(K9)9850_128SG=AD9850 Signal Generator & SCAN計 

UP dated 2013.11.05// 2013.12.15R1//2014.05.09

●PIC16F819 AD9850 SG & SCAN計=プログラム呼称HDDS9850_128SG

中華製のAD9850基板を使い、0-50MHzシグナルジェネレータ(Signal Generator) & 秋月のLCDオシロKITと組み合わせ、SCANにより、FRMSのように、フィルターの通過特性を画像として観察できます。 

ケースは、タカチYM150(W150×H40×D100mm)に組み立てました(少々小さすぎたのでYM-200のほうがよい)。

 

上右;LCD8文字x2列;Step=100kHz、出力周波数=10.000,000Hz(電源投入時のDefault値)
その右側の3桁LEDは、出力+9.8dBmを示す

 

上左;AD9850モジュールは、PCB生基板シールドケース内に入れた。上蓋をはずしたところ。
右;SGシャーシYM150の上にのせたLCDオシロ(06204KPL)とレベルコンデショナ。

 

上左;SSG本体とその上に重ねた低速LCDオシロ(この用途のために製作/ケースYM130)。
右;低速オシロは、背面が抜き差し蝶番で固定してあり、起こすと右の写真のとおり。
スタンドアローンで使い勝手がよい


 

上左;左下は、ユニバーサル基板(72x48mm)に組んだPIC16F819制御部。その右は、AD9850モジュールとOPアンプAD8045+AD8307基板、右上は、PIC16F819の3桁dBm計
右;YM150に組み込むために、制御部は、タクトSW部ユニバーサル基板を切断し直角に曲げた。OPアンプ基板はVRの取り付け方を変えた。

・AD9850 SG & SCAN計 PIC16F819プログラム済みのものをご入用の方は、以下ページをご覧ください。
◇PICの頒布 H9850_128SG=AD9850 SG & SCAN計

●SCANモードで秋月LCDオシロスコープキット(06204KPL)で通過特性の観察画像

まずは、測定した画像を見ていただこう。上から、10Kコイルx2段16MHzフィルター、12MHz_Xtalx_6素子フィルタ(幅2.8kHz)、シンワHF用LPFの通過特性画像です。


10Kコイルx2段16MHzフィルター

・横軸;1sec・・10〜20MHz(1MHz/Div)。外部トリガー立下りで掃引開始し、0.1sec/Div、フルスパンで1.0sec

・縦軸; 0.5V/Div・・0dBm〜-60dBm(10dB/Div)

・中心周波数=16MHz, 2MHz離調した14MHzで-17dB減衰、4MHz離調した12MHzで-30dB減衰していることがわかる


LCDでの表示。10kHzStepで、周波数が10.000.000Hzを示している。
スタート周波数=10MHz, Step=10kHzx2倍=20kHz/2msecを増加させ、500回繰り返し、1sec後にはじめに戻り、循環する。
即ち20kHzx500=10MHz掃引

10Kコイルx2段16MHzフィルター

・2次コイルの結合コンデンサ12pFで 両方のコイルの同調周波数=16MHz


12MHz水晶x6素子ラダーフィルタ(帯域幅2.8kHz)

・横軸;11,994kHz〜12,004kHz(10kHz/Span)

(横軸スタート周波数=11.994kHz, Step=10Hzx2倍=20Hz/2msecごとに、増加させ、500回繰り返し、はじめに戻り、循環する。即ち20Hzx500=10kHz掃引)

・縦軸0dBm0〜-60dBm(10dB/Div)

・中心周波数=11,998kHz, -6dB帯域幅2.8kHz。-60dB幅4.5kHz。シェープファクター=4.5/2.8=1.6



12MHz Xtal 段間コンデンサ=68pF。 両端のコンデンサ=68pFx2個直列(合成容量34pF)




12MHz水晶x6素子ラダーフィルタ(帯域幅0.7kHz)

・横軸;11,994kHz〜12,004kHz(10kHz/Span)

・縦軸0dBm0〜-60dBm(10dB/Div)

・中心周波数=11,996.8kHz, -6dB帯域幅0.7kHz。Xtal素子間のC=68px4=272pF
・挿入損失は、上記の帯域幅2.8kHzXF比較、-4dB。



上の写真と同じ 12MHz水晶x6素子ラダーフィルタ(帯域幅0.7kHz)

・横軸;11,994kHz〜11,995kHz(5kHz/Span)
・オシロの水平掃引時間を 50msec/div(上記は0.1sec/div) としたので,横軸が2倍に広がり、1目盛=0.5kHzとなっている。

・縦軸0dBm0〜-60dBm(10dB/Div)




シンワHF用LPF(1005)

・横軸;1MHz〜51MHz(50MHz/Span)

(横軸スタート周波数=1MHz, Step=50kHzx2倍=100kHz/2msecを増加させ、500回繰り返し、はじめに戻り、循環する。即ち100kHzx500=50MHz掃引/sec)

