近隣問題への配慮(番外編1)


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  住宅地にある両親の家などを二世帯住宅に建て替えようと考えている方は多いと思います。土地が非常に広い場合には問題は無いのですが、分譲地等で50〜60坪程度の敷地の場合には近隣との位置関係も非常に重要となります。

 
我が家の場合もこの点には非常に気を使い色々調べてみました。また、旭化成・営業のYさんも法的な問題や感情的な問題について色々アドバイスをして下さいました。(多分、他の住宅メーカーさんでは教えてくれないことまで教えてくれました。そういう点で、Yさんは非常によく勉強していて頼りになります。メーカーによっては本当に勉強していない営業さんもいますよ。実際。。。) 皆さんの参考としていただくため、建築日記番外編として、我が家の検討内容をまとめておきます。
 
☆ 法律上のきまり

法的には、民法に以下の規定があります。

民法234条;建物を築造するには境界線より五十センチメートル以上の距離を存することを要す
民法235条;境界線より一メートル未満の距離において他人の宅地を観望すべき窓又は縁側を設くる者は目隠しを附することを要す

 要するに、原則として、@隣地境界から50cm以内に家を建てることはできない、A隣地境界から1m以内窓、縁側を付けた場合は隣家から求められれば目隠し(開閉可能なものはだめ)をつけなければならない、ということです。
 ただし、都会の密集地などではそうも言っていられないので、異なる慣習がある地域はこの規定にしばられないそうです。


☆ 過去の判例

 
民法に明確に規定されている窓、縁側以外のベランダや外階段はどうでしょうか?

基本的にベランダや外階段も建物の一部ですから、50cm以内は駄目です。

1m以内の場合に目隠しの義務があるかどうかについては、過去に裁判で争われた事例がいくつかあるそうです。

これらによると、

@ ベランダ:ベランダには、ある程度の時間、人がそこにとどまることから、縁側と同様に居室の延長と考えらるため、目隠しの設置義務がある。

A外階段、廊下:マンションやアパート等の外階段や廊下については、通行のためのものであり、人が長時間とどまるわけではないことから、縁側には該当せず、目隠し設置の義務はない。

 というのが裁判所の判断だそうです。


      
☆ 感情の問題

 法律的な問題は別にしても、隣地境界近くに外階段や窓があるのは、隣家側からすればのぞかれているようで、あまり気持ちの良いものではないと思います。

 また、法的には北側斜線の問題をクリアすれば、一般住宅で日照権が問題になるケースはほとんど無いそうですが、単世帯用住宅を二世帯住宅に建て替えればどうしても近隣のお宅の日当りに影響を与えてしまいます。
   
 さらに、親世帯と同年代の方の家がまわりに多い場合には、子供夫婦と同居できるのをうらやむ気持ちもあり、どこか面白くない感情を持つのは自然ではないでしょうか。

 こういったことを考えれば、可能な範囲でご近所に配慮するのも重要だと思います。



☆ 我が家の結論

 
以上の点から、我が家が出した結論は以下のようなものでした。
  1. 建物本体は敷地境界から、極力、1m以上離す。
  2. 窓は全て敷地境界から1m以上離し、隣家と近接する西側、北側は曇りガラスとする。
  3. 唯一、1m以内に入ってしまう外階段のベランダ部分にはあらかじめ目隠しをしておく。
    (お互い目線が合うのは気まずいですから、、、)
 このような対応をしても、日当りが悪くなるのは一緒だと言われるかもしれませんが、敷地の制約と家族の生活様式を考えればこれが限界というところでしょう。(この程度でどうかご容赦を!といったところが本音です。)

 逆に、ここまでしなくとも、ご近所のことだから、目隠しをしろなんていってこないさ、、、と言われる方もあるでしょう。しかし、長く住むことを考えると、ちょっとしたことで気まずくなるのは嫌ですし、何十年後に誰が引っ越してくるか分からないじゃないですか。そんなことを気にしながら生活するよりは、あらかじめできるだけのことをしておいた方が良い、というのがうちの考えなんです。