(K17)9833SG=AD9833 Signal Generator & SCAN計 

UP dated 2023.06.10

●PIC16F883 AD9833SG シグナルジェネレータ & SCAN計 0-40MHz, 20M-180MHz

(K9)AD9850SGで採用した、中華製のAD9850モジュールが安価に入手できなくなったので、今回は、AD9833を使用したシグナルジェネレータ(Signal Generator)を製作しました。 ケースは、タカチYM150(W150×H40×D100mm)に組み立てました

 

上左;ケースフロントパネル。少しごちゃごちゃしてますが、・・。またケース保護フィルムをはがしていないので、ちょっときたない。
上右; 周波数表示LCD、エンコーダ、出力VR、タクトSWは、上面カバーふた部に。(VHFモードで60.000kHz発振+4.4dBm)

下左;内部配置。左側面に 30mm程度の隙間ができたので、そこに(K18)Si5351A VFO を押し込んだ。ケース内法=98mmなので、Si5351基板は、元寸法100mm幅を 3mmカットして、97mm幅とした。
下右;Si5351VFOの周波数表示LCDは、側面となった(Band7で10.500.2kHz発振)。

以上により、本機は、(K17)AD9833SG +(K18)Si5351VFO の2信号が出せる測定・調整ツールとなった。

 


 (K9)と同様にScan Modeで (OP-16)LCD低速オシロ と組み合わせると、FRMSのように、フィルターの通過特性を画像として観察できます。 また、PLL逓倍器ICS570Bを組込み、20-180MHz信号も発振できるようにしました。 DDS信号(3-30MHz)をクロック信号源にして ICS570Bで6逓倍します。  

 ICS570Bは、ICS512と同様な逓倍器ですが、その出力信号は、ジッターを含みますので、SSBを受信する局発VFOとして使うと、検波音質はかなり了解度の悪いものになりますが、・・・とバラック状態でラフに確認したところでは・・・でありましたが、ケースに入れて、改めて信号ビート音を聞くと、澄んだ音で、SSB受信用局発としても十分に使用できました。

出力周波数範囲は、
・DDS;1kHz〜40MHz (+10dBm/20MHzにて。それより高い周波数では出力が下がる) 
・ICS570B 6逓倍;20〜180MHz (+9dBm〜-3dBm) 
 
・このAD9833 SG & SCAN計 PIC16F883プログラム済みのものをご入用の方は、以下ページをご覧ください。
◇PICの頒布 (K17)

 

上左;Step=20kHz、出力周波数=21.309kHz 出力+10.0dBm/50Ω。右側の-68.9dBmは、外部入力(この写真ではOpen)の信号強度
右側は、LCD および VR用パネル基板を外した状態。ケースはタカチMB14-6-14(14cmx6cmx14cm)あたりだとゆったりと組み込めるかな?。

 

上左;スタート周波数=12.795kHz。step10Hz(スパン10kHz)で 12.8MHz水晶5段ラダーフィルターの通過特性を測定している。 左側のグラフィックLCDは、(OP-16)低速オッシロ。
右;測定中(DUT)の 12.8MHzラダーフィルター。このSGは、特にケースに格納せずに、このようなバラックで測定器として使える。


 

上左;10kコイルx2段 ;容量大きめのカップリングコンデンサで結合したブロードな 95MHzBPFを 70MHz〜スパン50MHzで測定中。 中心95MHzから15MHz離調で -20dBの減衰性能。
右;144MHz 2SC1971リニアアンプ4W(ミズホPL-2と類似のもの)の通過特性を 横軸スパン120MHz〜170MHzで測定。 出力段に T型アンテナ・カップラーがついているが、LPFの特性であることがわかる。



SGとしての出力電力

・横軸;1kHz〜50MHz(50MHz/Span)。0.1sec/Div。フルスパンで1.0sec掃引

・縦軸+20dBm〜-40dBm(10dB/Div)

・0〜26MHz(+10dBm)〜40MHz(+4dBm)。AD9833を、100MHzクロック駆動なので、Max.40MHzが限界です。
20〜180MHzまでは、ICS570Bで+9dBm(20MHz)〜-3dBm(200MHz)で出力される。


