(OPTION-15)RFコンバーター[30-180MHz] V1 

Up-dated 2021.07.13/Rev2022.06.28

旧コンバーターキットは、手持ち部品の都合で10台ほどしか頒布できませんでしたが、今回、回路構成も新たに、旧タイプ以上の数量を頒布できる見込みです。

●(OPTION-15)RFコンバーター [30-180MHz] to [ジェネカバ受信機]

市販のHFリグには、ジェネカバ受信機能(0.5-30MHz)がありますが、自作をしていると30MHz以上の信号を聞きたい場合が多々あります。
 30MHz〜180MHzを 局発25, 50, 75, 100, 150MHzとダイオードDBMで ジェネカバ帯(0.5-30MHz)に変換するダウンコンバーターを製作しました。

 例えば、45.158MHz信号を受信したい場合は、局発25MHzを選び、ジェネカバ受信機は20.158MHzに合わせます。
このコンバータは、RF同調回路は一切なく、DBMで変換するだけなので、邪魔な映像周波数のイメージ信号等もそのまま変換されてしまいますが、30M-180MHz全域の信号に対して、ほぼ一定の-6dBcの損失で変換されるので、自作リグの高調波等のスプリアスのレベルも 定量的に目的信号と比較できます。

 また、HFリグにトランスバータ端子があり、-10dBm程度の信号の送信機能があれば(例;IC750)、例として、45.158MHzの信号を送出したい場合は、局発25MHzを選び、HFリグから、20.158MHz(-10dBm)を出力すれば、45.158(-16dBm)の信号を得ることができます。

下図のブロックダイアグラムのとおりですが、30-180MHzの任意の周波数で、送受信が可能です。送信機としてANTに接続するには、所定周波数帯のフィルター、免許が必要にはなりますが、。

余談ではありますが、DBM内部では、局発信号がひずみ、2倍、3倍高調波が発生しています。その高調波を使い、430MHz信号も受信できます。 局発150MHzx3倍高調波-19.9MHz受信で Sの減衰は大きいですが、430.1MHzを受信できます。

 (OPTION-15)RFコンバーター/30-180MHz キットをご入用の方は、頒布◇PICの頒布

(OP-15) 旧バージョン RFコンバーターへスキップ(本ページ後半)2022.06.27追加

●(OP-15) 新バージョン RFコンバーターOP15_ConV1

下左側写真は、RFコンバーター、PCBサイズ100mmx50mm基板で、基板付きのアナログSW(SN74LVC1G3157)で局発周波数を切り替えます。
 右側に系統図を示します。 プリスケーラTD7104(1/1, /2, /4, /8)を使い、入力信号100MHz,150MHzとの組み合わせで、25/50/75/100/150MHzを発生させています。
   なお、SBDダイオードを損傷させないために、DBM各ポートには、+20dBm以上の信号は入れないこと。




 これらを タカチYM150に組み込みました。 YM150では内部に余裕があるので、何かを追加して、使いやすい コンバータ?、測定器?にしたいですが、ちょっとアイデアを思いつきません。
ケース正面にスイッチ、コネクタ等を全てまとめているので、縦置きすれば、シャックのなかでも邪魔にならないと思います。
タクトSWを押せば、Lo周波数が、25MHz,50,75,100,150MHzを循環し、あるバンドで30秒以上とどまれば、次回電源投入時にそのバンド(Lo)で起動します。   





DBMを経由しないで、ANT信号を スルーできるように、SPDT(K16-4キット、SN74LVC13157)で DBMをスルーする回路、左図も追加してあります。 中点OFFトグルSWを上部切替で スルー。 下部切替でConverter(Lo起動+DBM) となります。



● 回路図Circuit

Q8 2SC1923アンプは、エミッタ接地回路でPCBまで作成済でしたが、動作不安定だったので、パターンカットをして、べース接地回路に変更しました。

 プリスケーラTD7104は、入力感度が高く、メーカ保証値は40mV以上ですが、実際には15mV以上で動作し、入力電圧に無関係に、内部のバッファ(リミッタ?)アンプにより、出力は、0.7Vp-pとなります。
 例えば、局発信号として 75MHzを出力させるときは、50MHz水晶発振出力を Q5 2SC1923で3逓倍し、T3〜T4の複同調で 純度の高い150MHz 40mV信号を TD7104に入力します。 TD7104は、分周比1/2にセットすると、その出力には、75MHzが主信号として現れるので、それをQ5、Q6 2SC1923で増幅し、+5dBm信号を得ています。 

プリスケーラ本来の使用方法から逸脱しますが、このような信号発信器として使っています。

 TD7104の入力信号、100MHz, 150MHzの切替、および最終出力段のバンド切替は、アナログSW(SN74LVC1G3157DBVR)を採用しました。 300MHzまで使えて、通過抵抗は低く(カタログ値6Ω、実測3Ω)、またアイソレーションもよく、使い勝手のよい アナログSWです。

回路


●製作の要点

1)10Kコイル
10Kボビンは、品質を考えて、今までは東光製にこだわってきたが、とうとう手持ちが払底してしまい、中華製を使うことになった。 左のものは、その中華製、AliExで購入した。周波数帯仕様は、Available frequency: 1MHz~100MHzとなっており、主要な寸法は、東光製と大差ない。