・縦軸0dBm〜-60dBm(10dB/Div)

・LPF。fc=31MHzより、急峻に-40dB減衰していることがわかる。シンワの1005(LPF)



1985年ごろ購入したシンワLPF 52Ωx500W




SGとしての出力電力

・横軸;1MHz〜51MHz(50MHz/Span)。0.1sec/Div。フルスパンで1.0sec

・縦軸+20dBm〜-40dBm(10dB/Div)

・0〜10MHz(+12dBm)〜50MHz(-6dBm)。AD9850は、一般的にMax.40MHz程度までが実用的ということだが、50MHzまで十分出力される




画像が、ピンボケだが、
・縦軸+10dBm〜-50dBm(10dB/Div)

・横軸;1MHz〜51MHz(50MHz/Span)で 前述の10Kコイル16MHzフィルターを見ると

・16MHzにピークが観察される。 8MHzの2次高調波(-20dB)、および5.3MHzの3次高調波(-20dB)のピークも見える



ここからは、SG12864 グラフィックLCDで製作した自作オシロスコープ画像

 


LCコイル共振周波計測
・東光10Kコイル8t巻き+47pFのLC共振回路(左図)をSG出力〜入力間に挟み、横軸0-50MHzを掃引。

SG出力は50Ωなので直接LC共振回路に接続すると、LCインピーダンスが低下して、共振点がわからなくなるので、左図のようにLCの両側に 2kΩ程度の抵抗を介してSG出力〜AD8307入力につなぐ。(2kΩの抵抗に代えて 1〜2pFのコンデンサでもOK)

・上左写真;コア最大点;共振20.5MHz//上右写真;コア最小点;共振33MHz

・同調容量は「47pF+浮遊容量5pF= 52pF」として f(Hz)=1/(2π√LC) の式より、コイルインダクタンスを求めると 1.16μH(20.5MHz)〜0.45μH(33MHz)となる



LCコイル共振周波計測(その2)

 

・東光10Kコイル36t巻き+47pFのLC共振回路を上の例と同様にして、横軸0-10MHzを掃引。

・上左写真;コア最大点;共振4.5MHz//
上右写真;コア最小点;共振8MHz

・同調容量は「47pF+浮遊容量5pF= 52pF」として f(Hz)=1/(2π√LC) の式より、コイルインダクタンスを求めると 24μH(4.5MHz)〜7.62μH(8MHz)となる

・左は、8MHz共振LC回路を2kΩを介して直列接続したもの。当然だが、Tノッチフィルタ特性がでる。


●回路

中華DDS基板AD9850の出力を 高速OPアンプAD8045で増幅し、+10dBm〜+0dBm出力。AD8045の入り口に500ΩVRにより、約-30dBの出力調整。およびAD8045の出力側に固定ATT (-10dB ;-20dB; -20dB) を挿入しており、-75dBm(RXの S9程度の強度の信号まで絞れる)
最上段に全体系統、中央に 主要部回路図、下段にAD8307出力電圧のレベルコンデショナ(レベルシフタ)回路図を示します。

下図全体系統

出力表示用にAD8307を2個使い、一つ目は、OPアンプAD8045出口の出力を監視する。二つ目は、被測定物の2次側の出力表示用としている。
AD8307の出力電圧変化は、0.25V/10dBであるが、この電圧を dBm表示するのが、◇デジタル3Digits AD8307 dBm計=プログラム呼称AmV07Wである。

・AD8045の入力部の VR500Ωを調整すると、+15dBm〜-25dBm(負の場合、赤色LEDが点灯 )に変化する。
・その後ろに、0〜-50dBの固定ATTがあるので、最小-75dBmまで出力を絞れる。

・通常のシグナルジェネレータ(Signal Generetor)として、10kHz〜50MHzまでの信号発生器として使える。

・その他、外部にオシロスコープを接続し、本機を SCANモード(SW1)にすると、その時のStep幅の1000倍の帯域を1秒間かけて掃引する。
・自作クリスタルフィルターの特性を目で見ることができる。

・またSG出力は、+7dB DBMをドライブできるので、DBMの2次側に12MHzクリスタルフィルターを設置し、その出力をAD8307の入れると、バンド監視器ができる。

下図回路;;DDS信号発生部

制御部(PIC16F819)の回路です。
・ロータリーエンコーダは、クリック付(秋月のRE160、EC12P等)を使う。
・SW2(RB2)は、Stepを変える。押すたびに、1、10、100Hz、1、10、50、100、400kHzが循環する。
・SW4は、そのときの周波数をEEPROMにSAVEするSWで、電源を切っても、その周波数で起動する。

