KP6トランシーバの改善点、追加データ、Hint、アクセサリーetc. 

UP dated 2017.09.08。 Up2017.09.23。 Up2017.10.10。Up2018.03.21。Up2019.04.09。

●改善Hint1/GENERATOR基板 マイク出力電圧と マイクアンプ2SC1815の増幅率

マイクの生成電圧は、例えば、ECM(コンデンサマイク)の仕様書では、-35dB/Paというような表記がなされている。これは、1Paの音圧を与えたときに-35dBV(17.8mV)を出力するということであるが、実際に、マイクから5cm程度離れ、しゃべったときに、出力電圧は何mVとなるのであろうか??
別ページ(Genarator基板のページ)では、「ECMマイク出力を10mVとし、2SC1815のエミッタ抵抗を50Ωで、増幅率Av=7とする」としていたが、これでは、終段出力10Wのダミロード計のメーターの振れ幅が小さいように感じた。

ECMマイクの出力電圧を OPアンプで100倍にし、オッシロで波形観察したところ、破裂音では、25mVP-Pを超えることがあるが、通常音声では、10〜12mVP-Pであった。 とすると 実効波高値rmsは、その 1/(2√2)倍として、出力電圧は、4mVとなる。ダイナミックマイク波形も同様にオッシロ観察した。 そして結論として、

 ECMマイクの出力電圧= 4mV
 ダイナミックマイクの出力電圧= 1.5mV
というのを 今後の設計基準値とした。

以上の考察の結果、
 マイクアンプ2SC1815のエミッタ抵抗は、ECMのときは、50Ωではなく、オリジナル回路記載とおりの 10Ωとし、増幅率Av=23倍で SN16913Pへの入力電圧は、100mVとなるようにした。

ダイナミックマイクの場合は、エミッタ抵抗は、1ΩとしAv=66倍とする。
 Av=350Ω/(1Ω+26/6mA)=66

SN16913Pの出力が増えたので、 IF Amp J310は、増幅ゲインを抑える必要があり、その具体的変更(改善)箇所は、以下のとおり。



@ゲートの27kΩCは、取付位置を変えて、直接GNDに接続。

Aソースの0.1uFchipは外し、J2端子間は、NFB抵抗220Ωとする。 ゲイン不足を感じるならば、NFB抵抗150Ω程度(+2dB増)とする。

BRF Power制御用VR(必要な場合)は、100Ωと直列に接続する。通常は、パターンとおり、100ΩC接地でOK。

CJ310のゲインが下がり、CW時にPower不足となるので、SN16913Pアンバランス用抵抗 R12は、74kΩから17kΩに変更する。  



左図は、横軸がSN16913Pへのマイク入力電圧(dBV、780Hzシングルトーン)で、縦軸がGenerator基板XF出力(dBm)の実測値を示す。

緑色グラフは、J310のソース抵抗NFB 220Ωとした場合。 赤色はNFB110Ω。 紺色は、ソース抵抗をオリジナルとおりR=330Ω(パスコン0.1uF)とした場合である。

SN16913Pへのマイク入力電圧は、SN16913Pが飽和する直前の100mV(-20dBV)入力すると、R=330Ωでは、I/F端出力は、-2dBm。
 NFB 220Ω(緑)とすると、I/F端の出力は、-12dBm。 NFB 110Ω(赤)で、出力は-8dBm。



一方、Generator基板出力が接続される RFコンバータ基板のDBM/ADE-1は、IP3in=15dBmという仕様なので、入力が、-5dBmを超えると、IMD3(3次混変調歪)は、-40dBcよりも悪化してくる。-40dBc以上を確保するためには、いくら大声をだしても、入力>-5dBm とならないように、J310ソース抵抗は、330Ω(パスコン0.1uF)から NFB220Ωに変更するほうが良い。。 

言い換えると、SN16913Pへのマイク入力電圧は、音が不自然に歪まない範囲で、SN16913Pの飽和域までできるだけ大きくし、どのような大きな声を出しても、SN16913Pの飽和により、Genarator基板出力は、-5dBmを超えないように制限する、という考え方である。
 SN16913Pの飽和歪により、キャリア周波数12MHz隣接の帯域外領域のIMD3は、当然増えるが、これは、後段のXFによりカットされるので、不要輻射にはならない。反面、その後段のDBM/ADE-1で発生する帯域外領域のIMD3は、フィルターでカットできないので、入力を-5dBmを超えないように制限することで抑える、という考え方である。