コア材は、FCZコイルと同じ巻き数を巻いて、インダクタンスを測定したところ、FCZ50相当であり、T14,T15(150MHz同調)にも問題なく使えた。

 東光製と大きく異なるのは、寸法精度、芯コアの回転トルクのばらつき、ケースをかぶせるときの、カチッと入る爽快感がぜんぜん違う。 ごそっという感じで入る。3mmストロークしても ケースがスッキリと抜けない。プラスドライバ先端で押し切らないと抜けない。 芯コアも力を入れすぎて回すと、パリッと割れてしまう。  



2)素子から作る ダイオードDBM
・既製品ではなく、SBD 1SS154、フェライトビーズ、でDBMを作った。回路、配置は左図のとおり。  

・性能は、従前のものと大差ない。


3)アナログSW SN74LVC1G3157の採用

・入力信号、100MHz/150MHzの切替、Lo出力(25M,50M,75M,100M,150M)の切替に、機械リレーではなく、アナログスイッチを採用した。  

・写真のものは、TD7104入力信号100MHz/150MHzの切替に使うために、DIP8基板に IC-SN74をとりつけたもの。

詳細は、◇(K16-4) アナログスイッチ SPDT SN74LVC1G3157 を参照ください。
汎用の高周波切り替え用として重宝すると思います。


●局発スプリアスの測定結果(20dBATT挿入)

左画像は、局発25MHz.高調波レベルは、大きい。  右画像は、50MHz。第2高調波は、-45dBc。
横軸は、全て 2MHz〜202MHz。縦軸は、20dBATTを挿入している。25MHzのみ、高調波レベルが高いが、それ以外のバンドは、前回の初期キットよりもスプリアスレベルは低い。


左画像は、局発75MHz。2倍高調波も低い。  右画像は、100MHz。第2高調波は、-40dBc.


左画像は、局発150MHz。  

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ここから下は、以前の 旧バージョン コンバーターの記事を転記したものです。

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●(OP-15) 旧バージョン RFコンバーター

下左側写真は、RFコンバーター、PCBサイズ100mmx72mm基板で、基板付きのロータリーSW(2回路6接点)で局発周波数を切り替えます。
 右側に系統図を示します。 75MHzについては、DBM/NE602を使い、50MHzと25MHzをミックスして75MHzを発生させています。
   なお、SBDダイオードを損傷させないために、DBM各ポートには、+20dBm以上の信号は入れないこと。




● 回路図Circuit

回路


●製作の要点

1)10Kコイルの手巻き
・T9(25MHz)は、既存巻き線再利用で巻き直す。その他5個の10Kコイルは、UEWφ0.2で巻直す。

LTのコア材は、高い周波数には適さないので、ツボコアは外して、T7,T8(100MHz同調)とT18(150MHz)に使う。
 もしFCZ/07S-80Mがあれば、T7,T8にそのまま使用できる。 同様に FCZ/07S144M or 10S144Mがあれば、T18に使用できる。FCZのほうが性能はよい。(PCBパターンは、7k,10kコイル両方に対応している) 

T13,14,15(75MHz同調)は、既存巻き線で一部巻き数を減じる。


2)NE602でのミックス75MHz
・左図は、回路図より 75MHzを発生させる回路を抜粋している。
Q9 NE602は、3rdOT水晶25MHzを発振。その25MHz信号を Q4 2SC1815の入力し、そこで2逓倍し、50MHz信号をHPFを通して、NE602 Pin1に入力する。 するとNE602は、OSC25MHzとの混合で、出力ピン4,5に 75MHzが現れる。

この回路を効率よく動作させるためには。
・NE602 Pin1の入力は、-30dBm位が適当で、それ以上に強くしても、Pin4からの出力は、増えない。原発振の25MHz成分は、できるだけ小さくして、純粋な50MHz信号だけにするのが、キーポイントとなる。  

・Q4 2SC1815は、電流がわずか流れ出すバイアスにして、C級動作で、できるだけ歪が多くなるようにして、2逓倍の出力を増やす。そして、T10は、Q高く50MHzに同調させて、その出力には、HPFを挿入し、25MHz信号を減衰させている。
・75MHz出力が十分大きければ、C12は、2pFではなく、1pFのほうが、75mHz信号は純度が上がる。


3)素子から作る ダイオードDBM
・既製品ではなく、SBD 1SS154、アミドンコアFB43-2401、でDBMを作った。回路、配置は左図のとおり。  

・性能を既製品のADE-1と比較したがポート間アイソレーション、変換損失、共に遜色なかった。変換損失は、自作DBMのほうが良かった。  

SBD 1SS154は、最近では入手難な数少ない 高周波高速SBDで、DBMに最適だと思う。 現時点では、秋月電子で販売されている。


●局発スプリアスの測定結果

左画像は、局発25MHz.高調波は、-45dBc。  右画像は、50MHz。第2高調波は、-45dBc.


左画像は、局発75MHz。2倍高調波強い。  右画像は、100MHz。第2高調波は、-30dBc.


左画像は、局発150MHz。  


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