介の所をみました。もし、先生と私の E-mailが、先生のホームページで役立つのであれば、私の名前を消していただければ(他のガンに悩める人たちが私に直接問い合わせされてもなにもしてあげられませんので)掲載していただいて構いません。また、経過を含めてお便りします。

(答え)1998.6.18
お答えします。ハスミワクチンに関する「愛のがんワクチンーがんの免疫療法ーハスミワクチンの、今」(緑書房、2500円)という本がありますが、東京都杉並区阿佐谷北1-44-6の珠光会診療所へ行った患者さんが買ってきてくれました。診療所には沢山置いてあるそうですが、普通の本屋さんにもあると思います。

AHCC、アガリクス、プロポリス、キチンキトサン、サメの軟骨などを飲んでいる人が多いようですが、どれも同じだと思います。効くと信じて飲めば効くと思います。精神安定剤のようなものです。埼玉県の帯津三敬病院の帯津良一先生も言っておられますが、どのような治療方法を選ばれても結構ですがあれもこれもというようにならないようにしてください。色々やっても効きません。

告知の問題ですが、治療に希望を持てるように、本人が直す気力を持つような告知ができるようにするには、その場の雰囲気と医師の話し方が大切です。それも医師の技術と言えますが、家族の方はそれを援助してあげてください。しかし、患者さんが期待し過ぎて、入院したまま貴重な時間を過ごしてしまうことのないようにしたいものです。残された時間は、半年あるかないかでしょうから。できれば楽しい思い出を作ってあげてください。それから、メールの内容は名前を消してホームページに使わせていただきます。では失礼します。

(相談)1998.6.18
ご返事ありがとうございました。今、数野先生のお手紙にも書かれていた、帯津良一先生の「ガンを治す大辞典」で研究しています。研究と言っても医科系の者ではないので、大したことはありませんが、私も大学では海洋生物に対する重金属の生物濃縮過程を専攻していましたので、特に免疫系についてはある程度は理解できるような気がします。

父については、告知した後、父がどのような選択をするかによって今後僕たち兄弟は父のための行動を起こして行くつもりです。ただ、色々な選択肢があることを父には提示し、それを本人の意思で選択すれば、本人が希望を持って生きていけるのではないかと考えており、その為に様々な治療法を調べています。

現時点で僕たちは、船橋医療センター担当医の薦めによる抗ガン剤投与+AHCC服用をさせて、1回目の抗ガン剤が効かないことが判明した時点で佐藤免疫療法+AHCC服用に切り替えることを、親父に勧めようと思っています。私も帯津先生の言うとおり、いくつかに絞って行うつもりです。そうしないと経過観察も一貫性が無くなりそうですし、経済的に持続できないのでは本末転倒です。

告知については悩みました。親父はつい最近まで某Y新聞の新聞記者でした。未だに何でも調べたがる家族としては困った(笑)記者魂を持っており、それが告知をする決め手となっています。黙っていて自分で調べて症状がわかったとき、親父と医師、親父と家族の信頼関係は全くなくなるように思うからです。ただ、人それぞれ意見もあるでしょう。告知の時は最大の注意を払うつもりです。精神的に死なれては困りますので。ここ最近全く笑うこともなく、陰々滅々とした毎日でしたが、色々と調べていくうちに、僅かとはいえ希望が持ててきました。これも数野先生のご示唆のおかげです。本当にありがとうございます。また、経過を含めてお便りします。

(答え)1998.6.18
メールありがとうございました。帯津良一先生の『ガンを治す大辞典』姉妹編「私たちがガンを治した体験談集」(二見書房、950円)の前書きにある言葉が大変参考になると思います。

『「治癒の条件」を読み取ってください!

ひとつひとつの症例をじっくり読んで、治癒の条件を読み取ってください。かならず、なんらかのヒントにめぐり会うものです。どういう治療をしたかが関心の的になりがちですが、そうではなくて、その人が病気のなかで、どういう生き方をしたかに焦点をあてて読んでください。治療法そのものよりも、その人が各種療法にどうかかわっていったのかーというなかに、治癒のヒントがあるように思えるからです。』では、ご健闘をお祈りいたします。

(相談)1998.7.7
お世話になっています。父の件ですが、今、私たちは、佐藤免疫療法を受ける方向で動いています。現在、カテーテルでの抗ガン剤局所注入を6月24日に受け、経過観察のため退院して自宅に戻ってきています。薬については以前からの血圧降下剤とサルコイドージスのステロイド剤(プレドニン)を服用していますが、経口の抗ガン剤の服用はしておりません。また、モルヒネを8時間に1錠飲んで痛みを止めています。民間療法ではAHCCの服用と(10日前より1日3グラム)と、キチン・キトサンの服用を始めました。先週、横浜のサトウクリニックに弟(横浜在住)が電話をし、必要な書類を教えていただきましたので、昨日船橋市立医療センターの主治医にその書類(紹介状とレントゲン・CTフィルム)を用意していただきました。主治医は大変協力的で、ほっとしました。今週中に弟が、サトウクリニックに連絡を取り、書類を持って相談に伺う予定です。相談の結果、治療が可能であれば父に話をして、免疫療法を受けさせるつもりです(万一、今、話をしてサトウクリニックでだめだと言われたら落胆しますので)。佐藤療法を受けた場合、本を読んだ限りでは副作用等もほとんどないようですが、BRPの注射の後、何か注意することはありますでしょうか。また、主治医の話では、今週末か来週あたりに、CT撮影等で抗ガン剤の効果判断をするとおっしゃっていました。もし、抗ガン剤が効いているようであったら、その翌週あたりにもう一度カテーテルによる局所注入を考えてみようとおっしゃっています。この方針と佐藤療法の併用は出きるのでしょうか。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご教示いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