左図は、カタログデータより推定したADE-1の入力(横軸dBm) vs. 出力(縦軸dBm)特性である。

紺色グラフは、入出力特性(変換損失-5dB )で、入力 +4dB以上で正規信号出力は飽和し始める。

赤色グラフは、3次混変調歪(IM3)の入出力特性である。 IP3in=+15dBmと規定されているので、入力+15dBmで、スプラッタと 正規信号が理論的に同レベルとなり、スプラッタをまき散らすことになる。

スプラッタを -40dBcに抑制するためには、いかに大きなマイク入力があった場合でも ADE-1への入力は、-5dBmを超えないように制限することが肝要で、上述の考え方となる。



●マイク外部アンプ 3題

QSOで了解度をあげるためには、平均電力は、できるだけ大きいほうが良い。 マイク出力を 平均値として、できるだけ大きくなるようなコンプレッサーアンプを試作した。3種類、3題。

左側;外部NJM2732マイクアンプ(リミッタアンプand VOX)とPC用ハンズフリー・ヘッドセット

右側;同アンプ基板部拡大(プラケース組込) 

と専用IC TA2011Sアンプand NJM2072D VOX 裸基板

 



マイクアンプ 第1題。
低電圧(1.8V〜絶対最大7V)、低雑音、入出力フルスイングが可能なNJM2732を使用した リミッティングアンプand VOXアンプ。

このアンプは、送信時のみ PTT SWをONにして、B電源電池が動作する。
   タカチ/プラケースSW75に小型に組込んだため電池は、単4x2本、3Vであるが、300時間程度の送信運用が可能なので、1〜2年は、持つでしょう。

ダイナミックマイク(出力1.5mV)、ECM(出力4mV)の両方に対応し、OPアンプ端出力は、約280mVpp。 KP6リグ側の マイクアンプQ8_2SC1815のエミッタ抵抗を 320Ωとし、増幅率は、1.1倍に下げて使用する。

2000円程度で入手できる PC用ヘッドセットを使用する場合は、PTT_SWは常時ONとして、VOXを生かし、ハンズフリー操作が可能。




上記の「マイクアンプ and VOX」の動作原理を 下図回路で説明します。同じ回路をわかりやすく書き直したものです。
 左側 -a側OPアンプが、反転マイクアンプを構成し、入力側抵抗値6kと フィードバック抵抗値470kの比率で増幅されるので、DynamicMic側で VR=5kΩに設定したときは、増幅率Av=470k/6k=78倍となる。(1N4148を無視して)
 Mic入力=0mVのときは、Pin2電圧=Pin1電圧となり(実際は入力ポートバイアス電流の影響でこうはならないが、、)、1N4148に電流は流れないので、1N4148は無視でき、フィードバック抵抗値470kΩには影響しない。 
 Mic入力が増えたときは、増えた比率で Pin2電圧≠Pin1電圧となり、1N4148に電流が流れ、1N4148の見掛け抵抗値が下がるので、増幅率Avが下がり、リミッティングアンプとなる。

  右側 -b側アンプは、VOXアンプでAv=22倍なので、マイク信号は、飽和域までフルスイングに増幅され、出口の1N4148検波部で 2SC1815を ON/OFFする電圧を生成する。100kΩVRは、送信OnからOffに切り替わる時定数を調整する。
C1815コレクタの10kΩを ON/Offし、 KP6トランシーバ側の Q7_2SA1015回路により、送受信を切替える。

NJM2732 Pin1の出力信号用 コンデンサ1uFは、無極性セラミックコンデンサとする。 ここに有極性の電解コンや タンタルコンを使うと、ON/OFFの切替が誤動作を起こす。有極性コンデンサは、逆極性で電圧を掛けると、微電流が流れ、これによりQ7_2SA1015が誤動作する。手持ちに電解コンしかない場合は、2つの電解コンを相互に極性を逆にして直列接続して使用する。




マイクアンプ 第2題。
汎用 OPアンプ、LM358を使用した リミッティングアンプand VOX。

上記の NJM2732アンプとの相違点は、朱記した部品の定数を変えただけ。
-a側の出力Pin1 に4.7kΩを接続し、アイドル電流を確保する。 また、入出力フルスイングICではないので、電源電圧は、6V以上必要となる。