●回路

DDS AD9833の出力(≒0.1Vrms)を J310バッファアンプで軽く増幅後、高速OPアンプLHM6702で増幅し、+10dBm〜+0dBm出力。LMH6702入り口の500ΩVRにより、約-30dBの出力調整。およびLMH6702の出力側に固定ATT (基板外に-10dB ;-20dB; -20dB) を挿入しており、-75dBm(RXの S9程度の強度の信号)まで絞れる。
上段に全体系統、その下に 主要部回路図、を示します。

下図全体系統

出力表示用にAD8307を2個使い、一つ目は、OPアンプLHM6702出口の出力を監視する。二つ目のAD8307は、被測定物(DUT)の2次側の出力表示用としている。
AD8307の出力電圧変化は、0.25V/10dBであるが、これらの電圧をLCDに dBm表示するプログラムがPIC16F883に組み込まれている。
またオプションとして、同出力dBmを 見やすい3桁LEDに表示する場合は、◇(K2)デジタル3Digits AD8307 dBm計=プログラム呼称mV07Wを使う。


・その後ろに、0〜-50dBの固定ATTがあるので、最小-75dBmまで出力を絞れる。

・通常のシグナルジェネレータ(Signal Generetor)として、10kHz〜40MHzまで信号出力。 ICS570B 6逓倍モードでは、20MHz〜180MHz信号発生器として使える。

・その他、外部にオシロスコープを接続し、本機を SCANモード(SW1)にすると、その時のStep値の1000倍の帯域を1秒間かけて掃引する。
・自作クリスタルフィルター等の特性を目で見ることができる。

下図回路;;DDS信号発生部

DDS発振およびその制御部(PIC16F883)の回路です。
・ロータリーエンコーダは、クリック付を使う。
・RB2-タクトSWは、Stepを変える。押すたびに、1、10、100Hz、1、10、20、50、100、400kHzが循環する。
・RB0-タクトSWは、そのときの周波数をEEPROMにSAVEするSWで、電源を切っても、その周波数で起動する。

・RB1-タクトSWは、SCAN SWでこれを押すと、まず。Trigger pulse(RC5-Pin)を送り出し、そして表示Stepの1000倍、即ちStep=10kHzのときは、10MHzを1secかけて掃引する。外部にオッシロスコープを接続すると、上で紹介したような画像が観察できる。SCANモード循環中に 再度SCAN押しボタンを押すと、通常のSGモードに戻る。

・AD9833の標準マスタクロックは、25MHzであるが、AD9834と同様に、110MHzまでは問題なく動作する。
 クロックがオーバドライブのせいか、出力値(仕様カタログ値0.6Vp-p)は、0.1Vrms程度まで低下し、また100MHzからの折り返しスプリアス強度は高めであるようです。

製作留意点

●チップ部品 AD9833 (MSOP10)の半田付けの良否判断;

上記写真の左上が AD9833で 3mm角に10本のピンがある。 まず最初にこの部品を半田付けする。虫メガネで半田不良、ピン間ブリッジを十分に確認する。 念のために、周辺部品を取りつける前に、各ピンの接続状態をテスターで確認しておくほうが良い。

アナログテスター(1kΩ;50uA)と、DMMテスターで実測した 各ピンのGND間の抵抗値を参考に 右上に示す。 この値から大きくずれているようであれば、再度全ピン半田付け後、半田吸い取り線で半田除去をしたほうがよい。

・その他の LHM6702, AD8307 SOPチップも完全に半田付けされていることを確認する。 特にLHM6702は、ピンメッキが酸化気味で 半田の濡れ性が余りよくないので、十分に確認する。

●チップ部品 ATT -10dBチップの半田付けの良否判断;

本体基板の外側に追加設置する ATTであるが、今回は、秋月電子で販売されている 超高周波用RFアッテネーター 10dB(P-13251)を採用した。 
 チップ抵抗を組み合わせて製作する手間が省けてFBであるが、このチップは、1mm角であまりにも小さい。
半田付けして虫メガネで見ても、正常に半田付けされているのかどうか、まったく自信がない。 裸眼、手で半田付けできる範囲を超えている。 チップ部品取り付け後に、右上に示すように、各ピン間の抵抗値を測って、取り付けの健全性を確認した。


● プログラムソース

プログラムソースは、マウス右クリックで「対象をファイルに保存」を選んで、ダウンロード。
PIC16F883用プログラム
 ◇ダウンロード 9833SG.hex



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