(答え)1998.7.8
お答えします。主治医が協力的でよかったですね。しかし、抗癌剤、ステロイドホルモン、モルヒネは免疫力を弱める作用をしますので、サトウクリニックでは治療を受けられないかもしれません。効果が期待できないからです。ただし、抗癌剤、ステロイドホルモン、モルヒネによる免疫力の低下というマイナス(副作用)を少しでも補うことはできるでしょう。マイナスが大きい場合には、BRP療法(佐藤療法)でも、それをプラスにすることは難しいことです。なお、BRP療法(佐藤療法)に副作用はほとんどありません。治療後も特別なことはなにもありません。主治医も抗癌剤の効果は期待していないとおもいます。効果がある治療法であれば自信をもってその治療をすすめるでしょう。残念ながら、誰にも決め手はありません。将来的に、癌を治すことができる可能性のある方法は、免疫療法か遺伝子治療だろうと言われています。ほかの治療方法は、それを助けるためにうまく併用すれば効果があるかもしれません。癌と言えども、治る場合は自分の身体が持っている治す力(自然治癒力)が治すのです。カゼと同じです。

現在の治療が癌だけに効果を発揮して、身体の免疫力を低下させなければ佐藤療法の併用はできるでしょう。とにかく、横浜サトウクリニックに相談してみてください。そのとき、このメールを持参してください。また結果をお知らせください。

(経過報告)1998.7.10
ご返事いただき、ありがとうございました。サトウクリニックへは、7月14日火曜日午後3時30分に、家族相談という形で、私と弟が主治医の紹介状とCT写真および胸部レントゲン写真、薬の処方箋をもって行くこと

になりました。少しでもQOLをあげることが出きるのならば、免疫療法を受けさせたいと思っています。昨日、主治医と話をしてきましたが、主治医の現在の治療方針は、7月21日より再入院し、抗ガン剤をカテーテルで再度入れる手法を取りたいとのことです。ただし、父の肝臓付近の血管系の配置が、先天的に普通の人とちょっと違うようで、リザーバーを使うことができないので、持続性のない処置になるようです。これは前回も同じでした。使用する抗ガン剤は、ADM、MMC、5-FUの混合剤です。主治医は、免疫療法についてもある程度理解を示してくれており、火曜日にサトウクリニックで聞いてきた話も、今後の父の治療の参考にしたいので聞かせて欲しいと言っていました。現在、月曜・木曜に外来で診察に行っていますので、16日木曜日に話をしようと思っています。現時点で私たちは主治医に対して何ら不信感を持っていません。

父は最近食欲が落ちてきており、また少しの物音に過敏に反応したり、風が体に当たると吐き気をもよおしたりしています。主治医は全身状況が少しづつ悪化しているせいもあるが、痛み止めに処方している薬の副作用で、胃腸の動きが鈍くなり食欲が落ちたり吐き気をもよおしていたり、神経過敏になっている所もあると言っており、胃腸を動かす薬と、向精神薬を追加処方してくれました。サトウクリニックへは、先生からいただいたメールも持って行きます。本当にありがとうございました。また、経過をご連絡させていただきます。

(答え)1998.7.11
メール読みました。これから緩和ケアを、それからターミナルケアを必要とする時期になります。少しでもQOLをあげることができる(痛みを取る?)のならば、抗癌剤治療も意味があるのかも知れません。リザーバーを使う治療も同様です。家族の方にしてみれば諦めきれないと思いますが、残念ながら膵臓癌に対する抗癌剤治療による奇跡は、免疫療法による奇跡よりも少ないでしょう。希望を失わないように精神的援助をしてあげてください。「希望」というのは、「治る」ことだけでなく、治らないとわかったときには、新たな希望を見つけてあげなければなりません。行きたいところ、したいこと、見たいもの、食べたいもの、会いたい人、ある時期には「痛みを取って欲しい」とか、他にも吐き気や腹満感などの苦痛を取るという希望もかなえてくれる医療が必要です。苦痛は肉体的なものだけではありません。精神的、社会的、宗教的(心の)な苦痛もあるでしょう。最後まで希望を失わないことです。互いに「ありがとう」といえる最後であればよいと思います。残念ながら、残された時間は少ないようです。奇跡を祈ります。