LM358は、省電流化のために、出力段の PNP-NPNトランジスタが C級動作で設計されており、二つのトランジスタが切り替わるときに、クロスオーバー歪を生じる。
そのために、Pin1の4.7kΩがないと、音質がバサつき、まったく使い物にならない。4.7kΩのアイドル電流により、一応使用可能な状態にはなるが、上記NJM2732と比較すると やはり音質の低下は免れない。AF増幅の用途には、LM358ではなく、AF用に設計された NE5532P等を使うべきであろう。




マイクアンプ 第3題
専用IC, TA2011S、VOX IC NJM2072Dを使用した「ALCアンプ and VOX」。
TA2011Sは、内部のALC回路で、入力-50dBVを超える信号については出力は0.6Vrmsに飽和するマイクアンプとなっている。

ECMマイクは、そのまま接続できるが、DynamicMic(1.5mV)では、ゲイン不足だったので、2SC1815によるAv=3倍アンプ経由で TA2011Sへ入力する。
KP6リグへの入力は、100mVとしたいので、10k半固VRで 1/6分出力とする。

VOX IC NJM2072Dは、入力15mV以上で ON/OFF動作ができるので、TA2011S出力(0.16Vrms以上)を 抵抗分割 4.7k/47kΩで15mVとなるようにして NJM2072Dへ入力した。

OUT1(OFF→ON), OUT2(ON→OFF)は、オープンコレクタ端子なので これで10kΩ抵抗を ON/OFFして送受信を切り替えている。


マイクアンプ ゲイン

マイクアンプ 1題(NJM2732)と 3題(TA2011S)の増幅特性を測定してみた。

NJM2732リミッティングアンプ
・赤色グラフが、ダイナミックマイク用設定(1.5mV入力)リミッターアンプ。
・緑色グラフがECM用設定(4mV入力)。
・紺色が、ECM設定(4mV入力)での TA2011Sアンプ。

TA2011Sのカタログデータでは、
入力-60dBV(1mV)で 出力0.6Vrmsに飽和するようになっているが、実測では、入力-52dBV(2.5mV)で 0.6Vrmsになった。Pin3直接入力と、2.4kΩ経由の差を勘案しても、カタログデータと実測値の誤差がちょっと多い。使用には差し支えないが、、。


●改善Hint2 GENERATOR基板 Local発振強度

キャリア局発はIF回路に漏れ込むと、受信時の障害になるので、必要最小限の発振強度としているが、BFO_A(11.996.2k)は、ときどき発振不安定となることがあったので、若干の改造を行った。

@;BFO_A,_B共通のエミッタ抵抗を、1.2kΩ(Chip)から、1.0kΩ(1.2k+6.8k並列)として発振強度を20%程度強くした。
1kΩchip抵抗があれば、それ1本でよいので、並列半田は不要。

以上 @で十分だと思うが、それでも発振が弱い場合は、

イ)Q21のエミッタの帰還抵抗50Ω(100ΩChipx2)を 33Ω(100ΩChipx3)に変更する。

ロ)または、エミッタ抵抗を、1.2kΩ(Chip)から、0.6kΩ(1.2kChipx2並列)とすると、発振強度は2倍程度になる。同時にR27/100Ωを 470Ωへ変更し、SN16913Pへの注入電圧は、105mVrms程度に調整する。



●10W機用電源13.5Vx6A 古いディスクリート電源を LM338T電源に交換

KP6トランシーバ用に使用している13.5Vx6A電源は、30年ほど前にディスクリート部品で製作したもので、リップル(ハム音)が気になったので、レギュレータ部分を最近のIC LM338Tと交換した。  このICは、周辺部品はわずかで、1.2V〜数百Vまで電圧レギュレートが可能で、リップルは少なく、8A(保証5A)まで電流が取れる。しかも安い。早速使ってみた。外装パッケージは、LM317や7805と同じ小型のTO220型で、果たしてこれで6Aは可能なのか??と疑問(実際だめでした)を持ちつつ、古いディスクリート部品のレギュレータを解体し、整流器直下に接続してみた(放熱器は当然必要)。

 KP6を接続し、受信時(1A)はOK。CW送信としKey down(4A)すると、LM338Tは手で触れないほど熱くなり、2〜3秒で電流制限がかかり、パワーダウンし1Aに下がってしまった。
ここで LM338Tのデータシートを見直すと、ICを保護するためにいろいろな制限があるみたい。Vin-Vout≦10V、Tj<125℃、これを守るために PT(許容全電力損失)<25W ・・という制限。