・SW1は、SCAN SWでこれを押すと、まず。Trigger pulse(OSC2-Pin)を送り出し、そして表示Stepの1000倍、即ちStep=10kHzのときは、10MHzを1secかけて掃引する。外部にオッシロスコープを
「外部トリガー、横軸掃引_1sec、縦軸電圧感度 0.25V/Div」
で接続すると、上で紹介したような画像が観察できる。SCANモード循環中に 再度SCAN押しボタンを押すと、通常のSGモードに戻る

・SCANモード中に、SW2、またはSW3を押しながら、エンコーダをまわすと、LCDの2行目に、0から1000の数値が表れる。たとえば、500の数値を設定したときには、掃引開始して500msec後<即ちメモリ5の位置>に、RA1より、1msec幅のPulseを出す。RA1よりダイオード経由でAD8307出力に接続すると、監視画像のメモリ5の位置にひげが観察でき、周波数位置の確認ができる。

・PICへの電源投入時に、RA2のPBを押しながら起動すると、通常モードのSGではなく、IF=11,997,100Hz(これは12MHz水晶で作ったラダーフィルター)オフセットした周波数表示となる。・・換言すると、SG信号を局発とした受信信号周波数を表示する。そのときにBand-SW3を押すと、周波数バンドが, 7MHz(アッパヘテロダイン)、21MHz(アッパヘテロダイン)、50MHz(ロワーヘテロダイン)を循環する。

・AD9850中華DDS基板のマスタクロックは、125MHzであるが、これに変えて、128MHz、150.504,2MHz<3rdOT=45.15MHzを5thOTで発振させ、2逓倍した周波数>に換装したときにも、PIC16F819が使えるよう、RB5,RB6のプルダウンにより、計算式を変えるようにプログラムしてある。

・中華基板AD9850の単味出力は、実測によると -9dBm @10MHz/@200Ωであった。OPアンプの電圧増幅ゲインは、Av=(1000+100+165)/165=7.7。∴+17.7dB電力ゲイン。
OPアンプ入力@200Ω/出力@75Ω の電圧比;√(200/75)による電力比+4dBにより、総合利得22dBにより、+10dBm出力を得ている。


下図回路;レベルコンデショナ<レベルシフター>

AD8307の出力電圧は、0.25V/10dBmであるが、秋月LCDオシロキットは、0.5V/Divなので、20dB/Div, 10dB/Div, 5dB/Divの表示ができるようなレベルコンデショナを製作した。

・LM358を2個使った簡単な回路であるが、動作が理解しにくいかもしれない。A点の電圧が、1Vから1.5Vの変化したときの Q2 LM358(2/2)の出力電圧の挙動を説明する。
左側の Q1 LM358、Q2 LM358(1/2)は、単純な非反転増幅回路で、中天OffトグルSWが図示の位置にあるときは、2倍の電圧にする増幅回路である([10k+10k]/10k=2)。トグルSWが中点では、1倍増幅回路。3.3k側にSWがあるときは、4倍増幅回路([3.3+10]/3.3=4)
右側のQ2 LM358(2/2)は、電圧シフト回路になる。OPアンプは、+入力ピンと -入力ピンがあるが、どのような場合であっても +ピンと-ピンの電圧が同じになるように、出力ピン電圧が自動的に調整される性質をもっている(イマジナリーショートと言う)。C点が1Vであるとき、F点を2Vにすると2ピン(-入力ピン)は、1Vになるように、出力ピン1(D点)は、0Vとなりバランスを保つ。

このままで、A点の電圧が1.5Vになると、2倍増幅されて抵抗10kと10kで2分割され、C点は、1.5Vになる。そのときF点は電圧が変わらず、2Vのままであるので、ピン2が1.5Vになるように出力D点は、1.0Vとなる。
これは、A点の入力電圧の変位が2倍になり、かつ電圧シフトが1V負側へなされたことに他ならない。これにより、オッシロスコープへの表示画像を 縦軸を2倍に広げ、全体を下側にシフトしたことになる。


● プログラムソース

プログラムソースは、マウス右クリックで「対象をファイルに保存」を選んで、ダウンロード。
PIC16F819用プログラム
 ◇ダウンロード 9850_128SG.hex



PIC16F819用プログラム(LCD16文字x2列、SC1602等用)
 ◇ダウンロード 9850_128SG5.hex
このプログラムでは、下左回路図のようにRB7を1kΩでプルダウンするとLCD16文字x2列の1列目に連続して表示される(中央写真)。プルダウンしなければ最右写真のようにLCD8文字x2列表示となる。
LCD16文字x2列(例えばSC1602)は、Pin1(Vdd;B+5V)、Pin2(Vss;GND)となっているLCDが多く、本記事に使用したRT802Bとは、電源が正逆であるので、お使いになるLCDの規格を十分に確認することにご注意。間違えると、ほぼ間違いなくLCDは壊れる。



(OP17) ICS570B周波数拡張 との組み合わせプログラムソース SG8 は、マウス右クリックで「対象をファイルに保存」を選んで、ダウンロード。
PIC16F819用プログラム
 ◇ダウンロード 9850_128SG8.hex



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