(経過)1998.7.20
お世話になっております。色々とご配慮いただき感謝しております。先週サトウクリニックへ弟が行き、後藤先生とお会いしました。BRP療法を行う予定です。本来は横浜のサトウクリニックまで連れていって治療を行うのが良いのでしょうが、現在の父の状況を考えて、サトウクリニックへBRPを受け取りに行き、現在入院している病院(船橋市立医療センター)で、注射してもらうこととしました。サトウクリニックと主治医の間で話もできており、明日主治医が承諾書?をサトウクリニックとやりとりし、その後最も早い段階でサトウクリニックへBRPを受け取りに行く予定です。父のQOLが少しでも上がってくれれば、また、奇跡が起きてくれればと思っています。

その一方で、先生のおっしゃられるとおり、ターミナルケアを考えなければならない時期になっていることも認めざるを得ません。父は自分の病気を治したいという希望をまだ失っていないようです。ホスピスも考えたのですが、最後通告になるような気がしています。ターミナルケアについて考えるにあたり、相談をできるような所や参考になる書籍をご存じでしょうか。お知恵を拝借できればと思っております。父の状況ですが、本来7月21日より入院する予定でしたが、吐き気が強く食事がほとんどとれないため、7月16日より入院し、点滴で体力の維持をとっています。吐き気はプリンペランを点滴時に静注していますが、まだ一日数回もよおしています。どうも飲み薬に抵抗感があるようで、薬を目にすると吐き気がするようです。その為主治医はなるべく薬を点滴の中に入れ、飲む量を極力減らすようにしてくれています。また、痛み止めによるのでしょうか、なかなか眠気がとれないようです。痛みは、痛み止めが効いているようで、全く訴えていません。今後の治療は、BRP療法を優先する予定です。またメンタルケアについても主治医と相談してみようと考えています。父が平穏に過ごせるよう、主治医と良く話し合って行こうと思っています。また、ご連絡させていただきます。

(答え)1998.7.20
お答えします。ちょうど参考になる本が出ました。雑誌「ターミナルケア」6月号別冊「ホスピス・緩和ケア白書」三輪書房(3150円)です。本の後半に施設や会の紹介があります。参考にしてください。

(経過)1998.8.25
父の件では、色々とご相談に乗っていただき、誠にありがとうございました。父は、8月17日深夜、母に看取られ、冥界へ旅立ちました。モルヒネに依るところが多いとは思いますが、ほとんど苦しむこともなく、心拍が乱れて数分もしないうちに逝ったそうです。残念ながら私は、直前まで居たのですが、妹を連れてくるため自宅へ戻った所で、数分の差で臨終に間に合いませんでした。佐藤療法を実施した後、数日後から食欲が戻り、少しずつ食べるようになりました。また、吐き気もなく、傾眠がちではありますが、一時的にQOLが良くなったような感じで、車椅子ながら病室から外へ連れ出すこともできました。このころから私たちは主治医の勧めのもと、病院(個室)に泊まるようにしだし、父と色々話すことが出来ました。この様な日が一週間ほど続きましたが、その後140台で推移していた血圧が急激に90前後に低下して、ベッドから動くことが出来なくなり、血圧低下のちょうど一週間後に亡くなりました。意識は最後まであったようで、母の呼びかけに、かすかにうなづきながら逝ったとのことです。2回目の佐藤療法の準備をしていたのですが、間に合いませんでした。

数野先生から、ターミナルケアのご教示をいただき、早速書籍を購入し一読した後、主治医と相談を行いました。主治医は、一時間弱の時間を使って、自宅で看取ること・ホスピスへ行くこと・このままこの病院で終末を迎えること、の3点について、長所・短所や、方法、手配について相談に乗ってくれました。結果論になりますが、病院で終末を迎えたことは悪くなかったと思っています。最後の3週間は、私や弟、母もかわるがわる病院に泊まって、父と過ごすことが出来ましたし、その間の病院の看護も、満足のいくものでした。医師も看護婦も、私たちにまで気を使ってくれました。ただ、もう一月ぐらい時間があると思っていましたが・・・。この2ヶ月間、数野先生には本当に色々とお世話になりました。深謝いたします。本来ならば直接お伺いして、お礼を申し上げなければならないと思っております。年に数回、仕事の関係で西日本に行くことがありますので、いずれお伺いできればと考えております。当面は、母のグリーフケアをしながら、父の望むとおり、家族仲良く暮らして行こうと思います。ホームページ、今後も時々ウオッチさせていただきます。また何かありましたら厚かましくもご相談させていただこうと思っています。先生の今後のご健康とご活躍を祈念いたします。重ね重ねになりますが、本当にありがとうございました。

(答え)1998.8.26
メイル有難うございました。思いのほか早い訃報に驚きました。佐藤療法も少しは効果があったようですし、家族の方々も最後の日々を一緒に過ごされて、ご本人も安心して旅立たれたことでしょう。母上のグリーフケアと、父上の思い出を大切にして、一日一日を大切に生きて下さい。できれば、この経験を同じように悩む人たちのために役立ててあげてください。ではお元気で。

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