まず第1に、出力13.5Vの割には、高い電圧(21V)のトランスタップ。整流器直後の電圧は、無負荷時27Vで、Vin-Vout差電圧は10Vを大きく超えている。第2に、PT<25Wとするために、6A流すときには、Vin-Vout差電圧は、4V以内に抑えないとだめ。

そして 左図のような、2SD1026余剰電力消費回路を追加し、LM338Tの素晴らしいレギュレート性能を発揮させる電源ができあがった。

2SD1026は、大きなTO247パッケージで、放熱器に取り付けると、40W程度の消費電力は楽々と放熱し、その分LM338Tの温度上昇は6-70℃に抑えられた。一方、2SD1026は、ダーリントン接続で、最低差電圧1.5Vは必要なので、トランスタップ電圧はその分余裕があることを確認すること。

LM338Tは、可変電圧レギュレータで、出力電圧を自由に設定できるが、左図のようにR1/R2を固定すると、13.5V固定出力となる

 2SD1026(取り外し品中古ですが)は、3個余剰手持ちがあるので、ご希望(無償)の方は、メールを。



●改善Hint3  無信号時の Sメ−ター指針の空振れ(カラブレ)の改善/2017.10.10

KP6用アナログ100uA電流計式のSメータを ◇Genrator基板のページへ追加Upした。

Sメータのデータをとる際に、受信時のIFアンプ2SK241x3段は、ゲインが大きく、無信号時にプロダクト検波のキャリアを拾い、SメータがS7程度振れてしまう現象が気になった。  LSB(11.996.2kHz)のときは、指針はほとんど振れないが、USB(11.999.2kHz)のときは、S7程度振れてしまう。この差(原因)は、何なのだろうか?とあちこち調べた。

2SK241ゲートとXFを接続している 0.1uFChipを外すと、LSB,USBともに指針が空振れする。2SK241ゲートを接地すると、LSB,USBともに指針振れはゼロとなる。 その結果、以下の結論となった。

XFは、水晶がラダー接続されていて、またその水晶の固有の直列共振周波数は、ほぼLSB周波数(11.996.2kHz)に等しいので、LSBキャリア信号漏れに対しては、シャントクリスタルとして動作し、漏れ信号は接地される。
一方、USB(11.999.2kHz)に対しては、シャント効果はない。従ってメータは、空振れする。

USB(11.999.2kH)空振れ対策として、左図の朱記のような「X'tal12MHz+Cs12pF」のShunt Notchを入れ、受信時のみ作用するようにした。このノッチは、XFのShapeの右肩をカットすることになるので、余り深く入れると音質にも影響してくるので、試行錯誤で、適当な値Cs=12pFとした。
Cs=15pFにすると、USB(11.999.2kH)の漏れ信号は、ほぼゼロになるが、右肩がかなりカットされてしまう。Cs=10pFでは、右肩は、ほとんどカットされないが、漏れ信号Shunt効果も小さくなってしまう。

●改善Hint4  PLL VCO の改善/2018.3.21

KP6トランシーバーの局発としての PLL VCOの質は、そのまま送受信号の質に繋がる。4点の改造/改善を ◇PLL改善説明.PDF追加した。

要点は、以下のとおり。
1)VXO異常発振防止・・VXOコイルに、10kΩ程度の抵抗を並列接続する。

2)PLL LPFアンプの 2SC1815 B-E間のスレッショルド値(2SK246のソース抵抗値)の厳密調整・・・TC9256PのPD出力信号(Pin17)が微小単発パルスを発信したときに、それに合わせて2SC1815は、その微小時間 ON状態とならないとVCO制御電圧は、きれいに収束せずにPLL位相ノイズを発生する。

試作したPLL基板1台目は、2SK246のソース抵抗値=872Ω(1k+6.8k)で良かったが、試作3台目PLL基板は、ソース抵抗=872ΩでのVCOスペクトラムは、下左画像(19.040kHz)の通りで、-30dBcで無数の位相ノイズが観察され、実際の信号をジェネカバ受信機で聞くと、無数のビートが確認でき、とても使用に耐えなかった。
 同じ基板で 2SC1815 BE間スレッショルド値、2SK246のソース抵抗値=1470Ωに厳密調整した結果が、下右画像である。-50dBc近辺より、裾野がスプリアスで広がり始めるが、実信号をジェネカバ受信機IC-750Aで聞いても、ほとんど違和感はない。主信号を S9+20dBに合わせて、「S0-S1にビートの濁りを感じるかどうか」というレベルである。

 同じロットの 2SK246-Y, 2SC1815GRを使用しているが、2SK246のソース抵抗値のこの大きな相違は、予想外であった。
このソース抵抗値は、2SK246最小電流値(i.e. GateGND接地信号時)でも 2SC1815が 常に微ON状態となるような値にしなければならないが、600〜1470Ωの範囲でばらつくようである。




ここで 水晶発振信号(19,592kHz)と PLL VCO(19,597kHz)の鳴き合わせ画像を左に示す。

左側の水晶発振信号は、-80dBcまで濁りなく、スパッと切れているが、PLL VCO信号は、-50dBc以下で裾野がにぎやかになっている。 なお、-70〜-80dBcに散見される、ノイズひげは、ほとんどは、このFFT計器そのものから発生するもの(AD9850 DDS信号を局発に使っているのでDDSノイズか?)で、PLL VCOからのものではない。



3) NE602出力信号/TC9256P入力信号の増強・・・・オリジナル回路でのTC9256Pの入力信号レベルを実測したら、20-30mVrmsであった。PLLはロックしているが、閾値ぎりぎりであったので、信号レベルの増強を図った。
 

左側が、改善した回路図。 NE602の出力をPin4, P5の平衡出力から取り出し、かつインピーダンス・マッチングトランスとして、TC9256P入力信号レベルを 50mVrms程度に増強した。



右側は、マッチングトランス(7L/A535)を NE602の空いている背中スペースに設置した状態。外側シールドケースを、VXO同調コイル T3と 1点はんだ付けして固定している。



左側が、7L/A535マッチングトランス+ HPFの通過特性。
120MHzよりも右側にも山があるが、これは、入力プローブを TC9256Pから離しても、山が消えないので、測定上の迷走信号によるもの。実際のHPF特性は、120MHz以上、徐々に減衰していると思われる。


右側はVCOが19.04MHzでロックしているときの、TC9256Pの入力信号の0-200MHzのスペクトラム。
VCOの
2次高調波19.04Mx2+62.8MHz=100.88MHzが、主信号(81.84MHz)に対し、-17dBcであるが、特に誤カウントはないようだ。VCOの高調波は、元で可能な限り下げることが必要。


 KP6キットを過去に 購入いただいた方で、上記3)で使用するマッチングトランス(7L/A535)をご希望の方は、82円切手を貼ったSASEを当方にお送りいただければ、無料頒布します。

●改善Hint5  TX→RX時に 一瞬Sメ−ターが振り切れることの改善/2019.04.09

送信状態から受信に戻る際に、一瞬Sメータが振り切れる現象が発生した。

 原因をいろいろと調べた結果、Gen基板で送信電圧 TB+12をOFFにするときに、TB+12が完全に0Vになる前に、RX用のRB+が活性化されてしまい、Gen基板内で TX用J310と RX用2SK241が同時に ON状態となり、11.996kHzのキャリア信号で Sメータが振れてしまうことが原因と判明した。

対策は、左図のとおでり、RB+の電圧の発生に 遅延回路を組み込んだ。
100uF と22kΩでの時定数は、t=RC=22kx 100uF=2.2sec でRD4.3Vのかさ上げ電圧4.3V分低下するのに 約0.5secほどかかるので、それが、RB+活性化の遅延時間となる。

100uFは、もともと基板に遅延用途として 取付穴を設けているので、それを 使う。



●改善Hint6 送信時にRF Power Ampの異常発振の対策/2021.09.12

   ハイバンド(特に50MHzバンド)で 送信時 RF Power Ampが異常発振してしまう現象が発生した。





 原因をいろいろと調べた結果、

ANT切替リレーでRX側へは、送信電力は、切り離されているが、
リレーの端子間浮遊容量により、送信電力の一部が、
RF Converter基板へ逆流し、
送信アンプが異常発振してしまう現象と判明した。


対策は、左図のとおりで、

TB+の電圧を 1.2kΩ経由で RX Ant回路の 保護ダイオードに与える。

 すると、送信時にはダイオードがON状態になり、
RF Converter基板へ逆流する電力を -20dB程度減衰させ、
送信RFアンプの異常発振が防止できる。



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